表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/100

第二十七話・子あり子なしの溝、極端編 ●

 子供を持つ人と、理由如何を問わず子供のない人との溝は、私は「ある」 と断言できます。今回はその話。読者様によっては、くだらない話題かもしれないので、そう感じたらすぐに別のページにワープしてください。



 私は、四捨五入して約四十才で結婚したので、独身時代が非常に長かった。私が過去職場の人に言われた言葉は以下のとおりです。

「まだいるの?」

「もう立派なお局さんだね」

「若い子いじめてはだめだよ」 

 それをいうのは、男性限定です……もうね、こういう時はムキになってはいけません。心の中で溜息をつきながらも笑顔で「はい、ずっとこの職場にいます」「私はいじめたりはしませんよ」 と返事します。それが一番賢いやり過ごし方だと思います。無難に……声をかける方も悪気はないのですから、双方とも「よいお天気だね」 という代わりに話をするのです。仮に私が逆の立場で「まだ主任もしくは係長ですか」「新卒採用者をいじめてはだめよ」 といったら怒るでしょうに、私が女性だからそういうのだろうな、と心中モヤつくものがありますが、笑顔でやりすごすしかないですね。

 しかし友情は違います。

 特に女性の場合の友情は結婚と同時に変質します。これも断言できます。早くに結婚、出産を経た人は話があわなくなります。当時、独身貴族の私は旅行の話がしたい。だけど赤ちゃんの様子や子育て、嫁姑問題の話がしたい人とは徐々に疎遠になります。双方とも一緒にいておもしろい相手でなくなっていきますね。残念ですが。

 そして子供が欲しいができなかった人もいますが、子供のある人を妬む場合があります。私はそれに遭遇しました。なんというか……相手がやり過ごせる相手ではなかったので、今回はその話をします。

 長年つきあってきた相手ですので、その思考の推移が俯瞰できますので。


 私は習慣性流産も経験していました。その時は親切でしたが子供ができてから、それ以降の関係がよりダメになりました。私はそれまで格下に見られていたと思いますが、産後言われたセリフが以下のとおりです。箇条書きにしました。


◎大筋◎ 

 子供ができないというのは、すべてにおいて損である。出産の喜び、おめでとうの言葉、いろいろな子供にまつわる行事を経験できないというのは、損。それに加えて人間として格下のお前(私のこと)が出産して子育てするのは矛盾している。


 ↓ ↓ ↓

 これは考え方次第だと思うのですが、彼女の思考と行動が日ごろから損得に基づいていますので、「ああ、なるほどそういう考え方もアリなのか」 と思いました。実際に言われたセリフをここに記しますので読んでみてください。私は返事せず、黙って聞いていました。頷きをしても反論をしても逆上する人ですので、こういう時こそ黙っているのが一番賢いと思います。そして頃合いを見てそっと姿を消します。


① 出産祝い金、入学祝七五三などのお祝いがあちこちからもらえていいな。

② 五月人形やお雛様も、実物がもらえるからいいな。

③ かわいい洋服を選べるし、成長も楽しめる。いいな。

④ 老後は安泰じゃないか、いいな。


 ①②③同じではないかと感じる人は多いと思いますが、彼女の頭の中では独立した大きな一項となっています。一般常識人と見られてはいますが、私に見せる素の発言がコレです。本音がコレだが相手を選んで言っています。こういう人間が私の身近に存在しています。そのうち、子供が大きくなるにつれて④はエンドレスでいう。そのあとに私は子供がいないから誰も面倒みてくれないというセリフが続く。


 彼女の頭の中には、子供が急に熱をだしたり、むずかったり、時には長じて反抗期になって「クソババア」 と言われるなどという親としての気苦労などはまったくないようです。

 参観日の時間のやりくりやPTAトラブルやその他の面倒ごとはその存在すら知らず、子供がいるだけで人生バラ色のはずだと考えているのです。そして子供がいない己はいかにかわいそうで、人生が暗いと思っています……こういう人を私は説得しようとは思いません。

 普段からとかく何をいっても悪く取る。揚げ足取りもする、マウンティングが趣味なのですか、といいたくなる人間にまともに向き合おうとは思いません。するだけ時間の無駄だと思っています。


 彼女は妊活というか、人工授精もまだ行政の補助も受けられない時期に何度もやり、当時は一回五十万円以上しましたが、そのお金はすべて実家の親が出しました。子供ができないのは親の責任でもあるから、親が出すのが当然という感覚です。外部の人間には大変優しく親切な女性で通っていますが実態はそんなものです。だから私は第一印象やうわさでその人の性格を信用しないことにしています。


 そういう彼女がもし子供を持ったら、老後は面倒をみてもらって当たり前だと強要するだろうなと思います。私は己の老後のために子供を産んだのではないし、アテにはしないです。子供の人生は子供のものです。私は親に対して理想の子供像を演じていたところがあるので、なおさらです。

 私は子供の思春期を迎えて本当に面倒なことがいろいろありました。子供が成績が下がったときは将来のことを考えて叱りましたが「余計なお世話だ」 と反抗されて黙りました。

 私は勉強をすればするほど、将来の可能性が広がると考えている人間ですが、それを強要すると可愛がりつつも理想の子供というものを演じろという無言の強制をする私の親と一緒になると思ったからです。

 私の子供は成績が下がりました。しかし本人は平気です。私はさてそういう子供がどういう人生を送るかを楽しみにしています。ただし成人後は衣食住の援助はしないよ、ニート飼う金銭的な余裕はないよと言ってはいます。

 で、その例の彼女は成績の悪い子供に関して「これも親のせい、育て方が悪い」 と言っていたそうです。彼女は子供を産んだからには成績は上位で当たり前だと思っているようです。私はそういう思考ならばそう言うだろうなと思うだけです。

 子育ては損得だけではないことを言いたいのですが、子供がいるだけ得、子供がいない私は損、としか考えない人間には何を言っても無駄でしょう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