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晒し者奮闘記

「高難易度ミッションをクリアする為には入念な下準備が必要だ。装備、アイテム、良好なコンディション」


弟のツゲレに言い聞かせながらレツヒが服装を整えていく。防刃防弾防炎を兼ねる衝撃吸収素材でできた丈夫な上着を羽織り、更にその上に、無骨な鞘に納められた身の丈ほどある巨大剣を背負う。下着もまた丈夫で柔軟性に富んだ動きやすいズボンを履き、耐滑性が高く軽量で疲れづらい靴へと足を通す。腰掛け鞄には邪魔にならない程度の現金と食料。


「装備には特に気を付けろよ。おそらく今回は協力ミッションになるからな。貧相な装備でオンライン部屋に入室しようものなら一発で地雷扱いされんぞ。いつまで無課金アバターみたいな服装でいるつもりだぁ弟よ」


できうる限りの装備を整えたであろうレツヒが、早く準備しろとツゲレを急かす。


「分かってるよ兄者。けどまずは家を片付けてからだよ。物は大切にしないと。コイツらは喋れないんだからさぁ」


地味ではあるが殊勝な心掛けで散らかった部屋を片付けるツゲレの行動は「そういやぁ弟よ。ゲーム仲間に聞いた話だが俺達の探している相手はかなりの美人さんらしいぜ?まぁ俺は二次元の女にしか興味ないけど」との言葉で中断された。


「マジで!?掃除なんかしてる場合じゃないじゃん!待ってろ兄者!すぐ準備するから!」


「早くしろよツゲレ。ああそれと、キーアイテムを忘れんなよ?」


「分かってるよ兄者。……ひ、ひっひひ…ただの雑用係かと思いきや有力者の愛人と来たか…さぞかし良い女なんだろうなぁ。高い値と引き換えに特性のプレゼントを用意した価値は有ったな。このまえ露店で買った惚れ薬でも仕込んどいてやろうかな」


ツゲレがブツブツと下卑た欲望を漏らしながら、縦10センチ横5センチ程の箱を眺めてニヤつく。


「おいツゲレ。気持ちは分かるが妙な真似はやめとけ。万が一バレて向こうさんの機嫌を損ねたらシャレになんねぇぞ」


声を荒げはしないものの、珍しく真面目な顔で怒るレツヒはかなりの迫力だった。


「う…じょ、冗談だよ兄者!分かってるよ!そんなに怒んなよ……」


レツヒに咎められたツゲレは慌てて立ち上がり服を着替える。他にこれといった長所は無いが、防炎という一点に置いてはずば抜けた性能を持つ上下一体のツナギを羽織り、その上から、最低限の見栄えを意識した上着を羽織る。履き物は靴裏にそのままバネを取り付けた機動力を高める特性の物を履いて、右ポケットには彼の体に合った接近戦用の小型ナイフ。頑丈なチャックで開閉する大きめの左ポケットには、そのサイズの小ささ故に一撃で相手を仕留めるのは難しいだろうが、良く手入れされた切れ味抜群の鎖鎌を準備する。

大きな背負いリュックには現金、食料、命を救う為の薬と奪う為の毒薬、そして解毒剤。他にも手作りの火薬玉やサバイバル用品等の様々な道具が入っている。一見しただけでは違和感すら覚えないリュック内の隠しポケットには、先ほどの縦10センチ横5センチ程の小さな箱を忍ばせる。


「さてと、準備はできたが次はジャスフィア捜索ミッションだな。踊るイノシシは失敗しちまったが、街中で派手に暴れたんなら手掛かりは残っている筈だ」


本来なら来客があってもゲームにだけ集中するレツヒだが、今回に限っては抜かりなく聞き耳を立てていた。それもその筈、上手く今回の最終目標を達成する事ができれば、スラム街のお山の大将で一生を終える筈だった兄弟が、一気に上級国民の仲間入りとなる大金を手に入れる事ができるからだ。そもそもゲームやめろよとの正論はレツヒの性格上聞き入れられはしないだろうが。


