メッセージフロム、ラブリーアイ。
猿)「女子中高生の恋愛って、結構年上の男性にも向けられるものなんだなあ。これはちょっと意外でした」
ズ)「まあ女子の方が成長期は早いと言われてますから」
猿)「実際男子中高生は年相応の見た目が多いけど、女子中高生はぱっと見分かんないもんね」
ズ)「そんな中いただきました、次のメッセージはRNラブリーアイ、16才の高1女子からでーす」
猿)「はいはい」
ズ)「猿田さん雨野さんこんばんはー」
両)「こんばんは!」
ズ)「私には10年以上も片想いの、同級生の男の子がいます」
猿)「じゅ、10年?!」
ズ)「幼稚園の時からずっと1人の男子だけを見てきました」
猿)「すっごいな! ラブリーアイは一途なんだなあ」
ズ)「幼稚園の時、ピンチの私を守ってくれた時から、彼の虜です!」
猿)「男前な男の子だなあ。当時のラブリーアイには王子様に見えたのかもしれないね」
ズ)「こんなにも長い間彼のコトを待ち続けられるのには、理由があります」
猿)「なになに?」
ズ)「幼稚園の時に、『プロポーズされたんです!』←(リバーブ全開)」
猿)「プ、ププ、プロポーズ?! 幼稚園で?! どんなプロポーズだったの?」
ズ)「書いてますよー。ズバリ、言ってもいいですかあ?」
猿)「お願いします!」
ズ)「『大きくなったら、僕のお嫁さんになってください!』←(リバーブ全開&ウェディングソング)」
猿)「ひゅうぅ〜。アッツイねえ」
ズ)「うわあ、ステキすぎてキュンキュンきちゃいますね」
猿)「これがホンモノの愛ですよ」
ズ)「ですね〜」
猿)「その時はいつ訪れるんだろう? ていうかその子はちゃんと覚えてるんだろうな?」
ズ)「それがですねえ、分からないみたいなんですよ」
猿)「なにー?! その男子、責任重大だろ!」
ズ)「えー、校区の関係で幼稚園卒園と同時に彼とは一旦離ればなれになり、その後中学で再開。最初の1年は話もできませんでしたが、2年で同じクラスになってからようやく会話できるようになりました。その後、同じ高校を受験し、今に至っているのですが、」
猿)「が?」
ズ)「プロポーズのコトはもちろん、好きな素振りも見せてくれません。それどころか、なんだか少し距離を感じます(T ^ T)」
猿)「小学校の6年間離ればなれだったし、思春期真っ盛りの男女だもんなー。男子が距離をとっちゃうのも無理ないよ」
ズ)「だからと言って、積極的にアプローチしていくなんてコトは私にはできません。なのでせめて、気持ちを込めたチョコを渡したいと思います」
猿)「なんだかピュアな話だなー」
ズ)「そうですね。なんか応援したくなっちゃう」
猿)「んー、ラブリーアイは受け身なんだな」
ズ)「来てくれるのを待つタイプみたいですね」
猿)「こういうタイプの子がチョコを渡すのって、シチュエーションが大事だと思うんですよ」
ズ)「なるほど、確かにそうですね」
猿)「やっぱ一番破壊力があるのは、呼び出し手渡しでしょう!」
ズ)「なんか青春ですねー」
猿)「たぶんその男子も、ラブリーアイのコトを最低線で見ても嫌いではないと思うんですよ」
ズ)「希望的観測ですか?」
猿)「いやいや、だってその男子は、ラブリーアイと話はするけど距離は置いてるんでしょ? それってつまり、女子として意識はしているってコトですよ。なんの興味もない異性だったら、そもそも話もしませんよ。ズー姫だって1年間全く話さなかったクラスメイトの男子っているでしょ?」
ズ)「……初めてヒコさんを見直しました」
猿)「初めて?! 俺いままでどんだけ見下されてたんだよ!」
ズ)「ふふふふふ、ごめんなさい」
猿)「それに幼稚園の時のこととは言え、ラブリーアイのコトは記憶の片隅に絶対残ってるから。それが6年ぶりに再開して、幼女から少女になってて、今なおオトナの女性になるべく成長してるんですよ。意識しないワケがないですよ」
ズ)「ヒコさんを見直したのはこれで2回目です」
猿)「……まあいいや。とにかくラブリーアイ、その男子はきっとラブリーアイのコト気にはなってるから。本当は手渡しが一番いいと思うけど、それが無理だったらせめてメッセージカードは添えてな。そこに好きだ、なんて書かなくていいから。なんか感謝の言葉とかでも良いからな」
ズ)「いつも仲良くしてくれてありがとう、とかどうですかね」
猿)「それ良いよ! 受け身のラブリーアイにはぴったりの言葉じゃないか?!」
ズ)「採用ありがとうございます」
猿)「じゃ、そういうことだから。バレンタインで絶対オトすだなんて気負わなくて良いからな。緊張すると思うけど、がんばってな!」
ズ)「がんばってくださいね」