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君はまだ僕の秘密を知らない

作者: Lua

こんにちは!この度は、数ある作品の中から本作を手に取っていただき、誠にありがとうございます。

この物語は、学校のアイドル・桜庭美咲と、ごく普通の男子高校生・藤宮悠太が、お互いの「秘密」を共有することから始まる、ドタバタ青春コメディです。

成績優秀、容姿端麗、完璧超人。誰もが憧れる彼女には、誰にも言えない秘密があった。それは、**「筋金入りの特撮ヒーローオタク」**であるということ。

一方、彼にも秘密があった。彼の家族は、代々特撮ヒーローを制作する一族だったのだ。

二つの秘密が交差した時、物語は思いもよらない方向へと転がっていく。

少し変わった二人の、笑いと涙、そしてほんの少しの恋の物語。

果たして彼らは、最高のヒーロー作品を完成させることができるのか?

クスッと笑いたい時、元気を出したい時に、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

どうぞ、最後までお楽しみください!

高校生活最後の夏、俺、藤宮悠太ふじみや ゆうたは、とんでもない秘密を抱えていた。 それは、誰もが憧れる学校のアイドル、完璧超人こと桜庭美咲さくらば みさきの、誰にも言えない秘密を知ってしまったことだ。 美咲は、成績優秀、運動神経抜群、おまけに容姿端麗。 「桜庭さんって、太陽みたいだよね」 「いや、女神だよ」 そんな声が、廊下を歩くだけで聞こえてくる。 そんな彼女の秘密を知ったのは、本当に偶然だった。 放課後、俺は図書室で、明日の古文の小テスト対策をしていた。誰もいない静かな空間で、俺はひたすら古典文法と格闘していた。 「うーん、この助動詞、どういう意味だっけ…」 その時、突然、背後から鈍い音が聞こえた。 「ドサッ!」 驚いて振り返ると、そこには美咲がいた。 彼女は、分厚い哲学書を何冊も抱えて、足元がもつれたらしい。 しかし、問題はそこではなかった。 美咲の足元に転がっているのは、哲学書だけではなかったのだ。 そこには、少年漫画雑誌が数冊、そして… 「へへ、ヒーローショーのチケット、ゲットだぜ!」 美咲は、我を忘れて叫んでいた。 俺は、その瞬間、悟ってしまった。 この学園のアイドル、桜庭美咲は… 「生粋のオタク」 しかも、筋金入りの特撮ヒーローオタクだった。 「…ふ、藤宮くん!?今のは見なかったことにしてくれないかな!?」 美咲は顔を真っ赤にして、散らばった漫画雑誌を慌てて拾い集める。 その必死な様子は、まるで秘密を隠すスパイのようだった。 「大丈夫、大丈夫。別に、誰にも言わないから」 俺は、そう言って笑った。その瞬間から、俺と美咲の、奇妙な共犯関係が始まった。 翌日。 美咲は、いつもと変わらない女神の微笑みを浮かべて、教室に入ってきた。 「桜庭さん、おはよう!」 「おはよう!今日もいい天気だね!」 完璧な対応だ。しかし、俺の目には、彼女が昨日の「特撮オタク」に見えて仕方なかった。 放課後、俺は美咲に呼び出された。 「藤宮くん、少し話があるんだけど…」 美咲は、人目を避けるように、俺を屋上へと連れて行った。 屋上は、いつも風が強く吹いている。美咲の長い髪が、風になびく。 「昨日、その…見ちゃったこと、誰にも言わないでくれて、本当にありがとう」 美咲は、恥ずかしそうに顔を伏せた。 「でも、藤宮くんも…なんか、そういうの好きそうだよね?」 