しぼうゆうぎ
「ウラァ!!」「オオゥ!」
惑星パンドラの中心に位置するパンドラ大陸。その大陸の更に中央部分にある都市部シットの一画、人々や野生動物の往来激しい大通にて複数人の男の怒声が響く。鼻血や泡を拭きながら地面で弱々しくうめき声をあげる太った巨漢の男が4人。1人、また1人と同じ様な体格の男達が次々に倒される度に、硬い地面の砂埃が小さく舞う。
残った3人の巨漢達は、目を血走らせ怒声よりも更に激しい雄叫びを挙げ、敵へと向かって行く。
巨漢達の雄叫びに合わせるにつれ野次馬の盛り上がりも大きくなる。
リングがない故に自身が巻き込まれる可能性も必然的に高まるのだが、無料でスリリングな格闘ショーが拝めるのだ。これで盛り上がら無い方がどうかしている。無論、不必要な喧嘩を望まぬ者もいるが、喧嘩に割って入ろうものなら当人達からも野次馬達からもブーイングの嵐だろう。最悪の場合、高まった感情が行き場を失い、持て余したその矛先が仲裁者へと向いた挙げ句の集団リンチによる撲殺事件すら起こりかねない。暴力を望まぬ者は我関せずの精神でこの場からそそくさと立ち去る他ないだろう。野蛮な格闘ショーから目を背けて立ち去る者達の中でもひときわ美しい女のケツを野次馬の内の数人が目で追いかけている内に、大通りの中央へと視線を注ぎ続ける者達の熱がクライマックスに達した歓声が轟く。
「強ぇ!マジで強えぇ!1対10で圧勝しやがった!」
大人数をひとりで倒した人物に、野太い賛辞の声が飛ぶ。
鮮やかな金色に輝くショートボブの髪と、紅く凛々しい瞳。ともすれば女性と見紛うような秀麗な顔立ちに加え一見すると華奢な体躯。本人にその気は一切無いのだが、ちょっかいをだすチンピラからすればソレら全ては精巧で悪質な擬態と言えよう。男の名はジャスフィア。パンドラの歴史上最強と謳われる猛者のひとり覇王ヘシュカリオテの実子である。
「正気か貴様?この踊るイノシシ頭目であるシシリアン・ミートテック様に喧嘩を売るとは」
連日聴き続けて耳から離れなくなった運動意欲を向上させる音楽とダンス用の音楽を脳内でローテーションさせる事に加え、観客の野次と、手も足も出ないまま完敗した部下達のうめき声をもBGMにして巨漢は踊り続ける。
薄紫のモヒカンを軽快に揺らし、余った腹の肉をバシンバシンとシンバル代わりにしながら、滑稽に腰をくねらせ、マラカスを振るかの様に両手を細かく上下させるミートテックの行動は、彼の着用する半袖の黒いヒートテックの胸元に刻まれた脂肪遊戯の4文字がうわべだけのロゴでない事を雄弁に物語っている。
「シシシシウッセェよデカブツ!大体、先にケンカ売ってきたのはお前らだろう!」
ジャスフィアが苛立たしげに中指を立てミートテックを指差すと、弛みきった体躯とは対照的な鋭く小さい瞳の視線がジャスフィアの中指に誘導される。
「そうだそうだ馬鹿ヤロー!」「何が踊るイノシシだ豚野郎!いくら食い放題だっつっても食い過ぎだお前ら!俺の店を潰す気か!飯は底無しに食いやがるくせして出禁命令は一向に食いやしねぇ!」「いつまで下手糞なツイスト踊ってんだよ!」
暴れん坊集団、踊るイノシシへの批判がここぞとばかりに殺到するが、彼等の苦情すらもミートテックにとってはBGMに過ぎない。彼は人の話を聞かない類の曲者だ。
「フッ、愚かな。貴様らには物事の本質と言うモノがまるで見えていない」
「アァ!?」
ツイスト紛いの踊りで新陳代謝を促された巨体から油汗を噴出させながらも、涼しげな表情で悟ったような言動を漏らすミートテックにジャスフィアが唸り声で返す。
