3話、魔法
そして最近面白い物を見つけた。場所はクレイの書斎だ。この世界では本は全て手書きの様だ。技術の発達度合いがよく見て取れる。そして日本語だと思っていた言語も違うらしい。本に書いてある言葉はどう見ても日本語ではなかった。なので、絵が入った物語のような本をキャリルの所へ持って行くと
「これを読んでほしいんですか?いいですよ!さあ、そこに座って。」
キャリルに読み聞かせをしてもらう事で頑張って文字を覚える事が出来た。その物語はとある冒険者が迷宮を攻略するお話だった。
そしてその面白い本と言うのは、「魔法の書・初伝」だ。それを読んでみると魔法には5つの属性があるらしい。火・水・木・光・闇があってそれぞれに階級が設けられている。階級は下から水星級・金星級・地球級・火星級・木星級・土星級・天王星級・海王星級の8階級あるらしい。この前ミラルが使った治癒は光属性の金星級の魔法らしい。俺も魔法には興味があったので練習してみることにした。初心者に優しいこの本には、火属性の水星級魔法の小火から練習を始めると良いと書いてあったので、そこから始めることにした。
「えーっと。詠唱分はっと。
今この大地を明るく照らさん。小火」
唱えると身体の中にあった血のような物が、詠唱のために伸ばした手の先に集まって来るような感覚があった。と、思ったら目の前に小さな灯りが出来ていた。
「やった!!」
と、言った瞬間灯りは消えてしまった。集中しないと駄目なのかもしれないと思いもう一度やってみると、さっきよりも明るい灯りが出来ていた。集中したまま灯りを前に前に動かそうとしてみると、少しずつ前に進んで行った。だんだんと速くして行くと、ある所で急に疲れが出てきて眠ってしまった。