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【閑話:ノアのかんがえていること】

今日はラウマとノアとエイシスが地下の部屋を使う日だ。

ひまわりハウスではそんな日が設定されている。

これはユアが妻たちと二人きりで過ごすために、地下を使うのを遠慮するからと、ラウマが言い出したことだ。

ノアも賛成して、わたしはいいですと言うエイシスを無理やり連れ込む様になった。

今夜はラウマがおとなりのおじいさんの看病に行って、なかなか戻らなかった。

「エイシスは遠慮し過ぎだよ?」

ノアはエイシスの気持ちが色々と解った。

見ていないようでノアは細やかなことまで見ている。

そして野生のような直感で色々と本質を見抜く能力があった。

ラウマやアミュアが思いやりのある観察と察する気持ちで気付くことに、直感で至ってしまうのだ。

地下の半分は大きなベッドが占めている。

ここで三人で寝ると、わりとくっついてしまい温かいのだった。

そうして寝る時はノアがエイシスを真ん中にして逃げられなくする。

端に寝かすと、遠慮して離れて寝るからだ。

「遠慮はもうしていないですよ?」

最近は温度を分け合って寝る心地よさも知り、遠慮は少なくなったとエイシスは思った。

にっこり笑うエイシス。

じーっとみつめるノア。

実はエイシスはノアにこうして見つめられるのが苦手だった。

冷や汗がでそうになる。

澄んだすみれ色の瞳に自分の中の醜い心や、いやらしい想いを全て見抜かれるような恐怖を感じるのだ。

ノアは見つめながら核心を語る。

「エイシス‥‥ユアのこと好きでしょ?」

こうゆうところがエイシスは怖いのである。

答えられずに頬が赤くなるのを自覚するエイシス。

ノアの瞳がふわっと柔らかくなる。

そっと抱きしめてノアは続ける。

「それは素敵なことだとノアは思う」

ノアはとても体温が高く暖かかった。

よしよしと頭も撫でられる。

「こないだカルヴィリスが来てたでしょ?」

話があちこちに行くのもノアの特徴だ。

「はい?おなか大きくなってきてましたね」

思い出してにっこりするエイシス。

ノアはなぜかエイシスの下腹をやさしく撫で始める。

「不思議に思ったの‥‥ここに命があるのだと」

わたしのそこにはないですよ、と思いつつもノアの言いたいこともわかったエイシス。

「そうですね‥‥命が産まれるのですね」

エイシスにとってもそれは奇跡と感じることができる出来事だった。

またじーっとさっきより近くでノアはエイシスを見つめる。

透き通るような青紫の瞳が全て見透かす。

「エイシスも望むといいよ」

「ええ?!」

なでなでとお腹をなでるノア。

「きっと神様が授けてくれると思う‥‥エイシスが本当に望んだら」

とさっとノアに押し倒され寝かされるエイシス。

ノアは執拗にエイシスのお腹を撫でる。

そうしたらそこに赤ちゃんが宿ると言うかのように。

「そ‥‥そうでしょうか?」

「うん‥‥」

ノアに確信をもって言われると、神託の様に感じ、そうなのかもと思ってしまうエイシス。

赤子を抱いた自分の隣にユアを想像してしまう。

ぽっとまた顔が熱くなった。

(そんなわけないよぉ‥‥ばかばかエイシスのばかぁ‥‥)

そもそもユアは女の子なのだった。

そんな基本的な事を通り越して夢をみてしまうエイシス。

そっとエイシスのお腹に耳をあてだすノア。

もうノアのなかではそこに赤子がいるのであろう。

なでなでとされるとエイシスはとてもあたたかな気持ちをもってしまう。

(ほんとうにそうなったらステキだな‥‥)

自分のお腹に命が宿り、ノアに優しくなでられる時間。

なんと幸せだろうと思ってしまう。

何をそこに聞き取ったのか、ふと起き上がるノア。

すいとエイシスの顔の前にきてじっと見る。

「エイシス‥‥」

「は、はいぃ‥‥」

色々と妄想して真っ赤になっているエイシスはとても恥ずかしい。

「ノアもね‥‥」

めずらしくノアが言い淀む。

見る間にノアの顔も真っ赤になった。

耳まで真っ赤になっている。

「ノアもユアの事が好きよ‥‥」

エイシスはええと、と少し考えてしまう。

話が飛びすぎて理解が追いつかないのだ。

「でも‥‥エイシスも遠慮しちゃだめよ」

それだけ言うと、恥ずかしかったのかエイシスの肩に顔を埋めてしまう。

「ないしょだよ?」

と小さく言うノアはとても愛らしかった。

(そうか‥‥遠慮しないでいいんだ‥‥)

なぜかノアの告白に勇気をもらったエイシスであった。

この日は二人で寝てしまい、ラウマが帰ったのに気づかなかった二人。

すやすやと安らかな寝顔で、なんだかとても距離の近い二人に、ラウマもにっこりとする。

「ふふ、仲良しですねぇ」

そういってふんわりと二人を抱きしめるラウマであった。



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