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【第36話:王都にはなにがあるかな?】

状況を全員で共有し、ちょうど夕飯となった。

そのままダイニングで食事を取りながらも、対策会議はつづいた。

食後のお茶を片付ける頃一旦方向性が定まった。

「では‥‥一旦その方針でいきましょう」

エリセラが意見を取りまとめて、今は食後になったので執事長のカールが相談にも乗ってくれた。

「‥‥ミーナ、レティ主な対応はカールがしますが、しっかりお願いしますね」

「はいお母様」

「おまかせをお義母様」

ミーナもレティシアも真剣な眼差し。

「では後は任せますよカール‥‥苦労をかけますわ」

「おまかせをご領主様‥‥」

カール執事長を筆頭に家臣団の人でスリックデンのヴァルディア家を支える方針だ。

領主としての仕事がどうしてもあるときはミーナが領主代行となり、レティシアがささえる事となった。

エリセラはゆくゆくはミーナに家督をと考えていると、カーニャに相談し快諾もらっていた。

カーニャはクラスAハンターにして名誉騎士の身分もあるので、半年前に相続放棄を申し出ていた。

今回の領主代理は将来へ向けての訓練でも有るのだ。

そうしてエリセラが決して今回譲らないと言って、ミルディス公国へはエリセラが乗り込むこととなった。

護衛としてひまわりハウスの6人が同行することなる。

「お母様‥‥ご無理はなさらないで‥‥」

「大丈夫カーニャさんもいますしね、こちらは心配有りませんよ。わたしは何度もミルディス公国も訪れたことがあります」

今回の強行の一因がこれで、エリセラはミルディス公国の公都エルガドールに少し住んでいたこともあるのだ。

訪問の目的が人探しなので、土地勘は最も大事な要素でもある。




ひしと抱きしめあうエリセラとミーナ。

「お母様‥‥お父様をお願いします‥‥」

「ええ‥‥ミーナさんもしっかりね。レティさんもお願いします」

「お義母様‥‥おまかせを」

そうしてヴァルディア家の家紋の入った大型自走馬車で出発し、駅へ向かう。

今回はポルト・フィラントから船でミルディス公国に至る旅程となる。

列車を使い南北に、海路で東西に移動するのだ。

列車には護衛を兼ねてアミュア・ノア、そしてエイシスが侍女の装備で乗り込んだ。

エリセラがすっかりエイシスを気に入って、礼儀作法を覚えながら行きましょうと侍女に仕立てたのだ。

そうしてラウマとカーニャ・ユアの3人で飛行魔法を駆使し王都に先行する。

王都でカーニャ達を下ろしたら、そのままラウマはポルト・フィラントのマルタ商会まで飛び、助力を請う予定となった。

列車ならスリックデンー王都が3日、王都ーポルト・フィラントがまた3日だ。

飛行魔法は練度とつぎ込む魔力によるが、ラウマの実力なら王都は半日、ポルト・フィラントまでも王都から半日で到達するのだった。

ただし半日以上は連続で飛べないので、王都でカーニャと共に一泊となる。

そうしてラウマはかなりの距離を移動するが、王都からポルト・フィラント行きの列車で合流予定だ。

カーニャとユアは王都で情報収集等を担当する。

「私一人で大丈夫だけどな?」

王都暮らしの長いカーニャがそういうと、ユアが絶対ダメと聞かず、牡蠣のようにへばりついた。

なにしろ以前、王都でカーニャは失踪したのだからと。

「絶対もうカーニャを一人にしない‥‥」

最後はユアが涙目になったので、今回の流れとなった。




眼下にアウシェラ湖を望み、高度を上げているラウマが飛行魔法を切った。

カーニャの制御する風魔法の結界が大きな翼状に伸ばされ、風をとらえ滑空するのだ。

かなり高度を稼いであるので、王都近郊まで飛べる予定だ。

だんだん飛行魔法への対応がなれてくるカーニャ。

「どう?全然負圧にならなくなったわ!」

「ほんとだ!耳がいたくないよ?!」

「すごいです‥‥あとは飛行魔法を覚えたらカーニャは無敵ですよ?」

ラウマもべた褒めする制御技術だ。

気密を取りつつ、気圧と温度を調整してのけたのだ。

「本当に器用ですカーニャは‥‥発想がすごいよね?制御ももちろんすごいですけど」

ラウマも感心していた。

「えへへ、これでお話しながら降りれるね」

ぱちんとウインクも器用なカーニャであった。


「へえ‥‥じゃあカーニャは12才から17才まで5年も住んでたんだ?」

ユアは前にも聞いていたが、ラウマは始めて聞く話だった。

薄い緑の透明な風魔法の結界なので、眼下も綺麗に観察できる。

そこいらの山よりも高い高度にいるのだった。

「14才までは女子寮にいたのよ。卒業してからはハンター生活だからあんまり王都には居なかったけど」

「へえ?それは知らなかったな」

ユアも初見の情報がでてくるカーニャ。

「そうだっけ?」

「‥‥うん、カーニャは王都のこと話したがらなかったじゃない?あたしも聞いちゃ悪いのかなぁと遠慮してたよ?」

「えへへ、若かりし日のアヤマチもあるのです‥‥ユア大好きよ」

「うん、大好きカーニャ」

むぎゅっと抱き合う二人にラウマが膨れる。

「もう‥‥そうゆうのは後にしてくださいね!」

『ごめんなさい‥‥』




一旦王都で3人で泊まることになり、ホテルを取った。

カーニャたちは3泊し、4日めにポルト・フィラントに列車で移動するスケジュールだ。

ラウマは明日の朝ポルト・フィラントまで飛んでいく。

一旦部屋で荷物をほどいて、ラウマは疲れを取るためお風呂に入れた。

カーニャとユアは小さいながらある外テラスで少し話そうとなった。

「飛行魔法ってどれくらい大変なんだろうね?魔力消費?が多いの?」

ユアが聞きたいと思っていたのか質問してきた。

「そうね私もまだ全体の魔法式を教わっていないけど、制御をみれば攻撃魔法を撃ち続けるような消費になるわ。もちろんそんなの無理だから、どこかに可能にする式が入るのよ」

まだ習ってないけど、とカーニャは閉めた。

「ふぅん‥‥あたしも使いたいな!たのしいよね?絶対」

「私が覚えたらどこにでも飛んで連れて行くよ!アミュアにお願いすれば今でも出来るけどね!」

「それはそう!」

ふふふと二人で笑って見つめ合う。

ここからが本題かなとカーニャは覚悟する。

「カーニャ‥‥王都に恋人がいるの?」

ぎゅっと抱きついて聞いてくるユア。

ずっと心配している雰囲気だったのだ。

「いないわよ‥‥ずっと昔は居ると思っていた事もあったけどね‥‥ユア、私が本当に愛したのは貴女が初めてなのよ」

「カーニャ‥‥うれしい」

「ただね‥‥とてもお世話になった人は何人かいるのよ‥‥よく一人で出かけたのはその人達に御礼にいっていたの」

「そうだったんだ‥‥ユアがついていったら迷惑?」

「ううん‥‥一緒に来てくれる?」

「もちろんだよ‥カーニャぁ」

そうしていつまでも二人が重なっているので、ラウマは何度もお風呂に戻ることとなった。

「もう!‥‥いつまでくっついてるのよ!!」

ちょっと出て行きづらいラウマだった。









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