以前の視力…エキシビジョンって何?
今回はただの「発音」「表記」というかなり軽いやつを。
いわゆる公開競技を日本では「エキシビジョン」と発音、記述する例が多い。日本語表記と発音なので単純に誤りとは言いがたいのだけれど、英語表記は「exhibition」であり、発音記号を無理に日本語化するなら「エクサビシャン」となる。
つまり「エキシビジョンは間違ってる、エキシビションだ!」というのもまた決して正しい主張とはいえない。ただし、日本国内において「最も正しい」と思われる表記はやはりそれでも「エキシビション」であろうと思われる。
「エキシビションも間違ってる、エキジビション」だと、シに濁音をつける例もかなりの数があるのだけれど、一体どこから出てきた説、どこの団体が使い始めた表記なのかすらわからない。最低でも英単語からはシがジに濁る要素は見当たらず、エキシビジョンの濁点の位置を変えただけにしか思えないのだが、正直な話、由来がわからないので何ともいえない。ただ、日本人の常識からいえば「エキジ」となるわけがない。
それは日本における英語の日本語発音、表記は発音記号など無視して、アルファベットの綴りを見て、最もそれっぽい読み方をするもの、それが日本における英語発音と表記が一般的に最も多いという事から。
が、こう書くとそれなら「エクスハイビション」になるんじゃないか?と言いだされそうで、そこがもう説明も出来ないから面倒なんだが。
そして、ここが大事なのだけれど「exhibition」だけではただの「展示会」の意味にしかならないので、「exhibition game」と「game」をつける事でようやく「公開試合」「展覧試合」となる。
フィギュアスケートのように試合ではないものはもちろん「game」ではなく専用の呼び方があるわけで、フィギュアスケートであれば「exhibition gala」「exhibition galas」「gala exhibition」などとなる。
これは「Wikipedia」を「Wiki」と呼ぶのに近い、本来的には決して正しくない使い方なのだけれど、日本語環境の曖昧さの良さというのは、それが許される事にあると思う。
ちなみに「Gala」とはお祭り、イベントの意味。ガーラ湯沢のガーラな。日本語環境ではフィギュアスケートの公開演技は「エキシビジョン(ビション)」「ガーラ」と2つの呼び方が主に使われるけど、上述の通り、分離させちゃダメだ。一応、今ちょっと検索してみた結果として「figure skating gala」という使われ方ならあったけど、それにしても「フィギュアスケート」からつながっていて、「ガーラ」単体では使うものではない。
「ソーイングマシン(裁縫機)」>「マシン(機械)」>「ミシン(ミシン)」という流れを「昔の日本人バカすぎる」とバカにする人いるけど、現代日本人も正直全くといっていい程に変わらないのだ。
本来の英語では「エキシビション」「エキシビジョン」「エキジビション」のどれだろうとダメだけれど、日本語環境においては「エキシビション」を展示会の意味では使わない。だから、元が英単語であろうと、「エキシビション」「エキシビジョン」「エキジビション」のどれもが和製英語という形で存在しえるのではないだろうかと。でも、さすがに「ガーラ」は許されない気がする。
なので「エキシビジョン」「エキジビション」などと言ってる、書いてる人がいても、「間違ってる」などと上から言うのではなく、「エキシビションの方がより正しいよね」程度にとどめておくのを推奨する。だって、最初に書いた通り、より発音に近くするなら「エクサビシャン」だもの。当然これだって無理矢理日本語表記にしただけで、決して正しいといえる代物でもないし。
以前書いた通り、「〇〇は間違ってる。正しくはこうだ」が大嫌いなので、エキシビジョンは間違ってる!と言い切る事はしたくない。間違ってるかもしれないけど、エキシビションが正しいわけじゃない以上、何ともいえない部分があるからね。
もちろん、間違い方にも「エキシビジョン」はほぼほぼ、音で聞いて「Vision」と勘違いしてるだけ。その一方で「エキシビション」は英単語を見て、もしくはエキシビジョンは間違ってるという主張を見た、最初からエキシビションという表記を見て育ったとかだろうけど、どっちにしても「正しくない以上」はどっちが正しいとか間違ってるとか言う事がバカらしいと思ってる。ただそれでも本文に書いた通り、日本国内においては「エキシビション」とした方が無難ではある、そういう話。