理想と現実
美川が隣に引っ越してきた翌日の朝。
もし、ここがラノベの世界で展開だったら...
「起きて! もう朝だよ!早く起きないと遅刻しちゃうよー!!」
なのだろうが......
起こしに来ない。というか習慣で必ず7時に俺は起きてしまう。よって、寝坊、または遅刻することはない!
まあ、それからいつも通り朝食を食べ、準備をし、玄関ドアを開けた...ら、美川が家の前で待っているということもなく、さっさと歩いていった―――
学校に着いて俺は昨日の朝の睡眠を取り戻そうと...今日はあいつはいないな~。よかったよかった。
と、安心して予冷がなるまで寝た。
なぜ朝自分から起きれているのに寝るんだというかもしれないが、答えは単純だ。
まだ寝足りない。それなりに早く寝ているんだけどなぁ―――
―――朝の予冷がなった。うん。問題なく寝れて起きれたな。よし。
「出欠とるぞー」
先生が出欠を取り始めた。その間暇なので、先生よりはやく欠席してるやつをみつけようと周りを見渡した。
(あー、欠席してるなー。えーっと、加藤と柴田と...あれ?美川はどうした。初日から遅刻かー?)
まあ、昨日引っ越してきて片付けやら、なんやらかんやらで忙しかったのだろう。大変なんだろうなぁ~、引っ越し。おつかれー。
勝手におつかれとか心の中で言っちゃったけど。
「美川ー、美川ー? 連絡ないから遅刻か。次...」
と、教室の扉が開いた。
「すみません。遅刻してしまって」
「昨日の引っ越しの後片づけか?それなら仕方ないがー」
先生がそこまで言いかけたところで美川はバカ正直に遅刻した理由を言い始めた。みんな引っ越しの片づけと思っていたが、違った。
「ああ、夜までゲームしてました。ポテチ食いながら。パンイチで」
この時、教室が最後の一言で唖然とした...
美川の可憐で端麗な見た目とは裏腹に、中身が残念であることが転校2日目で発覚したのである―――