「任せとけ兄者。俺の薔薇色人生の為にケチなプライドは捨てるぜ。地べたを這いずり回ってでもジャスフィアとやらの痕跡を見つけ出してやる」


いつもは乗り気じゃない人探しもツゲレはヤル気だ。この調子ならジャスフィア捜索ミッションもすぐにクリアーだ。レツヒは内心でほくそ笑んだ。


「俺達の明るい未来の為!…だろう?色にボケて本来の目的を見失うなよ?」


「性欲も立派な原動力だよ。行こうぜ兄者!目覚すは都市部のシットだ!」


意気揚々と飛び出したツゲレとレツヒだったが、ツゲレの気合は、都市部のシットに着くとすぐに萎えてしまった。


「…都市部に来たのは久しぶりだがやっぱり人通りが多いな…この中で人を探すのか…」


ツゲレがたじろぐのは人探しにおける難易度の高さ故では無い。問題なのはギャラリーの多さ。多数の人が行き交う大通りで、少数の動物側に分類されるであろうアレをやらなければならないと思うとさすがに気が引ける。


「あ…兄者。やっぱり俺、なんか今日は鼻詰まりが酷い気が……」


遠慮がちな愛想笑いを浮かべながらツゲレが振り向くと、兄のレツヒが鬼の形相で自身を睨み付けていた。


「今更リセットボタン押そうとしてんじゃねぇぞツゲレよ。ゲーセンのパンチングマシーンみたいにはなりたく無いだろう」


「ごめん気のせいだった」


兄の拳骨を御捻りにモブノデブンの二の舞を演じるなんて冗談じゃない。


ジャスフィアが争ったであろう現場はまだ確認できていないが、ヤケクソだと言わんばかりにツゲレがその場で四つん這いの姿勢になり、犬のように鼻先でクンクンと地面を嗅ぐ。


「え?」「なんだなんだ?」


突然の奇行にギョッとした周りの者達が奇異の目でツゲレを見つめる。


『クッ!見てんじゃねぇよカス共が!俺だって好き好んでこんなみっともない真似してるんじゃないんだよ!』


心中で毒を吐きながらも鼻先で様々な匂いの入り混じる空気を吸うツゲレが、微かに血の匂いがする方向へと四足歩行のまま走り出す。


「あっちだ兄者!」

「よしきた!」


一刻も早くその場から立ち去ろうと素早く走り出したツゲレの後ろをレツヒが追いかける。


兄弟が向かった先には破壊痕の新しい一帯と、それに群がる野次馬達。

破壊痕にはところどころ渇いて間もない血が付着している。

野次馬の人混みの中にはガラスや木材が散乱する現場を掃除しようとする数人の男達の姿も見えた。


「まずいぞ兄者!」


現場を綺麗にされてしまっては捜索作業が覚束なくなる。ツゲレが慌ててレツヒに危機を伝える。


「任せろ弟よ!雑魚敵なんかアイテム消費なしの通常攻撃だけで瞬殺してやるぜ!」


後ろを走るレツヒが速度を一気に上げてツゲレを追い越し、勢いに乗ったまま野次馬達の頭上を飛び越える。

「ゲームクリアの邪魔はさせねぇぜ雑魚ども!おらどけどけぇい!」


突如として現れた野蛮な乱入者に掃除業者が次々に殴り倒され蹴り飛ばされる。


「ぎゃあああ!!」

「なんだこいつ!?」


「残りはあんただけだなぁ?ほら、待っててやるから馬鹿のひとつ覚えみたいに戦うか、賢く逃げるかを選択しな」


「痴れ者が!アタシ達の飯の種を奪おうったってそうは行かないよ!」


掃除業者のボスと思わしき太ったオバちゃんが投げつけた中身がパンパンのゴミ箱をレツヒが身を反らして躱すと、野次馬の群れにゴミ箱の中身が炸裂する。


「ぐああああ!?」「汚ねっ!」


「避けてんじゃないよコノッ!」


オバちゃんがモップで追撃するが、レツヒはひょいひょいと最小限の動きで攻撃を避ける。


「早くしろツゲレ。こんなシューティングゲームじゃあ時間は潰せても退屈は消せねぇ」


「言われなくてもやるっての!」


レツヒに続いて野次馬達の前にツゲレが踊り出ると同時に、手近に見える血痕を嗅ぎまくる。


「ママー変態だ!変態がいるよママー!」

「よーくみとくザマスよ息子よ。アレが人生に行き詰まった負け犬の末路ザマスよ。アナタのお父様みたいに強くなるか、ワタクシのように知恵を付けるかしないとアナタもああなるザマスよ。今後の教訓とする為にもその目に刻み付けるザマス」