美咲の言葉に、俺は思わず吹き出してしまった。 「いや、俺は別に…」 俺は、ただの読書好きで、特にオタク趣味はない。 しかし、美咲は俺の言葉を信じていないようだった。 「わかってるよ、藤宮くん。安心して。私も同類だから」 美咲は、にこっと笑って、自分のスマホを取り出した。 画面に表示されているのは、特撮ヒーローのフィギュアの写真だ。 「これ、新作なんだ。限定版だから、朝から並んでゲットしたんだよ!」 美咲は、目をキラキラと輝かせながら語る。 俺は、ただただ圧倒されていた。 学校のアイドルが、こんなにも無邪気に、好きなものを語る姿。そのギャップに、俺は少し、心を奪われそうになっていた。 それからというもの、美咲は、何かと俺に話しかけてくるようになった。 「ねえ、今日の特撮ヒーロー、見た!?」 「今度の映画、一緒に観に行かない!?」 放課後の図書室や、人目のない階段で、美咲は俺に、特撮ヒーローについて熱く語る。 その度に、俺は、美咲の知られざる一面を知っていく。 ある日の昼休み。 美咲は、俺に近づいてきて、小さな声で囁いた。 「藤宮くん、緊急事態なの!」 「どうしたんだ?」 「今日、学校に、伝説の特撮ヒーロー俳優が来てるらしいの!」 美咲の瞳は、興奮で燃え上がっていた。 「早く、サインもらいに行かなきゃ!」 美咲は、いつも完璧な女神の姿をかなぐり捨て、教室を飛び出していった。 俺は、そんな彼女の後ろ姿を見つめながら、静かに笑った。 この夏は、もしかしたら、想像していたよりもずっと、面白くなるのかもしれない。 その日の放課後 伝説の特撮ヒーロー俳優・轟豪とどろき ごうが、講演会のために学校に来ているらしい。 美咲は、目を輝かせながら俺に言った。 「藤宮くん、サインもらいに行くよ!」 俺は、困惑しながら美咲に尋ねた。 「いや、俺はいいって。それに、サインもらうなら一人で行けばいいだろ」 「ダメだよ!一人じゃ勇気が出ないもん!」 美咲は、珍しく顔を赤くして、俺の袖を掴んだ。 「お願い、一緒に行って!」 美咲のあまりの必死さに、俺は断ることができなかった。 俺たちは、人目を避けるように、講演会が行われている体育館へと向かった。 途中、美咲は何度もスマホで轟豪のプロフィールを確認し、興奮気味に俺に語りかける。 「轟豪さんって、昔はヒーローショーでスーツアクターもやってたんだって!すごいよね!」 「へ、へえ…」 美咲の熱意に押され、俺はただ相槌を打つことしかできなかった。 体育館の裏口にたどり着くと、そこにはすでに何人かの生徒が集まっていた。しかし、皆、美咲とは違い、どこか落ち着いた雰囲気だ。 美咲は、その中に混ざり、そわそわしながら轟豪の登場を待っていた。 しばらくして、体育館のドアが開き、轟豪が姿を現した。 「わあ…!本物だ…!」 美咲は、感動のあまり、声を震わせた。 轟豪は、生徒たちに優しく微笑みかけ、一人ひとりにサインを書いてくれた。 美咲の番が来た。 彼女は、持っていた色紙を差し出し、震える声で言った。 「あの…サイン、お願いします!」 轟豪は、美咲の顔を見て、少し驚いたような顔をした。 「君は…」 轟豪は、美咲に何かを言おうとしたが、その瞬間、美咲の顔が青ざめた。 「やばい!先生だ!」 美咲は、轟豪から色紙を受け取ると、俺の手を引いて走り出した。 「藤宮くん、早く!」 俺たちは、廊下を全速力で駆け抜けた。 体育館から遠く離れた場所で、ようやく立ち止まる。 俺は、息を切らしながら美咲に尋ねた。 「どうしたんだよ、一体…」 美咲は、まだドキドキしている心臓を抑えながら、俺に言った。 