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39歳の平凡な中小企業(さつまいも製造販売)の社長!農業スキルで異世界無双!(1500PV越えありがとうございます)  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


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第3話:二つ目の願い!

ご覧いただきありがとうございます。

本作はR15対象の[異世界ファンタジー]です。

短いお話ですが、お楽しみいただければ幸いです。

「では、二つ目の条件だ。……僕には、この『神域の営農管理ディバイン・ファーム・マネジメント』を付与してもらいたい」

「え、なにその長ったらしい名前……。もっとこう『爆裂魔法』とか『聖騎士の加護』とか、短くてカッコいいのはないの?」

 焼き芋を口いっぱいに頬張ったルカが、不思議そうに首を傾げる。僕は迷わず、経営者として必要な『生産ライン』の全容を突きつけた。

「いいか、ルカ。農業において最大の敵は『時間』と『労力』、そして『外的リスク』だ。それらをすべて排除する力を求める。まぁしかし簡単に言うと土魔法みたいなものだ。」

 僕は指を一本ずつ立てながら説明する。

「まず、土を耕すと同時に、理想的な高さのうねが形成され、そこには既に苗が植え付けられていること。次に、その苗が通常の数倍の速度で、かつ最高品質で育つこと。そして――」

 一呼吸置き、僕は最も重要な『リスク管理』を口にする。

「僕の管理下にある農地には、一切の害虫を寄せ付けず、雑草の発生を完全に抑制する。……つまり、農薬も除草剤も使わずに、僕が望む最高級の『べにはるか』だけが整然と並ぶ、究極の生産拠点を構築する力だ」

「……え、それだけ? 魔王とかドラゴンと戦う力は本当にいらないの? 死んじゃうよ?」

「戦いはリソースの役割だ。僕は経営に専念する」

 あっけらかんと言い放つ僕に、ルカは「この人、本気だ……」と呆れたような、それでいてどこか感心したような視線を向けた。

「わ、わかったわよ! そこまで言うなら、その変な……じゃなくて『営農管理』のスキルも付けてあげる! もう、変な勇者様!」

 ルカが指を鳴らすと、真っ白な空間が黄金色の光に包まれた。

「契約成立ね! さあ、新しい世界へ行きましょう! 私の……じゃなくて、ツトムの『さつまいも帝国』の始まりよ!」

 視界が光に飲み込まれていく。 手に持った焼き芋の温かさと、隣で騒ぐドジな女神の気配を感じながら、僕は意識を手放した。

 次に目が覚める時は、新たな事業の「創業日」になるはずだ。

「……待て。もう一つ、重要な工程を忘れていた」

「ふぇ? まだあるの? もうお腹いっぱいだよぉ……(モグモグ)」

 僕は人差し指を立て、追加の仕様変更をルカに突きつける。

「畝立てと植え付け。そこに**『マルチング』**の工程を完全に自動で組み込め」

「まるちんぐ……? 何それ、新しい呪文の名前?」

「インフラ整備だ。畝を遮光性の高いシートで覆うことで、地温を安定させ、水分の蒸発を防ぐ。何より、さっき言った『除草』を物理的に完璧なものにするための必須工程だ。いいか、僕が一歩踏み出せば、そこには黒光りする完璧なマルチが張られた畝が完成している……。そこまでやって、初めて『神域』を名乗れ」

「わ、わかったわよ……! こだわりが凄すぎてちょっと引くけど、焼き芋のおかわりをくれるなら、その『全自動マルチ張り』もオプションで付けちゃう!」

 ルカがやけくそ気味に指を鳴らすと、僕の脳内にインストールされたスキルの詳細が書き換わった。

【固有スキル:神域の営農管理ディバイン・ファーム・マネジメント

 ソイル・リバリュー(土壌改良)

 カルチ(一括耕起)・リージング(畝立て)・マルチング(黒ビニール)

 グログ(超急速・高糖度育成)

 完全防虫・完全防草

「……よし。これで戦える」

 僕は満足して頷いたが、ふと思いついてルカに問いかけた。

「ルカ。この『営農管理』スキルを動かすためのエネルギー源――いわゆる魔力はどうなっている? 僕の身体がガス欠(魔力切れ)になって、生産ラインが止まるような事態は避けたいんだが」

「あ、意外と冷静! そうね、ツトムさんの中にもちゃんと魔力はあるわよ。でも、大規模な農地を一気に開拓しようとしたら、たぶんすぐ空っぽになっちゃうかも」

 ルカは焼き芋の皮をぺろりと剥きながら、事もなげに言った。

「でも安心して! 私を『役員』にしたのは正解だったわね。ツトムさんの魔力が足りなくなったら、私が横からギュギューっと魔力をチャージしてあげるから! いわば、私があなたの移動式発電機兼、予備バッテリーってわけ!」

「……よし。これでリスクヘッジも完璧だ。外部資本(君の魔力)の注入が可能なら、事業計画は大幅に前倒しできる」

「あはは、ツトムさんって本当にお堅いんだから!」

 ルカが能天気に笑う。僕はその顔を真っ直ぐに見据え、最後の一言を付け加えた。

「あと、ルカ。……僕を『さん』付けで呼ぶのはやめておけ」

「えっ? なんで? 丁寧でいいじゃない」

「これから僕たちは、異世界という過酷な市場で生き抜く運命共同体だ。過剰な敬語や遠慮は、判断の遅れに繋がる。……呼び捨てか、あるいは別の呼び方で構わん。君も僕を対等なパートナーとして扱え」

「……へぇ。人間なのに、神様の私に呼び捨てにしろなんて。ツトムって、本当に面白い人ね!」

 ルカはいたずらっぽく微笑むと、今度こそ僕の腕を掴んだ。

「わかったわ、ツトム! それじゃあ、私たちの創業初日ニューゲームを始めましょう!」

「ああ。……行くぞ、ルカ!」

 黄金色の光が爆発し、僕たちの意識は真っ白な空間から、新たな大地へと解き放たれた。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

感想、ブクマ、高評価いただけると嬉しいです。喜びます(^ ^)

次回更新は・・・の予定です。

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