第26話:反省ミーティングとおまけ
王様が手配してくれた豪華ホテル。そのメインダイニング。 今日はここが、僕たちの反省会会場だ。
「今回は大成功だった!! さぁ、みんな好きなだけ食べて飲んでくれ!!」
今日ばかりはツトムも上機嫌だ。異世界に来て、これほどの大成功を収められるとは思ってもみなかった。
(……全部みんなのおかげだな。今日は多少のわがままなら、許してあげるしかないか)
ツトムが心の中で感謝を噛み締めていると、アイリスが顔を真っ赤にして詰め寄ってきた。
「ツ、ツッツトム殿ぉ! 私は騎士だぞ!! あんなヒラヒラした恥ずかしい格好は、二度としないからな!」
「ははは。だが、みんな本当に似合っていたぞ」
ツトムが素直な感想を口にすると、アイリスは視線を泳がせながら、消え入りそうな声でボソリと呟いた。
「……ああいう格好は、だな。大事な方の前でしか、しないものなのだ……」
「ねーねー! 私が一番可愛かったでしょ? 私が一番いいんでしょ!」
隣では、ワインが回ったのかルカがツトムの腕にすり寄ってくる。
「埋め合わせも『未遂』なんだから、何でも言うこと聞いてくれるわよね? ね? ……次はあの格好で、二人きりでデートよ!」
「ルカ、酔ってるのか? 近い、近いって!」
「ふむ……たまにはああいうのも、いいのかもしれないな」
グライザだけは相変わらずクールに、高級な肉料理を楽しみながら呟く。
そんな和やかな(?)宴をぶち壊すように、男の怒鳴り声が響き渡った。
「ツトム! 貴様、我が婚約者に不浄な服を着せ、王都の風紀を乱してぇぇぇぇ!!」
現れたのは、嫉妬で理性を失ったアレハンドラ将軍だ。
だが、彼が言い終わるより早かった。
「『マルチング』!」
ツトムが指先で唱えた瞬間、どこからともなく現れた黒いビニールが将軍を強襲した。
「なっ、ぐあああああ!?」
あっという間に、将軍はレストランの床の上で芋虫のように固められ、転がされる。
ツトムは平然と店員を呼び止めた。
「あ、すみません。そこの黒いの、外に投げといてください」
「……承知いたしました。すぐに処分いたします、勇者様」
「「「あはははは!!」」」
ルカ、アイリス、グライザの三人の爆笑が、豪華なダイニングに響き渡った。




