第12話:ドワーフの街の用心棒!オーガ
「その後ろの鉱石を採掘させてほしい。ドワーフが来ても邪魔をするな。そしてオーガ、君は強い。その剛腕を、ドワーフの街の『用心棒』として奮ってくれないか? 報酬は、このベニ・ハルーカとイモ・ジョウチュウを……継続的に、現物支給すると約束しよう」
『おでぇ! やる!! 用心棒、やる!!』
即決だった。 僕はまず、酔い潰れた二人をオーガの巨大な肩に担がせ、資材を確保して洞窟を脱出した。
ドワーフの街に戻り、技師長に事の顛末を伝える。 「技師長、資材は確保した。それと、このオーガと『専属警備契約』を結んだ。今後は洞窟の安全も、この街の防衛も彼が担う。……契約書の内容は、後で駄女神(ルカが起きたら)に確認させるが、まずは工事を再開してくれ」
「あ、あんた……魔物を手懐けるどころか、雇用しちまったのかよ……」
技師長が呆然とする中、僕は「これでインフラ整備の遅れは取り戻せるな」と、次なる事業拡大の数字を弾き始めた。
ドワーフの街の宿屋。朝日が差し込む中、絶叫と謝罪が響き渡った。
「アイリス! 『責任を取れ』だったか? それとも『セクハラ』だったか!? 君が昨日叫んでいた要求、詳しく再確認させてもらってもいいかな?」
「ツ、ツトム殿ォォォ! 記憶が、記憶がないのだ! 私は断じて、そのような……淑女にあるまじき暴言を吐いた覚えは……う、ううっ」
顔から火が出るほど真っ赤になり、アイリスがシーツに顔を埋めて悶絶している。 僕は視線を横にずらし、隅でこっそり逃げようとしている駄女神を捉えた。
「ルカ! 酔った勢いで洞窟までぶち壊そうとしたな! 資産価値をゼロにする気か!」
「違うのよ! あれは敵を一掃しようとしたら、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ火力を間違えちゃっただけよぉ!」
「二人とも猛省(反省)!! 今後の報酬(芋と酒)は、勤務態度を評価した上での変動制にするからな!」
二人がガックリと肩を落とすのを確認し、僕は技師長のもとへ向かった。
「さて、技師長。資材も揃った、オーガの警備もついた。早速ジミーナ村へ来てキュアリング倉庫の建設を始めてもらおうか」
「……いや、ツトムさん。申し訳ねえが、俺はこの街のギルド長も兼ねててな。ここを長期間離れるわけにゃいかんのだ」




