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第九十八話 ・何事にも誠実であれ □

 

 私が引き取る前に一人暮らしをしていた実母の話。この人は大多数の人間と同じく良い人です。そしてすぐ人を信用してしまいます。頼まれるとイヤだと思ってもイヤといえない人。それで面と向かって言えないので、娘の私にいう。特に金銭問題。

 年を取るごとにその傾向が強くなっていく。年金暮らしで使える金額も限度があるのに、ぱっと使ってしまう。そして愚痴をいい、お金を貸してと私に言ってくる。実妹Zにお金をせびられてあげてしまう。Zがコワイからとはいうが、Zの言いなりにお金を渡してから、私にこれまた愚痴をいいお金を貸してと言うのが問題。

 金食い虫はZのほかにもまだいて、某社の担当者もそう。母にノルマがあるので△を買ってといってくると、ハイハイといって二桁万円の△を買ってしまう。お買い得だった、とはいうが、まったく使わない。それからまた私にお金を貸してと言ってくる。頭にきます。私は地道に働いていてまだ未成年の子供がいるんですよ。どうして遊んで暮らしているZになぜお金をあげてしまうのか? 某担当者のノルマ解消のためにお金を消費するのか?

 母の操作方法を皆わかっているのだ。特に某社の男は「私を助けてください」 という。「私が助けてあげなきゃ、かわいそうだから」 と母はいう。いや、別に可愛くとも何ともない四十代の男性でしたよ……。でも母から見たらかわいいという。母の男性の好みって何だろうか。

 新幹線の距離があるので電話で会話するが毎度お金の話になると母娘喧嘩。一番の金喰い虫の実妹Zを何とかしろってばよ。結果は以前のイラクサに書いた通りです。今回は第七十四話の不幸子シリーズ、オカネナイの続きでもあります。現在の母は私が引き取っています。お金も母の了承を得たうえで管理しています。後から何もクレームがつかぬよう、各種領収書、帳簿をきっちりつけています。以上前置き。


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 さてそんな母は母の妹が金融機関で勤務していたというのでとても信頼していました。母の妹ですので私から見て叔母にあたります。Jとします。

 母は信頼のあまりにJに己の貯金通帳や印鑑を預けっぱなしにしていました。実印もです。繰り返します。実印もです。

 すると何が起こったか……

 お察しの通りです。不正操作ですね。Jは母の実印を使って土地の売買をし、税金対策に架空の小切手などを発行していました。七桁万円のお金を同じ日に入金、そして出金。一体何の操作でしょう……委任状? 何それ? で、やりたい放題です。もう一人いる母の妹(私にとっては別の叔母)は実印をよこさないので、勝手に作成して使われていました。

 国税庁から母ともう一人の叔母に追徴課税が七桁万円かかりました。某県の某土地を勝手に購入、勝手に売買したことになっている。全部わかったのは私が母を引き取った折、今まで母が住んでいた土地を無人になったからと欲しがり本来は私の土地だから返して、といってきたからです。

 Jは、どうしてそんなことを堂々と請求できるのだろうか……母と引き取った私を見くびりすぎです。私は母の実印を再度変更し、弁護士に相談をしました。Jが勤務していた金融機関にADR調査を求めました。ADRというのは、裁判外紛争解決手続さいばんがいふんそうかいけつてつづきといいます。英語の Alternative Dispute Resolution の略号です。金融機関にそれがあり、不審な行動をされたということで調査を依頼しました。すると新たなことが判明しました。現在係争中ですので、詳細は書きませんが調査依頼をしたことで叔母にとっては私のことを恩知らず、ひどい姪だと喚いているらしい。元の勤務先の諮問調査がそんなにおイヤでしたか? そもそもの不審な動きをしたのはJの方からでしょうが……私を恨むのは筋違いなのに、ひどいといっている。身から出た錆とはこのことを言うと思うが私が間違っているのでしょうか? Jは「大昔のことなのに、今更蒸し返すなんてひどい。かわいがってあげたのに、ひどい」 との一点張りで会話しても紛糾する。そんな女とどうやって話し合いができようか。

 もう一人の叔母もあきれてJに「じゃ、私たちの実印を使ったという遺産分割協議書見せてよ。それなら委任状なしでは使ってないという証明にもなるじゃないの」 というとJは「どこへいったのかわからない。私は何もしてないのに、ひどい」 とわめいたらしい。

 いや、もうヒステリーを起こしていて話をする以前の問題で唖然としました。Jは祖父母の遺産、九桁万円を取得して好き放題して、某著名な会の役員までしていて、我が世の春が続いていました。大昔の手続き上のことで今更何をいうのって、そりゃ私が母を引き取ったことで無人になった家を欲しがるからですよ。Jが欲深なのはみんな知っているけど、母の実印で一体何をしたの?

 というわけで、いつでもいじめられっ子、いつでも被害者の私にも、合法的に相手方に罪を問える立場になりました。ハイ。わたくし現在大変珍しい経験をさせていただいています。


 母が住んでいた家を欲しがったことは、この実印騒ぎでJの頭のどこかへ行ってしまったので一安心。その分、Jの元の職場でADR請求するなんてひどい姪だと恨まれています。Jは、悪事をばらした私を恨む前に反省ということをしないのしょうか? 最初にやらかしたのはJでしょうが?

 私は過去母をバカにしていたJ、恩着せがましいことしか言わぬJ,亡父を田畑人員に勝手にカウントし父の予定を無視して当たり前のように、こき使っていたJに腹がたっていました。が、元の職場でも大きな顔をして出入りしていたJの面目丸つぶれの状況をみるにつけ、人の恨みは買うべきではないとつくづく思う。

 今回私が動いたことでJのやったことが証拠付きで明るみにでまして「悪事はいつかバレル」 ってことを言いたくて書きました。


 





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