「なんだあいつ馬鹿見てぇ!」「ギャハハハハハ!」


『ちくしょおおぉぉぉ!こいつら全員死ねばいいのに!見てろよクソッタレ!俺が上級国民に成り上がった暁にはテメェら全員に靴の裏を舐めさせてやるからなぁぁ!』


パンドラ住民の民度の低さを隠そうともしない、てゆうか自覚すらしない口撃に耐えつつ、ツゲレはジャスフィアの手掛かりを見つけ出そうと、正確には嗅ぎだそうと奮闘する。


「フンフン。フンフン…ぐわ臭っ!」


鼻を慣らしながら1番近くにあった血痕を嗅いだツゲレが苦しげに呻く。


『誰のだか知らないがコイツはたぶん病気持ちだな、酷え臭いがしやがる。確かジャスフィアってのはそれなりの格闘選手かなんかだったよな。体調管理が命の格闘選手からこんな不健康な匂いはしないだろう。外れだな』


ならばこっちかと他の血痕へツゲレが四足歩行で迫る。滑稽な動きに野次馬が爆笑する。


「フンフンフン!う!?これは!」


ヤバげな薬の臭い。大方、たったいま救急隊の担架に運ばれている最中の悪人面のグラサン男の誰かのものだろう。


『くぅ!ならばこっちだ!』


ギトギトとクドくて脂っこい。先刻のモブノデブンに近い臭いは踊るイノシシのものだと思われる。


『次はあっち!って危ねぇぇぇぇ!!』


人の血で特殊な蜂蜜を作るパンドラ産のデビルミツバチが鼻先を掠める。体長4センチ程の癖に人ひとりを殺せる猛毒の蜂だ。


既に必要な分の血液を集め終えた後なのだろうか、デビルミツバチはツゲレには身向けもせずにどこかに飛び去っていく。

『あぶねぇあぶねぇ…危うくぶつかるところだったぜ…さて、改めてニオイを嗅ぐか……』


「グハッ!!」


もっともっとクドくて脂っこくてギトギトしているしつこい血の臭いは踊るイノシシ最大の肥満体ミートテックのモノと思われる。やたらと癖の強い血がミートテックのモノであろう事は、ジャスフィアに1番食い下がったと見られる他とは比較にならない量の同じ臭いの血痕が多数ある状況からも推察できる。


『ん?ちょっと待てよ?この血がミートテックのモノと仮定するなら、つまり……』


思い付きのままに行動するツゲレがミートテックのモノであると思われる纏わり付くような脂っこい血痕を嗅ぐ、嗅ぐ、嗅ぎまくる。


『臭え!臭えけど……やめられない!!』


ツゲレの心の中の咆哮は野次馬のクソガキが放った変態との言葉ゆえでは無く、最終目標に到達する為のジャスフィア発見という中継地点ににじり寄る故の気合の一声。


踊るイノシシの中でジャスフィアに最も食い下がったミートテックの血痕。荒れ放題のここら一帯でジャスフィアの血が付着しているとすれば、それは最も接触時間の長かったであろう相手のミートテックの血痕の側である事はちょっと頭を捻れば容易に想像できた。


目標達成は目の前だ!ひとまずのラストスパートに差し掛かり集中するツゲレの耳には、いつのまにか変態コールを連呼していた野次馬の雑音など対岸の火事に等しかった。


「これは……あった!あったよ兄者!!ジャスフィアの血らしきものが残ってるよ!!」


「でかしたツゲレ!!」


完成度の低いシューティングゲームを終えたレツヒがオバちゃんを殴って気絶させる。遊び終わったゲームはぶっ壊すのがレツヒの悪癖。己の欲望のままに生きるパンドラの住民であるレツヒに過度なフェミニズムは内在しない。


「へへへ、こうしてみるとこの血痕が一直線にある方向に向かっているのは一目瞭然。薔薇色人生が現実味を帯びてきやがったぜい!待ってろジャスフィア〜」




得体の知れない輩に後を追われているなど露とも知らず、ジャスフィアは自宅でいつも通りの日常を送っていた。


今日帰ってくる筈だった仲間のドタキャンで、メイドのサーシャが作った料理が大量に余っている点だけはいつもと違ったが。


「うぅ……ちょっと休憩…ちょっとだけな…ちょっとだけ…」


食器を一旦テーブルに置いたジャスフィアは、椅子に背を預け小さく凭れる。


「なぁジャスフィア、別に無理して食わなくてもいいんだぞ。食い切れないならラップしとくから」


作った料理にまったく手を付けないのは彼女の逆鱗に触れるが、残す分には怒らない。無論、一皿残さず綺麗に完食してくれれば料理人冥利に尽きるが、タダでさえ今回は大食らいの男1人分の料理が丸々余っているのだ。無理をして体を壊されても困ると、サーシャがジャスフィアを気遣う様子をみせる。


