第六十三話・子供へのいじめの対応・謝罪後の親編その2
結論を先に書きます。主犯は我が子と担任の先生、生活指導の先生、教頭先生の立ち合いで口頭で謝罪しました。謝罪の場を設けたのは、学校側ですが、皆の前ではないというのは一種の懸念がありました。主犯は反省しないと思ったからです。しかし学校側は主犯にも将来があり、主犯の父親が持つ地域の影響力(名誉棄損になるのでこういう書き方しかできない)に遠慮してという形になりました。また我が子もそれでよい、と言いました。けじめ、という感じでしょうか。どうせあいつはパフォーマンスのつもりでやるだろうと言います。しかし先生からは主犯は涙を流して反省している、との言葉を聞いています。いろいろな生徒を見ている先生の話ですからそれは信用していました。しかし我が子のいうとおりでした。またそれで話は終わりませんでした。ですが諸事情がありこのあたりはすっとばします。それから話をがらりと変えます。親子の話になります。
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私は幼いころから親は尊敬しないといけないと思っていました。生まれてきた子供は自動的に育ててくれる親を尊敬するもの。また親から見捨てられると生きていけないことを知っているから当然でしょう。一応は。
暴力はなくても、親の顔色を窺って生きている子供もいる。私もまたそうだった……これではいけないと思って家を出た時も結婚を反対されたときも親不孝者と罵られました。その罵り言葉は今も心が痛む。でも親の価値観一色には染まりたくなかった。だから後悔はまったくしていない。しかし申し訳ないとは思っている。ということはまだ縛られている部分があるかな……でも親の言いなりになっていたら今頃私は死んでいると思う。
……あれから十数年、私は子供の自主性を重んじて育てたつもり。母のように執着したらだめだと思って接していたつもり。しかしそのやり方でもだめでした。子供はお母さんなんか嫌いという。私のどこが間違っていたのか私にはわからない。子ども自身もまたどうしていいか自分でもわからないみたい……。
心療内科の先生によると、全部いじめられたことによるPTSDだとおっしゃる。しかしそういう診断がついても終わりじゃない。めでたしではない。一段落とはいかない。
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私はいじめっ子、例の主犯の親にもあいました。理由は謝罪後も蒸し返しがあったから。
学校は主犯の謝罪が終わるといじめ問題も終了という態度でした。だから私自身が「主犯の親に電話して直接面会」 してきました。
超簡単に話をはしょりますが、いじめっ子の親は社会的な立場のある人で己の体面を考えているのか、逆に私の子供を非難してきました。
腹立ちを抑えて黙って向こうの言い分を拝聴していると、その親は主犯自身とは口を聞かない状態だともらしました。いじめっ子といじめっ子の親とは同居でありながら会話の断絶がありました。その人もまた子育てに悩んでいることが伺えたのです。いじめっ子自身にしてみれば、いじめっ子の親子間との人知れぬ確執もあるのでしょう。
でも我が子にかかわった以上、また蒸し返しがあった以上はどういう理由であれ、いじめられた側の親としては許せない。その親は結局、本人が学校の先生との立ち合いで謝罪した以上、いじめは終わったというスタンスを変えず、今後注意しておくという態度でした。
そこで話が終わらせたいという強硬なものを感じ、また人様の職場にお邪魔している以上、強くは言えません。それでもその親から子の振る舞いに対して私が直接申し入れをしたことで最低限の会話はあるだろうと思い、引き下がりました。
結論として、アブナイ親認定されたせいか絡まれることはなくなりました。
学校側にはこの件も一応報告しましたが「わかりました」 というだけでした。最初から私は主犯とその親に面談させてほしいと申し入れをしていましたが、学校側は一貫して、おまかせくださいというので、まかせました。が、こんな蒸し返しがあるならば最初から弁護士を介入させてでも主犯とその親と面談すべきだったかもと思います。
その後、主犯は別の子をターゲットにしました。一つ下の学年の子です。大柄で明るいコだったのですが、歩き方としゃべり方に特徴があり、それをしつこくからかっていたらしい……その子は現在も不登校になっています。我が子によればかなり陰湿ないじめをするので、不登校になるのもわかる、当然だといいます。その子の心が弱いのではなく、主犯のやり方が惨いのだといいます。
我が子が登校できるようになったとき、主犯の取り巻きのうち、一人だけですが謝罪をしてきたそうです。先に書いた主犯に脅かされて我が子をいじめた共犯です。その時に一緒にいじめないと、◎◎のことをばらすと脅迫されていたと告白しました。◎◎の内容は我が子にもわかりません。その共犯は、これがばれたら自殺するからこれだけは言えないといったそうです。この弱みを握る主犯は憎いが、どうしても逆らえないといったそうです。
例の主犯がいかに知恵を働かせて表に出ないようにいじめを楽しんでいたのかわかろうというものです。
それよりも少し前に、主犯と同じ年で小学生の同級生だったが、不登校になった少女が別におり、その親戚筋から主犯の名前をあげて犯行の詳細な知らせが来ました。田舎なのでこういう話は広がってしまうのです。警察がからまなかったとはいうものの、主犯のこの評判は主犯の親の仕事にもいずれ影響がでてくるはずです。
また私自身も、我が子にしたいじめがきっかけで生活に乱れと受験にも影響が出ましたのでこの主犯に対する恨みは相当溜まっています。反省を知らぬまだ若き主犯、他にも恨んでる人がいますし、これからも増えるでしょう。
私は因果応報はまったく信じていないが、身から出た錆は信じている。だから主犯から出た錆も見えてくるはず。私は主犯の将来をもきちんと見据えていくつもりです。
我が子は今も反抗期です。私はこんな人間なので子供に尊敬されなくて当然かもしれませんが、それでも食事と金銭的には成人するまではちゃんと世話をするべきだと思っています。でもかなり精神的にコタえています。我が子に親失格だと思われてもなお……親は親。我が子に捨てられてもどこまでも親は親。憎まれてもウザがられてもなお……いかに我が子が嫌がっても成人するまではそのつながりは切れないでしょう……私は親としても我が子の行く末を見届けるつもりです。
もう昔話に出てくるような親孝行は消滅しています。こういう世代ですもの、仕方ないでしょう。古い考えを持つ人は私を甘い親だとバカにするでしょうが……
政治家やタレントなど知名度の高い人の子供が犯罪を起こして謝罪する……これ結構あります。社会的に成功したとみられる人ですら、子育ては難しい。正しい教育法って一体どんなものですか、正しい人間とは一体どういう人間ですかと私は世間の賢い皆様に逆に聞きたいです。
いじめは許せないですが、それを楽しめるコは一体なんだろうか、主犯には兄弟がいまして、その子は正常です。いじめは犯罪といいつつも、誰も主犯を悔い改めさせることはできないのは、事実です。主犯の親は私に対して謝罪は決してしませんでしたが、主犯の親ですら主犯の対応に苦慮しているようすが伺えました。主犯がいわゆるサイコパス、反社会的パーソナリティーの持ち主だとしたら、親を全面的に責めることもし難いです。いずれ神罰、天罰がおりるだろう、ということばで気分をおさめたりするしかないのだと感じます。
以上このテーマは終わりにします。終わってないけど区切りをつけます。でもまた後年、考察してUPすることもあると思います。