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木漏れ日  作者: 函南 陽
1/1

光の溢れる午後。

午後の日差しをうけて透き通る貴方の髪はとても綺麗だった。


2018年 11月 ここは何もない町だ。ど田舎というわけではないが大きな建物は殆どなくコンビニも殆どない。

私はと言うと毎日がありきたりであり、飽き飽きしつつも何処かへ行けるわけでもなしに日々を潰していた。今日もいつも通り目覚め学校へ行く。


と思っていたのだが「寝坊した」無意識に呟いた。

遅刻なんて今までしたことなかったのに、ロクでもないことを考えながら寝てしまったからだろうか。

落ち込んでても仕方ないので支度を始めることにした。立ち直りは早い方であると自負している。シャワーを浴びてちゃっかり昼食を食べた。

ここまできて休むと言う選択肢が浮かばないのも不思議なものだが、私は律儀に最後の授業だけを受けに学校へ向かうのだった。


昨日はとても寒かったが今日は日差しが強く暖かい。学校へ向かう途中の長い一本道、街路樹の柳が微かに風に揺れ光の雨を降らす。町は静かで誰もいないみたいだ。しばらく歩くと角から誰かやってくるようだった。通行人を一々珍しがる程にはここは人通りが少ないのだ。

登下校の時と学生以外は基本的に見かけなかった。少し顔上げてみてみると、背の高い制服を着た男子だった。男子にしてはやたらに伸びた髪は金髪だ。この町にもやはり不良はいるのだ。彼らの生態に詳しいわけではないが駅前じゃなくてこんなところをふらついているのは珍しい気がした。


少し気まずい気持ちで歩みを進めると強い風が吹いた。


ほんの一瞬のことだった。


柳の葉が大きく揺れ光りが溢れると彼の金色の髪は透き通るように、とても綺麗に輝いた。


刹那に見えた彼の相貌は穏やかでどこか寂しげだった。


私は彼に恋をした。


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