「先生に見つかったら、特撮オタクだってバレちゃうじゃん…」 俺は、呆れたような、でも少し微笑ましいような気持ちになった。 学校のアイドルも、結局はただの女子高生なんだな、と。 その日の夜、美咲からメッセージが届いた。 『今日はありがとう!藤宮くんのおかげで、サインもらえたよ!』 『今度、お礼させて!』 俺は、メッセージを読みながら、静かに笑った。 この夏は、もしかしたら、想像していたよりもずっと、面白くなるのかもしれない。 突然の再会、そして大ピンチ 翌週、美咲は俺を呼び出し、約束通りお礼をしたいと言った。 「藤宮くん、今度の日曜日、一緒にヒーロー映画を観に行かない?」 俺は少し戸惑いながらも、美咲の提案を受け入れた。 彼女が好きな特撮ヒーローの世界を少しでも知りたいという気持ちが、俺の中に芽生え始めていたからだ。 約束の日、俺たちは駅前の映画館で待ち合わせた。 美咲は、いつもの制服とは違う、可愛らしい私服姿だ。 「今日はありがとう!藤宮くんと映画観に行くの、なんだか新鮮だね!」 美咲は、楽しそうに笑った。その笑顔は、学校で見せる完璧な女神の微笑みとは少し違っていて、もっと自然で、可愛らしかった。 映画は、美咲が語っていた通り、迫力満点で面白かった。 巨大な怪獣と戦うヒーローの姿に、俺は思わず見入ってしまった。 美咲は、隣で目を輝かせながら、ときおり小さな声で解説をしてくれた。 「今の必殺技、ちゃんと見た!?CGじゃなくて、全部ワイヤーアクションなんだよ!」 その熱心な姿に、俺は笑ってしまった。 映画が終わった後、俺たちは近くのカフェに入った。 そこで、俺たちはある人物に遭遇した。 「おや、君は…」 それは、先日、学校に来ていた特撮ヒーロー俳優、轟豪だった。 彼は、プライベートでこのカフェに来ていたようだ。 「先日、サインをありがとうございました!」 美咲は、興奮を隠せない様子で轟豪に挨拶した。 轟豪は、優しく微笑んで言った。 「あの時は、先生に見つかって大変だったようだね」 美咲は、顔を赤くして、恥ずかしそうに下を向いた。 「ところで、君は…」 轟豪は、俺の方に視線を移し、少し考えるような素振りを見せた。 「君、もしかして…」 その瞬間、轟豪は俺の顔をまじまじと見つめた。そして、彼の顔に、確信の色が浮かんだ。 「君、もしかして、藤宮家の……あぁ、やはりそうだ!君のその、左目尻の小さなホクロ!それは、うちの監督と同じだ!」 轟豪の言葉に、俺は思わず硬直した。 まさか、こんなところで、自分の秘密がバレるとは。 美咲は、俺の顔と轟豪の顔を交互に見ながら、困惑した顔をしていた。 「…どういうことですか、轟豪さん…?」 美咲の質問に、轟豪はにっこり笑って言った。 「君の隣にいる彼、藤宮くんは、うちの監督の息子だよ。昔、君が僕たちの特撮の現場に見学に来てくれた時、監督と一緒にいたのさ」 美咲は、轟豪の言葉に、顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに下を向いた。 俺の秘密が、美咲にバレてしまった。 美咲は、俺の顔を見て、何か言いたそうに口を開いた。 その瞬間、美咲は、俺の手を掴み、カフェを飛び出した。 俺は、何がなんだか分からず、ただ美咲に引っ張られるまま走った。 カフェの外で、美咲は立ち止まり、俺の手をぎゅっと握りしめた。 「藤宮くん、大丈夫だからね。私が、絶対にあなたの秘密を守るから」 美咲のまっすぐな瞳が、俺を見つめている。 その時、俺は、初めて美咲の本当の強さを知ったような気がした。 