2.勇者一行
「なんだ?貴様らは」
突如開かれた扉の先には4人の男女の人間が立っていた。
「ようやくたどり着いたよ。はじめまして、魔王よ」
「私たちはあなたを倒しに来ました」
「お前を倒して世界を平和にしてみせる」
4人のうちの3人が魔王の前に立ち、次々と口上を述べる。
「…もう僕のセリフないね」
3人に続き、苦笑いを浮かべながら金髪の優男が入ってきた。
「ふははは…人間風情が、魔王様に勝てると思うか?」
ゴルゴンは笑い声をあげ、4人を一瞥する。
魔王はステータスを覗いた。
【ステータスを表示します】
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名前:『ロイド』
個体名:人間
役職:聖騎士
L v:68/85
HP:1021/1859
MP:56/78
攻撃力:741
防御力:512
素早さ:324
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名前『サンドラ』
個体名:人間
役職:賢者
L v:69/80
HP:724/965
MP:459/1478
攻撃力:143
防御力:269
素早さ:756
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名前『アベル』
個体名:人間
役職:武闘家
L v:73/75
HP:1804/2153
MP:18/103
攻撃力:624
防御力:642
素早さ:854
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名前:『ソラ』
個体名:人間
役職:勇者
L v:91/100
HP:2648/4120
MP:281/1054
攻撃力:1421
防御力:1329
素早さ:1142
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「…ほう。勇者か。実物を見るのは初めてだな。にしても人間とは弱い生き物と聞いていたが、ソラとやら。貴様は本当に人間か?我が見てきた魔物の中でも貴様より強い者はいなかったぞ」
魔王は優男に向けて言う。
「魔王に褒められるなんてね。君に勝つために努力してきた結果だよ」
「くそ。やっぱパラメーターは筒抜けかよ」
と筋骨隆々な男、アベルは落胆した。
少し魔王が戸惑う。
「貴様らは見れないのか?」
「そんなにおいそれと見れるものではありません。言うなれば世界への干渉ですし、莫大なMP消費、使い過ぎれば命にも関わることですわ…もしかして、挑発のつもりでして?」
気の強そうな若い女賢者、サンドラが睨みながら言い放つ。
「そうなのか?ゴルゴン」
「いえ…まあ。しかし、魔王様には全く関係のないことかと存じます」
「確かに…そうだな」
魔王は少しゴルゴンの態度に違和感を覚えたが、聞き流すこととした。
「若い魔王とは聞いていましたが、確かによくわからないまま魔王をしているようですね」
柔らかな雰囲気を纏う聖騎士ロイドは少し皮肉を交えながら返す。
「しかし、人間を苦しめているのには変わりないさ」
勇者ソラが純白の剣を鞘から取り出し力強く握る。
それに合わせ、各々が武器を魔王へ向けた。
「貴様ら…なんと無礼なことを…」
ゴルゴンが掌を勇者らに向けたが、その先にはすでに魔王がいた。
「ゴルゴンよ。貴様ではこの者たちは倒せぬ。下がっておれ」
「魔王様…しかし」
「2度言わせるな」
魔王がゴルゴンを睨み付けるとゴルゴンはスーッと部屋から消えていった。
「さて。人間どもよ。我には久々の来客だ。楽しませてくれよ」