「確かに先に手を出したのは我等だがそれは子供じみた理由での喧嘩の安売りでは断じて無い。我等の行動原理はただ一つ。美味い食い放題の店で死ぬほど飯を食いまくる事なり。とある筋から貴様の身柄を預かれば大量の報酬が約束されている。いつでもどこでも手軽に体を鍛えられる踊りも、その体を張る戦闘も、全ては崇高なる意志の元に導かれた聖戦なり」
ミートテックの演説にジャスフィアと野次馬は思わず言葉を失っていた。
あまりにも稚拙な屁理屈に口論を続ける気力を一瞬にして何処かに落っことしてしまった。
「ん?BGMが止まったな?」
すっとぼけた様子でボソリと呟くと、矢継ぎ早に言葉を続けるミートテックの巨体が高速でジャスフィアへと迫る。
「お次は受難曲でも奏でるか!?」
「グゥッ!?」
自身の倍以上ある体格のショルダータックルを受けたジャスフィアの体が大きく吹き飛ぶ。『早いっ!?こいつタダの色物じゃねぇ!!』ミートテックの戦力に驚かされたジャスフィアの思考が、背後に迫る壁に反応するようにと危機感に加速を急かされる。
「危っぶねぇ!!」
壁の近く、正確には、コーヒーショップの外側の客席にいた看板娘にぶつからないようにとジャスフィアが体を捻って足から店の壁に着地する。
ジャスフィアが着地した地点の一番近くにいた、人社会に溶け込む知能を持つパンドラ原産ゴリラは、次からはミルクはいらないと店側に伝えていた筈のミルクがおかわりのバナナコーヒーと共に運ばれてきた事に対する店側へのクレームも忘れ、慌ててジャスフィアから距離を取る。
「うわわ!こっちに来るぞ!!」
パンドラゴリラの行動に釣られてコーヒーショップの外側の客席にいた客達が白々しく大声を挙げながらどさくさ紛れに故意に料金も払わずに店から離れて行く。
「コラァ!!どさくさ紛れに飲み逃げしてんじゃねぇぞカスどもぉ!!」
過去の抗争で失った片目と引き換えにできた切り傷を隠す為にサングラスを掛けたコーヒーショップの店長がドスを片手に客を追いかけようとするが、ジャスフィアを狙って追撃のタックルをかまそうとするミートテックに巻き込まれて全治893日の圧迫骨折を四肢に追う羽目になった。
「待て!待て待て!!場所を変えよう!!ここじゃあ関係ないやつまで巻き込んじまう!!」
ジャスフィアが慌てて静止の言葉を掛けるが、ミートテックは相変わらず人の話を聞こうとしない。
「下手な演技もいい加減にしたまえ。私は初めから気付いていたさ。貴様の言動が悉く擬態である事はね」
「は!?擬態!?」
「そうだ。確か…ジャスティスと言ったかな?飾り気の無く素敵な名前の貴様だが、その本質は卑劣そのもの。ともすれば敵の油断を誘う一見華奢なその体の内に秘めた踊りによって育まれたであろう高密度の筋肉。場所の移動を提案して私の隙を窺うお粗末な戦略。それら全てが敵を欺く狡猾な化粧だ。しかし!何者も私を欺く事は不可能!なぜなら私は本質の分かる男。次に繰り出される文字通りの必殺技によって貴様は地に沈むだろう。覚悟を決めたまえ!」
「なにもかも間違ってるよアホかお前は!?分かったようなこと言ってるけど全然本質を見抜けて無いじゃねぇか!ってそんな事はどうでもイイとして、お前の戦い方は周りへの被害がデカすぎんだよ!!不意打ちなんかしねぇから先ずは場所の移動を」
「問答無用ぉぉぉ!!!」
「うぉっ!?」
話の途中でミートテックが勢い良く突進する。