俺と美咲の秘密を巡るドタバタ劇は、これで終わらない。 この夏は、もしかしたら、想像していたよりもずっと、面白くなるのかもしれない。 まさかの共同作業!? そして、新たな秘密 美咲の秘密は俺が、俺の秘密は美咲が知っている。 そんな共犯関係が、二人の関係を少しずつ変えていった。 放課後、俺は美咲に連れられて、特撮ヒーローの聖地、アキバへと向かっていた。 「ねえ、藤宮くん。このフィギュア、どっちがいいと思う?」 美咲は、目をキラキラと輝かせながら、俺に二つのフィギュアを見せる。 一つは、全身が銀色に輝くヒーローのフィギュア。 もう一つは、カラフルなアーマーを身に着けたヒーローのフィギュアだ。 俺は、どちらもよくわからなかった。 「うーん…銀色のやつ?」 俺がそう言うと、美咲は「えー!そっちじゃないよ!」と叫び、俺の頭をぽかんと叩いた。 「この銀色のやつは、初期型で、必殺技が不完全なんだよ!このカラフルなやつは、最終形態なんだから!」 美咲は、熱心に俺に説明する。 俺は、美咲の特撮愛に、ただただ圧倒されていた。 学校のアイドルという仮面を脱ぎ捨てた美咲は、どこにでもいる、ごく普通の女の子だった。 その時、美咲のスマホが鳴った。 美咲は、スマホの画面を見て、顔を青ざめさせた。 「やばい、パパからだ!今日、夕飯いらないって言い忘れちゃった!」 美咲は、慌ててスマホを耳に当てる。 「もしもし、パパ?ごめん、今日は友達とご飯食べるから、夕飯いらないよ!」 美咲は、そう言って電話を切った。 俺は、美咲に尋ねた。 「友達…?」 美咲は、にっこり笑って言った。 「うん、藤宮くんのことだよ!」 俺は、美咲の言葉に、少し照れくさくなった。 その日の夜、美咲の家にお邪魔することになった。 美咲の部屋は、想像通り、特撮ヒーローグッズで溢れていた。 壁には、ポスターが貼られ、棚には、フィギュアがずらりと並んでいる。 「すごいな、これ…」 俺は、思わず声を漏らした。 「でしょ!?でも、これでもまだ一部なんだ!」 美咲は、得意げに胸を張った。 美咲は、俺に特撮ヒーローのDVDを何枚も見せ、熱心に解説してくれた。 俺は、美咲の話を聞きながら、一つのアイデアを思いついた。 「美咲、実はさ…」 俺は、自分の家が特撮ヒーローを制作している一族だということを、美咲に打ち明けた。 美咲は、最初は信じられないという顔をしていたが、俺が家の名刺を見せると、目を大きく見開いた。 「え、じゃあ、もしかして、藤宮くんのお兄さんって…」 美咲は、興奮気味に俺に尋ねる。 「うん、アクロマンのスーツアクターだよ」 俺がそう言うと、美咲は、感動のあまり、その場に膝から崩れ落ちた。 「嘘…嘘でしょ…!?私、ずっとお兄さんのファンだったの!」 美咲は、涙を流しながら、俺にそう言った。 その日を境に、俺と美咲の関係は、さらに深まった。 美咲は、俺に特撮ヒーローの知識を教え、俺は、美咲に脚本の書き方や、衣装のデザインについて教えた。 それは、まるで、特撮ヒーローを二人で作り上げるような、共同作業だった。 そんなある日、美咲は俺に、とんでもないことを言い出した。 「ねえ、藤宮くん。私、次のヒーローショーで、悪役の女優をやりたいんだ」 俺は、美咲の言葉に耳を疑った。 「は?悪役?」 「うん!あのね、ヒーローが悪役を倒す時、悪役の俳優さんは、わざと倒されやすいように、変なポーズで倒れるんだよ!」 美咲は、真剣な顔で、変なポーズをとり始めた。 俺は、思わず吹き出してしまった。 「美咲、それ、誰も得しないだろ!」 