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【第65話:みたびめの町にて前編】

翌日の朝にはアミュアとラウマが合流した。

ユアはそわそわしながらモーテルの前で待っていた。

街の方向からとんでもない速度で影が疾走してくる。

影から水色と白の塊が射出されてきた。

「ユアぁ!!」

ドーンとアミュアが飛び込んでくる。

夜霧の疾走速度も乗ったので、かなり速くアミュアは強化魔法で防御も力も上げてきていた。

アミュアの得意な氷魔法の身体強化なので、かなり魔力も乗っている。

「ぐふぅっ!」

かわせてもかわさないだろうが、ユアですらかわせない速度だった。

そのままタックルのように地に倒したアミュアがぎゅうっとユアを抱いている。

「‥‥あみゅあ、いたいよぉ‥‥」

「ゆあゆあゆあぁ!!えぇーん!」

泣き出してしまうアミュアをよしよしとするユア。

夜霧から降りたラウマもそばに来る。

「ユア‥‥心配しました」

ラウマの目にも涙が滲む。そっとアミュアと共にユアに寄り添うのだった。


「連絡がつかなくてアミュアはずっと泣いていたの‥‥」

ユアの膝枕で寝てしまったアミュアの髪をそっとラウマも撫でてあげる。

ずっと寝ていなかったようで安心して寝たのだ。

エイシスとユアで借りているモーテルの一室だ。

エイシスはだいぶ元気になったので、解禁されエリセラにつきっきりになっている。

「大丈夫だよって励ましたんだけど、公都エルガドールがああだったから‥‥」

納得顔になるユア。

「あたし達も連絡つかなくて悲しかった。心配したよラウマ」

「‥‥うれしい」

ぽっと頬をそめるラウマ。

アミュアを撫でていない方の手をそっとのばしてラウマの手を握る。

「アミュアを励ましてくれてありがとう」

あたたかなユアの手にとても安心と幸せを受け取るラウマ。

「うん‥役に立てたならよかった」

もう首筋までまっかになるラウマ。

「ラウマもよかったらおやすみ。寝てないのでしょ?」

「うん‥‥いいの?」

「もちろん」

そういって隣をぽんぽんと手で叩いた。

アミュアと並ぶように横になり、薄掛けをかけてもらったラウマ。

ユアと手を繋いだまま直ぐに寝てしまった。

(お疲れ様‥‥ラウマも寝ていなかったんだな)

ちょっと微笑みに寄った顔で眠りについたラウマが、とても愛おしく感じるユア。

(アミュアをいっぱい励ましてくれたんだ‥‥やさしいなラウマは)

そっと手を放しラウマの髪も撫でてあげるユア。

(いつもありがとうラウマ)

姉妹でならんで寝ているアミュアとラウマ。

アミュアとそっくりなはずなのに、全く違う寝顔にちょっとドキっとするユア。

ユアは自分が自覚する以上にラウマを大切だと、まだ気付いていなかった。




アミュアとラウマを寝かしつけて、外にでると残りのメンバーが揃っていた。

「ん?どしたの?」

ユアを見つけたカーニャが説明する。

「さっきモーテルに来た人達が騒いでいたの‥‥もうすぐルヴィーナも雲の中だと」

どうやら公都方面から逃げてきた人達らしく、公都エルガドールでは今そうして各地に脱出しているらしい。

一行の中で最後に雲を確認したのはアミュアたちだった。

カーニャ達が逃げたときよりもルヴィーナに近い所まで来ているのは確認済みで、毎日ノアとユアが偵察に出ていたので、広がっていることと広がる速さは把握していた。

「おそらく‥‥2日と持たずここも雲に沈む」

カーニャの説明に全員の表情が沈んだ。

「山脈側にもう一つ町があったはず」

ユアは記憶を手繰った。

かつてアミュアやアイギスが入院した町だ。

「ドレクハイムね‥‥わりと大きい町だと聞いたわ」

カーニャはしっかり調べてあった。

一旦そこまで移動と決めて、明日の朝に発つこととした。

ルヴィーナの街はすでに混乱状態だったが、なんとかハンターオフィスで携帯食料を仕入れた。




翌朝出発したが、夜霧が戻ったので先行偵察が楽になった。

アミュアとユアで出ることとなり、残りのメンバーはノアの偵察に支えられ進んでくる。

恐らく夕方には着くだろうと見越して、今夜の宿を確保するのも先行部隊のしごとだ。

走り出すと、アミュアは伝えたいことが一杯ありますと話し始める。

「ラウマ様に会いに行ってたのです‥‥深淵の空間内にいた時に激震が襲い、ラウマと二人ではじき出されたのです‥‥」

今日はアミュアが前で、話しやすいように前抱っこだ。

ユアの耳元に顔を寄せて話す。

「‥‥それから祠を2つ回って、接続を心見たのですが‥‥一度も繋がりませんでした」

「アミュア‥‥心配だね‥‥」

ぎゅうと両手で抱きしめるユア。

夜霧は基本的に落とさないよう気をつけてくれるので、掴まっていなくてもちゃんと目的地に付く。

前を見ている必要すらない信頼度だ。

アミュア達姉妹が女神ラウマを母のように慕っていることをユアも知っているのだ。

「はい‥‥とても心配なのです‥‥」

アミュアもぎゅっと力を入れる。

高い体温が悲しみを伝えてくる。

そっと頭も抱き寄せるとクスンと涙をながしたアミュア。

(きっとアミュアはラウマ様の事もあってあんなに弱っていたんだ‥‥)

そうしてそれ以外の事は話すことが出来す、町についてしまった。

公都エルガドールから逃げた人はほとんどがマーレヴェラやもっと東のポルト・リュミエ方面に逃げたらしい。

こちら側はあまりメジャーな街道ではないので、魔物も多く普通は敬遠するのだ。

そう考えるとこのドレクハイムは最奥の町とも言える。

人口はそれなりにいるし、病院もホテルもちゃんとあるのだった。

「‥‥懐かしいね?」

「‥‥覚えてないのですか?ユア」

「お‥‥覚えてるよ?すこしだけ‥‥アミュア小さい頃にもきたね」

じとめになるアミュアと宿の予約をとり、入口のハンターオフィスに戻り情報を求めることとした。








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