「いや、どうしても無理そうなら諦めるけど、一度テーブルに並んだ飯を食い切らずに残したらなんかこう、後で完食するにしてもその場では凄く勿体無い気持ちになると言うか、何かに負けた気がすると言うか」


「なんだそれアホか。自分の分だけってんならまぁ分かるけど、他人の分は仕方なくね?」


「テーブルの上に残ったままって言うのがどうにもなぁ〜」


くだらない言い合いをしながら食事を続けるジャスフィアとサーシャの耳に、来客の存在を告げるベルの音が流れ込む。


「んぁ?誰だよこんな昼時に」


食器を置いたサーシャが面倒くさそうに立ち上がろうとするが、ジャスフィアがサーシャよりも早く席を立った。


「いいよ座ってて、俺でてくるわ」


「待て、私が出るから」


休憩中とはいえ、身内が自分の料理を食べているのを中断はさせまいとサーシャが慌てて立ち上がる。


「ほんとに良いって、外の空気吸ったらまだ食えそうだしついでだよついで。いいかサーシャ、これはあくまで休憩であって飯を残して食卓を降りたわけじゃないからな?」


「……分かったからサッサと行け」


子供じみた拘りに反応するのが面倒になり、来客への対応をサーシャが急かす。


ジャスフィアは長い廊下を小走りで抜けて玄関の扉を開いた。


「はーい」


「あ…ど、どうもこんにちは!へへへ…」


扉を開いたジャスフィアの前に見えた2人組みの男の、手前にいた背の低い男が愛想笑いを浮かべて挨拶する。


「え…えっと、こんにちは…」


普段から少ない来客の、それも初めて見る2人組みに困惑気味に挨拶を返す。


「初めまして!俺の名はレツヒ!んでそっちは弟のツゲレな!ジャスフィアって人に用があるんだがアンタがそうかい?」


背の低い男のすぐ後ろに立つ背の高い男が自己紹介を始めると、返答の自己紹介混じりに質問を返す。


「俺がそうだけど、なんのようだ?」


『ビンゴ!』

レツヒとツゲレが心中でガッツポーズを取る。


「あぁ〜なるほど貴方が……お初にお目に掛かりますジャスフィアの旦那。な〜に、用って言ってもそんなに対した事じゃないっすよ。俺達はただ…」手揉みしながらヘコヘコと頭を下げつつジャスフィアへと歩み寄るお粗末な処世術を披露するツゲレだったが、ジャスフィアの背後から漂うえもいえぬ御馳走の香りに、思わず言葉を詰まらせる。


「……フン、フンフンフン!なんですかこの食欲を唆る匂いは…」


重大な用事すら思わず忘れかける脳髄を刺激する御馳走の香り。


レツヒとツゲレの2人の中で三大欲求のひとつたる食欲がみるみる膨れあがっていくのは、本人でないジャスフィアの目からしても明らかだ。


「駄目元で……駄目元で聞くけどよう…幾らか払うから食料を分けて貰ったりとかってできるかなぁ」


匂いのする方向に目線を固定したまま、レツヒがジャスフィアに問いかける。


「え、あぁ〜、どうだろう…多分できない事も無いとは思うけど」


「良いんですか!?」


期待に満ち満ちた明るい表情でレツヒとツゲレがジャスフィアの顔を覗き込む。


「イヤまぁ作った本人に聞いてからじゃないと分からないんだけど、とりあえず中に入るか?」


「お邪魔させてもらいます!」


2人を案内して食堂に戻ったジャスフィアが、困惑顔のサーシャに事情を説明する。


「分かりました!お口に合うか分かりませんが、どうぞ召し上がってください」


時間外労働スイッチを入れたサーシャが猫被った声で料理を進める。


『ククク、こいつは良い試食係カモだぜ。これでまた統計データを増やせる。料金は取らねぇし時間外手当も請求しねぇよ?けど感想文はしっかり提出してもらうよ?なんなら金で済ました方がマシだと思うような量の感想文をなあぁ』


サーシャは料理に対して妥協しない(緊急時のニコチン摂取は特例)誤字脱字は是正対象。変に気を利かせておべっかを使えば無慈悲な顔面パンチ。正当な理由も無く感想文提出を拒む事は決して許されない。


猫被ったサーシャだが同じ猫科でもそれはヒョウやライオン、地道な作業が嫌いな者からすればサーベルタイガーといった類い。


甘い果実の周囲に張り巡らされた蜘蛛の糸に足を踏み込んだ危機に、レツヒとツゲレはいまだ気付かず。


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