慌ててジャスフィアが横に躱すと、勢い余ったミートテックはダッシュした先にある建物に、己の不恰好に太った体の型を壁へと彫み込みながら走り抜けて行く。
「だああぁああ俺の店がァァァー!!」
普通に良質かつ良心的な値段の調味料とか、なんか異常に値段の高い怪しい調味料とかを取り扱うアフロヘアーのグラサンおっさん店長が悲鳴を挙げる。
「ぬふぅぅン!!」
家の粉塵やら塩コショウやらを浴びながら、鼻息荒く店内からミートテックが戻って来る。
「見苦しいぞジャスフィア!!漢の喧嘩に耳障りだけ良いような言葉を持ち込むなど無粋の極み!私と貴様は戦う運命に有るのだ!お互い武で雌雄を決しようぞ!!」
『駄目だコイツ!まったく人の話を聞きやがらねぇ!こうなったら仕方がねぇ…多少やりすぎちまうかもだが本気でぶちのめす!!』
人の話は聞かない癖に自分だけベラベラと喋るミートテックへとジャスフィアが一瞬にして間合いを詰める。
「え」
呆気なく驚きの声を漏らすミートテックにできた隙を逃さず、ジャスフィアが顎先へと強烈なアッパーを打ち込む。
「ゴブ!!」
強引に塞がれた口から苦悶が搾り出される。
振り上げた拳の勢いそのままにジャスフィアが拳を振り抜くと、ミートテックの巨体が回転板の様に縦に回りだす。
「覚悟しろよミートテック!!」
「ハッ!?」
目まぐるしく廻る光景の中、言葉と共にジャスフィアの拳が構えられるのを確認したが、一時的に平衡感覚を失った体に掛かる高速の重力によって戦闘態勢のガタガタになったミートテックに次の一撃を防ぐ術は無かった。
「ガハバァァ!!」
顔面にもろに拳を貰い、口元から口内裂傷による血と唾液をぶち撒けながら仰向けに地に倒れるミートテックにジャスフィアが乗り掛かって顔面を殴り続ける。
「ク…ガ……オ、オオオォオォォォオ!!!」
馬乗りになって殴打を繰り返すジャスフィアの体を、ミートテックの腹が弾き飛ばす。
「なっ!?」
死すら予感したミートテックの生存本能は思考の一切の無駄を削ぎ落とし、極限まで研ぎ澄まされた精神は、今この場に置いては不要な脳内の音楽すら止めていた。
〈脂肪遊戯 行進曲 天武征堂々〉
元々丸っこかったミートテックの体が、比喩の域を越えて完全な球体となり、無差別に周囲を飛び交う。
『知っていたさ。初めから楽に勝てる相手では無いことも、私が持てる全てを出さなければいけない事も知っていたさ。何故なら私は本質の理解る男』
ジャスフィアとミートテックの喧嘩が行われる大通りに面した店の壁は次々に破壊され、どさくさ紛れに口の中に飲食物を入れたままにした客や試着した衣服を着たままの客が緊急時の避難を名目に店に代金も払わないままに逃げようとする。それを追いかけるのは縫傷だらけのパンチパーマのグラサンおっさん店長や、厳つい刺青の入ったハゲ巨漢のグラサンおっさん店長。
戦闘に巻き込まれる事や食い逃げ犯の捕獲すら二の次で寿司を握り続ける職人肌のパンドラ熊店長(ただし確かな腕前と拘りに反して米粒の中に体毛が紛れまくっている)を尻目に、ミートテックは柔軟性の低い建物を壊しては痩せ型の人や動物を轢きまくり、時折、地面に倒れる踊るイノシシの団員達の柔軟性に富んだ脂肪の乗った肉体に乗ってはトランポリンの容量で加速し、規則性の無い高速の動きで確実な対応策を取らせないようにしつつジャスフィアに突進する。
「ぶはっ!」
獲物の手応えを感じたミートテックの体はジャスフィアに激突した次の瞬間、並外れた食欲によって培われた嗅覚とダンスによって鍛えた平衡感覚を武器に、ほとんど勢いを殺さないどころか更に加速して丸まった態勢を解き、四肢を駆使して壁を足場代わりにして、一番近くにいた部下の腹へと飛び掛かり、反動で天高く跳び上がる。
