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メッセージフロム、テオドール。

「♪ふんふふん とぅるとぅるとぅーとぅる ふんふふん とぅとぅるとぅるとぅーとぅる

 ふんふふん とぅるとぅるとぅーとぅるとぅー♪』


 花梨は穏やかな気持ちで鼻歌を口ずさんだ。花梨はこの歌が大好きだった。


猿)「お、早速メールが届いてまーす。今回はバレンタインという事で女子からのメールが多いと思うので、雨野に読んでもらおうかな」


ズ)「はい、じゃーわたくしズー姫こと雨野ウズヒメがみんなからのメッセージを読ませてもらいますねー。えーRN(ラジオネーム)テオドールさん20歳の大学2年女子ー。」


猿)「おー、テオドール久しぶり。最近聴き始めたリスナーからは、いきなり20歳かよ! ってツッコミが聞こえてきそうだけど、テオドールはチアワン歴3年のベテランです」


ズ)「んー、当時は高3だったからねーテオドールさん」


猿)「はい、じゃあメール読んで」

ズ)「はい! えー私は今、彼氏と同棲しています。そしてその彼がヒモで困ってます(爆)」


猿)「なにーっ、テオドールが彼氏と同棲?! しかもその彼がヒモ?! テオドールはその彼氏の一体ナニに惹かれたんだよ!」


ズ)「まー、男女の仲なんて外からじゃ分かんないですから」

猿)「まーなー。その彼氏もテオドールにとっては良いところが有るんだろうなあ」


ズ)「えー、彼は同い年なんですが、色々あって同じ大学のイッコ下、大学1年生です」


猿)「んー、なになに? 要するに、彼氏は一浪して同じ大学に入ってきたってコトでいいのかな?」


ズ)「ですかねー」

猿)「あー、同い年の大学生かあ。じゃあアレだ、実家に帰らずに彼女の家に入り浸ってるって感じか?」


ズ)「そんなカンジですかねー?」

猿)「まあ大学1年生だったらまだヒモとか分かんないよね。もしかしたら凄く立派な男に育つかもしれないし」


ズ)「うんうん」


猿)「はい。で? その彼氏とどうしたの?」

ズ)「んーと、なんか倦怠期に入ったみたいで、一緒にいてもそんなに楽しくありません。トキメキもないし。

 でも行事ごとは大切にしたいです。なので手作りチョコを作って渡したいです。

 これで少しはまたドキドキできると良いなあ、なんて思ってます」


猿)「なるほど、テオドールはいま倦怠期なんだ?」

ズ)「まあ付き合う時間が長くなると、絶対来ちゃうものではありますよね」


猿)「でもテオドールは手作りチョコを渡して、この局面を打開したいと」


ズ)「あー、がんばって欲しいですねえ。これはガンバリチョコを作ってオッケーなパターンですから、ぜひぜひ豪華なチョコを作ってもらいたいでっす」


猿)「そうなの?」

ズ)「そーですよ。もう倦怠期を迎えてる同棲カップルなんだから、ガンバリチョコを作っても重いとか言われないじゃないですか」


猿)「おー、そういうことか! よし、じゃあもの凄いデコレーションしようぜ! 3段重ねチョコとか」


ズ)「なんですか3段重ねチョコって」

猿)「なんかこう立体的でさ、一回見たらもう忘れられないみたいなヤツ」


ズ)「それで毎年、これぐらい豪華じゃないと物足りないゾってくらいにして、テオドールさんから離れられない存在にするとか」


猿)「ちょっとそれ、自分をも追い込んでない?」

ズ)「あははっ、追い込んでるかも」

猿)「まっ、テオドール。倦怠期を打開するにはさ、やっぱ新鮮に感じるコトをやっていくべきだと思うから、ぜひね、テオドールなりのオリジナルなチョコを作って、そのヒモやってる彼氏に渡してあげな。がんばれよ!」


ズ)「がんばってね!」



 花梨は顔を綻ばせながらラジオに聴き入る。

 小包装の四角いチョコレートをひとつ摘んで口に入れながら、豪華な3段重ねチョコを想像してみる。

 不意にウェディングケーキみたいなのが出てきちゃって、ふふっと吹き出した。


「花梨は、今年はどんなチョコにしようかな」

テオドール=瀬尾夏鈴。

セオ→テオ、夏鈴は可愛い女の子→doll→ドール。


登場作品 ソラガミ、ユイナの地球救済。下部のランキングタグ欄にソラガミのテーマソングがあるので見てみてください!

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