「でも、それがヒーローへの愛なの!」 美咲は、胸を張ってそう言い放った。 俺は、美咲の熱意に押され、特撮ヒーローを制作する父に、美咲の思いを伝えた。 父は、俺の話を聞いて、面白そうに笑った。 「面白いじゃないか、悠太。その娘さん、うちの仕事にぴったりだ」 そして、父は、俺に一つの企画書を渡した。 「これ、次の新作ヒーローの企画書だ。脚本を書いてみないか?」 俺は、父の言葉に驚いた。まさか、自分が脚本家になるとは。 しかし、その企画書を美咲に見せると、美咲は目を輝かせて言った。 「すごい!藤宮くん、これ、一緒にやろうよ!」 美咲の瞳には、希望と、そして少しの変態的な輝きが宿っていた。 俺と美咲の共同作業は、ここから本格的に始まった。 二人は、放課後になると、ファミレスに集まり、企画書を広げた。 美咲は、ヒーローの必殺技や、怪人の設定について熱く語る。 「この怪人はね、人間が持つ『食欲』を奪う怪人なんだ!」 「なんか、地味だな」 「地味じゃないよ!お腹が空いて、絶望する人々を見て、快感を覚えるの!」 俺は、美咲のアイデアに、時折引くこともあったが、彼女の熱意に、少しずつ惹かれていった。 そして、この夏、俺たちは、もう一つの秘密を共有することになった。 それは、お互いが、お互いにとって、かけがえのない存在だということ。 この夏は、もしかしたら、想像していたよりもずっと、面白くなるのかもしれない。 そして、大爆笑の結末へ 俺たちは、夏休みを返上して脚本を書き上げ、父に提出した。 父は、俺たちの脚本を読み終えると、しばらく黙っていた。 「…悠太」 父は、真剣な顔で俺の名前を呼んだ。 「お前たち、これは…」 俺は、緊張でごくりと唾を飲み込んだ。 「…これは、史上稀に見る、ひどい脚本だ」 父の言葉に、俺と美咲は、ガーン!と効果音が聞こえるくらい、ショックを受けた。 「え…?うそ…」 「だって、ヒーローの必殺技が、全部『相手をくすぐり倒す』とか、ありえないだろ!」 「でも、それが一番効果的だと思って…」 美咲は、涙目で反論する。 俺たちの脚本は、あまりにも変態的な発想に満ちていて、まともなヒーロー作品にはなり得ないものだったらしい。 しかし、父は、俺たちの脚本をゴミ箱に捨てることはしなかった。 「だが…面白い」 父は、にやりと笑った。 「こんなにひどい脚本は、逆に面白い!これ、コメディ作品として作ってみよう」 俺と美咲は、顔を見合わせた。 コメディ? そして、夏休みが終わり、二学期が始まった頃。 俺たちの脚本で制作された、ヒーローショーが公開された。 タイトルは… 『くすぐり戦士・アフロマン』 アフロヘアーのヒーローが、敵をくすぐり倒すという、前代未聞のヒーローショーだ。 美咲は、悪役の怪人として出演し、変なポーズで倒されては、観客を爆笑させていた。 ショーは大爆笑の渦に包まれ、大成功を収めた。 俺と美咲は、観客席からそれを見つめながら、互いに顔を見合わせて笑った。 「ねえ、藤宮くん。私たちの秘密って、全部バレちゃったね」 美咲は、俺にそう言った。 俺は、美咲の頭を優しく撫でながら、言った。 「ああ。でも、この夏、お前と出会えてよかった」 俺と美咲の、秘密を共有する関係は終わった。 しかし、その代わりに、お互いの「変態」さを認め合い、笑い合える、最高のパートナーという関係が始まった。 この夏は、想像していたよりもずっと、面白くて、そして、大爆笑に満ちていた。

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