「行くぞジャスティス!偽りの名で汚れた貴様の正義よりも私の正義が優れていた事実を結果で知らしめる!私の全身全霊を以って貴様にトドメを刺そう!何故なら私は本質のわかる男!!それが聖戦に導かれて闘った相手へのせめてもの礼儀だと私の魂が叫んでいるからだあぁぁぁぁ!!!」
地に伏すジャスフィアに向かって、限界まで加速したミートテックが両足を突き出す。
〈死亡勇技 無言歌 さらば戦友よ!!〉
「疾さと重さを両立した私の一撃は金剛石に小さなヒビすら入れる事ができるぞ!!貴様の葬式には必ず出席して全力の鎮魂歌であの世へ送り出してやる!!漢と漢の別れに言葉は不要!!これが私の最高の技だアアァアアァァ!!!」
支離滅裂な決め台詞を高らかに叫ぶミートテックの視界が一瞬にして真紅に染まる。
「ッ!?」
予期せぬ展開に怯みつつもミートテックは攻撃の手を緩めない。緩められない。全身全霊を込めた一撃がもたらす慣性はもはや彼自身にも制御不能。
『この感覚!不味い!!』
敵を見失ったまま地面に激突したミートテックの下半身がズッポリと地面にめり込む。
幾度と無く感じた肉を踏み潰す感触とは違った地面を踏み抜く感覚に危機感が警鐘を鳴らす。
「くっうっ!」
慌てて両手で顔を拭い、素早く周囲を見渡す。
「勝負有りだな」
「ハッ!」
背筋に冷たい殺気が走る。
「なっ!!ま、待て!!待ってくれ!!」
ミートテックが丸太のような両手で地面を押すが渾身の一撃で踏み抜いた地面からは容易には抜け出せない。必要以上の破壊を受けた物質が怒りを持つかの様にミートテックの下半身にガッツリと噛み付いていた。彼の持つ最高の必殺技は不発。オマケに自身の脂肪の乗った体は不抜。ここからの逆転は不可能だろう。
「なっ何故だ!何故私の視界が突如として奪われたのだ!本質を見抜けないままでは死んでも死に切れぬ!!漢シシリアン・ミートテック!踊るイノシシの頭目としてみっともない命乞いはしない!潔く死花を咲かせて見せよう!だが後生の頼みだ!!私の負けた理由を教えてくれ!!」
喚き散らすミートテックだが彼の動乱は悪足掻き故では無い。死を覚悟した武人の心意気に応えるかのように、ジャスフィアは語り始めた。
「……てめぇの視界を奪ったのはてめぇ自身だ」
「なんだと!?」
予想だにしなかった答えを聞かされたミートテックの肩が分かりやすく驚き跳ねる。
「答えろジャスフィア!じゃなかった…ジャスティス!私の視界を奪ったのは私自身とはどう言う事なのだ!!」
この後に及んで名前を間違えるミートテックの身勝手さに呆れつつも、ジャスフィアは半ば諦めた様子で破壊された店のガラスの破片をミートテックの眼前へと差し出す。
「こういう事だよ」
「これ、は!!」
ジャスフィアの差し出したガラスに映し出された自身の顔にミートテックは驚愕した。ボコされて腫れ上がった顔の中でも異色の規則的な切り傷。額、両側のこめかみ、顎の4箇所に刻まれた刃物のような綺麗な切り傷。
「最初の一撃でお前の戦闘スタイルはだいたい把握できた。力任せに巨体で突進する激しい全身運動の連続。あれだけ動き回れば血液の流れは激増して必然、傷口からの出血は多くなる。しかし、勝負を焦って安易に切り札となりうる一手を打つわけにはいかない。勝負が佳境に入っているであろう時間帯を考えて目からは近過ぎず、かと言って遠過ぎもしない箇所を拳で切っていた。正直、多少は運任せなところもあったし最後の一撃は危なかったけどな」
