表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39歳の平凡な中小企業(さつまいも製造販売)の社長!農業スキルで異世界無双!(1000PV越えありがとうございます)  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/38

第31話:エルフの族長・ハル

「どうした!?」


 ツトムがドワーフの御者に声をかけると、震える声が返ってきた。


「ま、前方に弓を構えたエルフたちがいて……これ以上は走れません!」


 ツトムはすぐに馬車を降り、凛とした態度で前を向いた。


「王都サイラスからの要請を受け、ここへ参った勇者ツトムだ! 敵意はない、道を開けてくれないか」


 その言葉を聞くと、木々の間から姿を現したエルフたちが、静かに弓を下ろした。


「これは……失礼いたしました。しかし、この森は精霊の加護に守られており、道を知らぬ者は永遠に辿り着けぬようになっているのです。勇者様とお見受けした今、私めがご案内させていただきます」


 一人のエルフが恭しく一礼する。その透き通るような美しさに、背後の馬車の中から「……チッ」という舌打ちのような音が微かに聞こえたが、ツトムは気づかないふりをした。


「助かる。案内をお願いする」


 エルフの先導により、閉ざされていたはずの深い森の奥へと、一行の馬車は再び進み始めた。

 案内をしてくれたエルフに、ツトムは丁寧な礼を述べた。


「案内ありがとう。もしよければ、この街を束ねる長のもとへも、取次をお願いできないだろうか」


「もちろんでございます、勇者様」


 快い返事をもらったツトムは、感謝のしるしとして、アイテムボックス――異空間から自在に物を出し入れできる魔法の収納――から、ベニ・ハルーカを取り出した。 最初は戸惑っていたエルフだったが、一口食べるとその瞳を大きく見開いた。


「お芋……これが? こんなに甘くて、とろけるような食べ物は、森の果実でもお目にかかったことがありません……!」


 エルフの顔には久々の笑みが浮かんだが、ふと周囲を見渡せば、街全体に活気がないことにツトムは気づいた。


「ここが族長の間です。私のお役目はここまでとなります……」


 エルフが去り、一行が重厚な扉を開けると、奥から聞き慣れない独特な声が響いてきた。


「おんや。主さんが、巷で噂の勇者殿でありんすか?」


 姿を現し、中央の台座にゆったりと腰を下ろした女性。


「わっちはエルフの族長でハルと申すものでありんす」


 艶やかな着物を崩したような装いに、透き通るような肌。その妖艶な美しさは、これまでの美女たちとは明らかに毛色が違っていた。


(……なんという艶やかさ。毒気にあてられそうだわ)


 ルカが内心で舌を巻けば、アイリスは顔を赤くして狼狽える。


(くっ、なんという破廉恥な……! 騎士の私にはあのような格好、逆立ちしても真似できんぞ!)


(……独特の空気を纏っているな。侮れない相手だ)


 グライザもまた、静かに闘志を燃やしていた。


「それで……主がわっちの森をお救いになってくださるんでありんすか?」


「そのために来ました。ですが……様子を見るに、エルフたちに元気がありませんね」


 ツトムが指摘すると、ハルは力なく、しかし艶っぽく溜息をついた。


「それはぁ……森が魔王の力で枯れかけとるからでありんす。エルフたちは森の魔力で生きる種族。供給が途絶えれば、みんな元気が出ないのは道理……わっちも、この通りでありんす」


「事情はわかりました。ひとまず、開墾されていないような荒地を貸していただけますか?」


「ここから少し行ったところに荒れ果てた地がありんすぎ。好きにお使いになっておくんなはれ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