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最強ヴァンパイア、人間界でバンドデビューを決意す  作者: Rockston.
バンドバトル 決勝トーナメント編
17/69

第17話「最強ヴァンパイア、決勝トーナメントへ出陣す!」

 「――皆さん! お待たせいたしました!

 本日は、この音楽バトル大会の最終決戦・決勝トーナメント発表会にようこそ!」


 司会者の声が、ホールいっぱいに響き渡る。ライトが照り返し、巨大モニターには「FINAL STAGE」と赤く輝く文字。観客席は超満員、記者席には無数のカメラが並び、会場の熱気はすでに最高潮だった。


 「ご覧ください! これだけの記者の皆さんが集まり、さらに今日は全国ネットでのテレビ中継も行われています! まさに注目度メガZー! 本戦は各地の会場で順次行われ、そして決勝の舞台は――ここ、Zドーム! 歴史に残る戦いが始まります!」


 大歓声が会場を包む。観客は固唾を飲み、選ばれし十組の名前を待った。


 出場者紹介!


 「それでは! まずは第10位からご紹介いたしましょう!

 ――サウザンド・ステップス!」


 颯爽と登場する五人組。都会的な衣装、ジャズとダンスを融合したリズム感で観客を魅了する。軽やかに手を振り、ファンから大歓声が上がる。


 「続いて第9位――ブラムー!」


 漆黒の衣を纏ったリーラと仲間たちが姿を現す。圧倒的な存在感に会場は一瞬息を呑み、次の瞬間「おおおっ!」と驚きと期待の歓声が響き渡る。記者たちもカメラを向け、注目の的だ。


 「第8位――ファントム・クラウン!」

 重厚なラウドロックサウンドで知られる彼らは、闇の王冠を象徴する衣装で登場。観客は「ファンクラー!」と叫ぶ。


 「第7位――スキャンダル・フレイヴァー!」

 派手な炎の演出とともに現れる、ヴィジュアル系の貴公子。ギタリストが煽るようにピックを投げ、女性客は絶叫する。


 「第6位――フェニックス・ピース!」

 不死鳥の名を冠する彼らは、明るい笑顔で拳を掲げる。青春を感じさせる3ピースパンクロックに、若いファンが沸き立つ。


 「第5位――エクリプス・タイム!」

 幻想的なサウンドと光の演出で観客を包み込む。プログレッシブロックの真骨頂、複雑なリズムと変拍子の展開で聴く者を異次元へ誘う。


 「第4位――焔鬼蓮華えんきれんげ!」

 和の魂を燃やす鬼のロックバンドが登場すると、会場の空気が一気に熱を帯びた。和太鼓の音が鳴り響き、炎の演出に観客がどよめく。


 「第3位――セリウス!」

 世界基準のEDMを叩き出すソロDJ。鮮やかなターンテーブルさばきに歓声が上がり、会場はクラブさながらの盛り上がりを見せる。


 「第2位――ドラグ・バースト・フォール!」

 重低音が地響きのように轟き、鋼の翼を模した衣装に観客が息を呑む。迫力と圧倒的シンフォニック・スピードメタルに、ファンは拳を突き上げる。


 「そして――第1位! ダルク!」


 名前が告げられた瞬間、会場が揺れるほどのざわめきが広がった。だがステージには誰も現れない。


 司会者が静かに説明を続ける。


 「突如現れ、出場した全てのバトルで勝利。最速で勝ち点を積み上げて一位に躍り出た歌姫――ダルク!」


 「その後、本戦までの全てを辞退し、姿を消しました。それゆえに“伝説”となったのです!未だその姿を見た者は少なく、歌声は神話のように語られています!」


 観客は口々に囁き合う。

 「ほんとに存在するのか?」

 「歌だけで伝説って……やばすぎる」

 「いや、あの歌は確かにあった……奇跡だ」


 ユウトが眉をひそめる。

 「正体不明すぎるな。音だけで伝説って、逆に怖い」

 アカネが肩をすくめて笑う。

 「でも、だからこそ燃えるんだろ。ライブで現れるとか、考えただけで鳥肌立つぜ」

 マナブは眼鏡を押し上げ、冷静に言った。

 「短期間で勝ち点を取り切った時点で、統計的に異例中の異例。未知数ゆえに脅威だ」


 「さて――ここからが本番! いよいよ決勝トーナメントの組み合わせ抽選を行います!」

 ステージ中央に巨大な抽選機が運び込まれる。


 次々と名前が引かれていく。観客の視線は釘付けだ。


 ――そして。

 「一回戦第一試合! ブラムー vs 焔鬼蓮華!」


 会場がどっと沸いた。

 「おい、いきなり鬼かよ!」「初戦から大変すぎるだろ!」


 リーラたちは互いに視線を交わす。ユウトが苦笑し、アカネは「マジかよ!」と頭を抱え、マナブは不安そうに拳を握った。だがリーラは、ただ静かに口角を上げる。


 他の組み合わせも発表され、ついにトーナメント表が完成する。


 「続いては、各バンドの代表者による記者会見です!」

 司会者の声と共に、各バンドの代表が席に着く。ダルクの席は空席のまま。

 「一位の余裕か……」と記者が呟き、場に緊張が走る。


 その時、


 リーラがすっと立ち上がり、司会者のマイクを奪った。


 「聞け! この場にいる者どもよ!」

 会場がざわつく。記者も観客も一斉に注目する。


 「この戦い、我らブラムーが頂く! 束になってかかってくるがよい! 我が牙と旋律で、すべて噛み砕いてくれようぞ!」

 と、同時にガシャガシャと噛み砕く仕草。


 その瞬間、会場が爆発した。


 「言いやがったあああああ!」

 「挑発か!?」「最高にバカだけど最高に熱い!!」

 記者たちが一斉にシャッターを切り、観客は大騒ぎ。


 ブラムーのメンバーは顔を青くする。ユウトが「おいおい……!」と頭を抱え、アカネが「マジでやばいって!」と立ち上がりかける。マナブは固まったまま「ぶ、分析開始だ……!」と焦る。


 だが、会場の中継を見ていたファンたちはSNSで一斉に盛り上がった。

 「これこれ!これがリーラ様!」「挑発がキャラに合いすぎてて最高」「#牙と旋律で噛み砕く」がトレンド入りする勢いだ。


 マナブは腕を組み、淡々と呟いた。

 「観客の反感も買ったが……同時に、話題性は抜群だ。注目度で言えば、もはや一位のダルクに並んだかもしれない」


 リーラは堂々と胸を張り、静かに言い放つ。

 「これでよい。我らの戦いは、今ここから始まったのだ」


 会場の熱気は収まることなく、むしろさらに膨れ上がっていった。

 こうしてブラムーの名は、決勝の舞台で一気に全国へ轟き渡ったのだった。

ついに本戦開始!

リーラの発言は有言実行となるか!?

乞うご期待!

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