表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/109

【第48話:それぞれが感じる空気】

「くすん‥‥」

「なかないでエイシス‥‥仕方ないよ」

カーニャの予想で聞き込みをしながらどんどん公都の北まで来たが、足取りはまったく見つからなかった。

「ごめんね、私の予想が悪かったのよ。がんばろうねエイシス」

「はいねえさま」

エイシスはなんとかエリセラの役に立ちたいとちょっと必死になっていた。

聞き込みでも人見知りのエイシスが積極的に声をかけて情報を求めたのだ。

残念ながら成果はなかったが、エイシスが頑張った事はエリセラに伝えなくちゃとカーニャは思う。

「一旦今日はホテルに戻りましょう。お母様に報告して、明日は辺境区にいってみようね」

「はい、頑張ります!」

エイシスのやる気も戻ってきたので、夕暮れの公都を南にもどる二人であった。




「ノア‥‥いるよ」

「‥‥影獣だね」

「右の建物の裏手にいるよ。一体だけ‥‥」

西武辺境区の奥地まで足をのばしたノアとラウマは、小さな開拓村でザワリとした気配を捉えた。

ノアは爪を伸ばしジリジリとすすみ、ラウマの射線を確保する。

ラウマは詠唱して接近に備えた。

ノアが引き込んで、ラウマの光魔法で倒す作戦だ。

ノアに影獣に対する有効打がないので、基本はこの形になる。

「おけえ‥‥ノアお願い」

ラウマの詠唱が終わり轟々と黄金の魔力が吹き上がり、ラウマの身長程度浮き上がる。

ノアは右回りで接近し、裏手に踏み込んだ。

ゴォウ!!

人形の影獣は爪を伸ばし、ノアと似た姿で飛び出してきた。

ラウマの射線に捉えるために、ノアはわずかに打ち負けて下がる。

爪同士が打ち合って思いがけず鋭い音がした。

ギィィン!

「くぅ!!」

ノアの爪が砕け、シャツが切り飛ばされる。

踏み込んだ影獣が射線に入り、ラウマの隠蔽魔法が発動。

キシクゥゥウウウン!!

加速された光粒子がビームとなり迸る。

影獣は機敏に反応し、片手を犠牲にまた建物の裏手に逃げ込んだ。

「まって!ノア!」

追いかけようとするノアをラウマが止める。

すうと近づきノアを抱えながらレビテーションで上空に退避。

「みて‥‥あっち」

ラウマの指差す方から4体の同型と思しき影獣が走り寄ってきた。

「あいつら‥‥なんか強いよ?」

「うん‥躱されるタイミングじゃなかったのに、仕留められなかった‥‥」

ラウマの飛行魔法が発動し、更に高度を稼ぎつつ撤退した。

「今日は‥‥一旦引こう。ちょっとあの数はつらいかも」

ラウマの評価が採用され、一旦後方の街まで飛び戻ることとした。




大きな橋の手前側にカルナードのハンターオフィスがあり、ユアとアミュアは一旦情報収集。

カウンターで相談して、聞いてみたがとくにレオニスに繋がる情報はなかった。

「昨日西部で影獣を倒したんだけど‥‥こちらでは情報ないかな?」

ユアの聞き込みには、反応はなく北部では最近影獣の被害はないそうだ。

空振りに終わったが、時間もいい感じなのでホテルを取り休む事とした。

「ユアあがったよぉ」

シャワーを終わらせたアミュアが頭を拭きながら部屋に戻る。

以前は裸のまま出てきていたアミュアだが、最近はバスタオル巻になって出てくる。

ユアの視線を気にするようになったのだ。

「ふふ、アミュアどうして最近はタオルまいてくるの?」

「むぅ‥‥はずかしいからですよぉ」

あははと笑ってユアはぽんぽん脱いでシャワーに行った。

「ユアは相変わらず景気よくぬぐなぁ‥‥」

アミュアはユアとの距離が縮むほどに恥ずかしく感じるようになった。

ユアは変わらず肌をさらして平気なようだ。

「なんだかずるいのです!」

ぷくと膨らみつつ、生活魔法で髪を乾かしだすアミュア。

「ユアを恥ずかしくさせたいです!はずかしめるのです!」

すこしアミュアの方向性に誤りがでてくるのであった。

ホテルはツインとダブルを選べたが、今夜は二人っきりなので、ダブルを選んだ。

ユアの寝間着も出してあげつつ、自分も寝巻きを着るアミュア。

ユアのシャワーの気配がまだあるので、明日の服まで準備するアミュアは、いつの間にかにこにこに戻り、楽しそうに準備をするのであった。

そうしてすっかり準備が終わると、ユアが上がってきて、髪を乾かしてあげるアミュア。

「ユアだいぶ髪がのびてきました」

ユアの薄茶色の髪はふんわり広がりながらもストレートに背に流れている。

以前は肩に届くギリギリくらいだったが、今は背に少し届いていた。

器用に髪を乾かされながら寝間着をきるユア。

「どうしようか悩むんだぁ、一回伸ばして見ようかな?」

「うん、きっと似合うよ!ユアの髪大好き」

ユアの髪はとても腰が強くさらさらに仕上がる。

つやつやする手触りを楽しむアミュア。

ユアもアミュアの髪を引っ張ってきてさわさわする。

「アミュアの髪はすごく細いきがするな‥‥あたしのはふとい?」

「うーん‥‥比較したらそうだけど‥‥わたしはユアの髪すきだよ」

「えへへ」

ちょっと頬を染め嬉しそうなユア。

ベッドから操作出来るので部屋の明かりを消すと、お風呂側だけ明かりが残った。

明日の準備は全てアミュアが終わらせているので、もう寝るだけだったのだ。

そっとユアが横になると、アミュアも隣に来る。

「前はさ‥‥アミュアすぐ寝ちゃってたけど‥‥最近夜ふかしできるね」

「うん‥‥安心して眠くなってたんだよぉ」

アミュアの声に甘える気配がある。

「今は安心できないの?」

「ふふ‥‥安心はしてるよ」

こつんとおでこをくっつけるアミュア。

「明日は‥‥早起きしなきゃね‥‥」

「うん‥‥頑張って一つでも情報あつめたいね」

にっこりするユアとじいっと見つめるアミュア。

「今日はユアが恥ずかしくなる番なのです‥‥」

「ううん?そうなの?」

「そうなのぉ」

そうして二人の早起きのために、はやく寝ることとする。

二人はなかなか寝付けなかったが、早起きはちゃんと出来るのであった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