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スターナ国に待望の男子リューソン王子が生まれた。国王と王妃はたいそう喜び、リューソン王子の誕生祝いに一週間ぶっ通しで舞踏会が、開かれ毎晩、花火が上がったという。
その3年後、次男になる男子シャルフィ王子が誕生する。国王と王妃は二人目の誕生日に喜んだ。
しかし、一人目のリューソン王子に対する期待が大きくシャルフィ王子に対する期待は少なかった。 愛情は平等に、教育も平等に行っていったが、3才差もあるのに、シャルフィ王子が幼い時から才能に秀でていた。
数学も語学も帝王学においても、シャルフィ王子が習得が早く頭の回転が、早い。教師達の報告を受け、国王と王妃は悩む。
愛情は平等にあるが、リューソン王子の立場を、思うと辛かった。
いづれ、国王を継ぐのはリューソン王子であってほしい、それはシャルフィ王子を否定したのではない。
兄弟間の不協和音を防ごうと、国王は次男シャルフィ王子が8才になる前に公爵家に養子として出す事にした。
公爵家にしたのはたまには、遠くからでも会いたいという、国王と王妃の心からの気持ちだったのだ。
それは兄より才能に溢れた弟の苦難の始まり。