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第三十五話・懸賞応募などで名前を使われる話  ●


 私と私の実家は都道府県が違います。新幹線利用もしくは長距離バス利用の距離です。それと実家の姓と結婚後の姓は違います。当然住所も電話番号も違う。そういう個人情報をすべて把握しているのは、血縁関係者もしくは古くからの知人しかありません。それ以外はなし。ここまでが今回の話の前提です。


 ① 十数年前の話。一通の封書が私宛に来ました。なんだろうと思うと、旅行会社の振り込み要請通知でした。私がある旅行に申し込んだことになっています。驚いた私が旅行会社に「そんなものを申し込んでいませんよ」 と電話をしました。しかしその旅行会社は強硬で「申し込んだことになっています」 といいます。しかも私の他に二人いる。三人旅行? しかも泊りがけ? なぜ?

 出発先も遠方でここから早朝集合できるわけがない、といったのですが相手は動じない。こういう電話にはなれているのだろうか? 平然と「ではキャンセルしますか?」 といわれたので「当たり前です、申し込んでいないのでキャンセルも何もない、最初からなかったことです」 といって電話を切りました。

 いたずらにしてはおかしいが、私には心当たりがありました。Zさん……あの人ならやりかねないかもなという予感はありました。

 果たして数日後、Zから怒りの電話がかかってきました。その人が私の名前を使って家族で内緒で旅行の申し込みをしていたというわけです。私は瞬時に理解しました。

 実は過去にZは私の名前で某新聞社の催し物に申し込んで「落選通知」 が私宛に来るという履歴があったのです。私はそれが嫌だったので「以後は決して私の名前を使うな」 と言っていました。Zは「それぐらい、いいではないか」 と言いました。私が怒ると不服そうに「そんなに嫌ならば今後は使わないから」 と言いました。それなのに、またやったのです。そんなに、使いやすいのか、私の名前と住所は?

「なぜ勝手にキャンセルしたのか、ひどい」 と非難するZ。私宛に旅行会社から連絡がいくと思わなかったようで、私に黙って店舗に行って支払うつもりだったようです。私はZがヒステリーをおこしているのはわかっているので、よりゆっくりと低い声で言います。私の方が怒っていると伝わるといいがと思いながら……。



 ② さらに話が前後しますが時系列にはこの話が先です。数行前に少しだけ書きましたが言葉不足ですので詳述します。

 当選までの道のりが長いがどうしても欲しいもの、もしくは良席がほしい公演の切符、そういうものは皆が欲しがるので、一人一通まで、重複して応募したら失格になるものも多い。人気の催し物の抽選は厳しい。しかし絶対に当選したい。だからその催し物に興味のない知人の名前を「許可なく」 使いたい。

 Zには、本人の許可なく使ってもいいものかどうかを考える知能はないのか。当たり前に考えてダメだと思うだろうに、平気で他人の名前を騙る神経が信じられない。その時にも今後は私の名前を使って抽選に応募はしない約束になりました。ところが数年後に①のことをした。ということはZは反省していない。

 ①についても勝手にキャンセルしたな~と怒るぐらいならば、なぜ最初から私に言わないのか、それを言うと「頼んだらどうせ断るでしょっ」 と怒る。おそらくご主人には内緒の旅行だろうが、なぜ私が怒られなきゃならんのだ。現在でもまったくもって理解不能な話です。

 そういうふうに話が根本的に通じない人間が第二十四話に出てくる老婆以外にも私のまわりにいるのですよ……溜息をつくしかありません。これは携帯電話が普及していなかった時代の話なので今はもっと手が込んだことができると思っている。その分、抽選をする主催者側もZのようにズルいことをする客は当選させないなどしてほしいと思っています。名前を騙るというのも、犯罪のうちに当たるものではないでしょうか。


 

 ③ 名前を騙られることに関連しますが、私はZからはもっとひどい目にあいました。

 Zの前の結婚相手の住むところがないからと私の許可なく、当時未婚だった一人暮らしの私の家に住民票を移動させたことです。幸い相手が反社会的な人間ではなかったので金銭的な被害はなかったのですが、私はZからそこまで舐められているのかとショックでした。

 住民票の移動は「そこに住むことになりました」 と言ったら、市役所や区役所は所有者に事実確認もせずに住民として受け入れてしまうのが問題です。が、それをいっても仕方がありません。以前から住んでいる人間にもどういうわけかわからないようになっています。そこをつかれました。

 それが判明したのは、見慣れぬ名前のあて名の郵便物が何通も届いたからです。男性の名前に心当たりがあってZがからんでいるとすぐにわかりました。

 男性の連絡先が不明ですので、Zに対して、冷静に住民票を即刻移動させないと訴えると言いました。男性の方はすぐに応じてくれたものの、唆したZ、そしてZの親からの謝罪は一切ありませんでした。

 それどころか「彼の住む家がないのにかわいそうだと思わないのか、住民票の移動ぐらい大したことではないのにひどい」 と怒るだけ。常識が欠落した女としかいいようがありません。


 私相手にはこの三つしかないのですが、他にもいろいろと私の知らぬことでヤラレているだろうな、と思えば穏やかな気分になれません。私相手ならば何をしてもよいと見くびられているのは非常に残念ですが人の性格は変えられない。現在は決して会わない、会話もしないことにしています。親戚なので実家の母からは聞き出してしまうのも困ったことです。私や私の家族に関する情報がどうしても漏れてしまうのはイタいです。今度やったら民事裁判すると決めています。そのぐらいしないとわかってもらえないから。

 こんなZは一応社会人としてはまともに見えます。教諭の資格があって実際にその職にあって「先生」 と呼ばれている。芸術に造詣が深くその方面での知己も多い。しかし実態はこんなものです。己のしたいことをするためには手段を択ばぬ人間がいるってことです。しかも私の感情や迷惑はまったく考えていない。

 Zをはじめ、私に関しては一貫して教職者なのに変なのばかり纏わりついている。そういうことも積み重なり、幼いころから人間の表裏を教えてくれた教職の人が苦手です。私の子供に関しては良い先生ばかりが当たって幸運だったと思えるぐらいです。



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