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最後の男
あなたが天国に行ってしまってから
随分と時がたちました
あなたが大好きだった海に
久しぶりにやってきた
いつも浜辺から
波に乗っているあなたを眺めているのが
大好きだった
真っ黒に日焼けして
海の話しをする時に
クシャッと笑う顔が大好きだった
あなたからの
優しいくちづけも
激しいくちづけも
もう
夢の中でしか
であえない
強く抱きしめて欲しい時に
あなたはもういない
寂しくて寂しくて
あなたのもとに行こうと何度も思った
でも
わたしは今ここにいる
あなたによく似た男の子
海が大好きな男の子
わたしの最後の男