「ヌウウ!ぬうぅうぅぅうぅぅうう!!!」
淡々と告げられる戦略の差にミートテックが全身を震わせる。
「付け加えると、いくら威力が強かろうが脂肪で柔らかい部位の多いお前の一撃ではトドメを刺しそこねる事が有る。決着の際には胴体以外の何処かを突き出すであろう事は確信できた。絶対でこそ無いが、俺はこの賭けにかなり高い勝率で挑めたんだ。お前の実力は本物だろうが、俺の戦略勝ちだな」
「ぅぅう!!ウウウ"ウ"ウゥゥぅアぁァァあああ"ッ!!!」
ミートテックの震えは更に激しくなり、余った肉が小刻みに踊り出した数秒ののちに、ミートテックは大きく脱力して不要な肺の中の空気を吐き出した。
「ブハッ!ブハハ!ブハハハハハハ!!」
突如として笑い出すミートテックに驚いたジャスフィアが、無意識の内に自身の手からガラス片を溢して、目の前の得体の知れない者の表情を覗き込む。
「ふふ……完敗だ。私の完敗だよ……君は良き戦友だった。さぁトドメを刺すが良い。君の手で私の人生に終止符を刻むのだ」
全てを出し切った末の敗北。高潔な精神がそれを拒む事は無かった。清々しい笑顔を浮かべるミートテックにつられてジャスフィアの凝り固まった表情からも思わず笑みが溢れる。
「ふふふ」「はは…」
個々の笑い声が次第に混じり合ってひとつになって行く。
「「ハハハ!ハハハハハハ!」」
「いい加減にしろクソバカヤロー!!」
「はがっ!!?」
ジャスフィアの強烈なサッカーボールキックがミートテックの顔面を打ち抜く。
「ここでてめぇを殺っちまったら誰が損害賠償を払うんだボケ!!巻き込まれた俺の立場も少しは考えやがれ!!」
追撃のドリブルがミートテックの頭部を襲う。誰の目にも決着は明らかだ。
「はぁ…ったくやってられねぇよ!タダでさえ今日は早く帰らなきゃならねぇ用事があるのに迷惑な奴だ…けどよぉ、てめぇはバカで勘違い野郎だがそこまで悪い奴じゃなさそうだし、とりあえずはこの辺にしといてやる。これに懲りたら二度と俺に絡んでくんじゃねぇぞ」
戦意どころか完全に意識の事切れたミートテックを尻目にジャスフィアは急ぎ足で歩き出す。
本当なら走って立ち去りたいところだが、巻き込まれた結果とは言え周囲に被害をもたらした加害者のうちの1人である自身への、パンドラの住民達の理不尽な敵意を煽らないように逃走を連想させる立ち去り方はできなかった。「おらどけ野次馬ども!見せもんじゃねぇぞ!」
これは犯罪現場からの逃走では断じて無い。戦場からの華々しい凱旋なのだという毅然とした態度で立ち去るジャスフィアを陰から盗み見る巨大なデブがひとり。
「み、ミートテック様が……ミートテック様が負けるだなんて……強い、強すぎる。話しが違うじゃないか……あんな怪物…俺達の手に負えない…話しがこじれるまえに取引先に断りの連絡をいれないと……」
男の名はモブノデブン。とある兄弟からジャスフィアの身柄確保を任された仕事中の身でありながら、チームの仲間達を尻目に屋台でつまみ食いをした挙句、気がついた時には事が始まっていて気まずさから参戦するタイミングを失ったまま、敵からも味方からも身を隠しながら決着までをただ眺める事しか出来なかった踊るイノシシきってのマヌケ。
仲間どころか上司までも張り倒されたマヌケに突如として伸し掛かる重責と多忙な今後の展開。仲間達の介護に取引先への連絡。巻き込まれた住民達からの強烈な非難。モブノデブンの明日はどっちだ!?