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便利屋集団 ビヨンダーズ  作者: Haitani
第一章 横浜編
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第一話 つまらない日常

 1993年の冷夏は日本中から実りを奪い、「平成の米騒動」と呼ばれる未曾有の凶作の中、人々は口に合わない輸入米で飢えをしのぎながら、募る不満と先の見えない不安を胸に、それでも懸命に日々を生き抜いていた。

 この神奈川の町外れの洋館の住人達も例外ではなく、いつも営んでいる便利屋業とは別に多種多様なアルバイトをして日銭を稼いでいる。

「こう…なんつうんだろうなぁ。物心ついてからずっと霞を食うみたいに変な仕事で生活してると、社会でオレっち達はつまはじきされてんだなってつくづく思い知っちまうな。」

瓜生が小汚い作業机の上に両足を行儀悪くし、ため息をついてボヤく。

「アタマ悪いノータリンが『霞を食う』なんて言葉覚えたんだ。国語辞典読む暇あったら、この部屋だけでも掃除してよ。」

スーパーのアルバイトから帰ってきた輪島が彼に対し、疲れから来るイライラを解消する為に彼を馬鹿にする。不満そうな顔を浮かべる瓜生の顔を見た輪島のストレスは解消どころか更に増幅し、彼女の表情は鬼神の如き恐ろしいオーラを纏った憤怒の色に豹変した。

「うぉ、どした?」

瓜生は彼女が自分に怒っている様子を思わず二度見して目をパチクリ動かす。

「はぁ〜〜〜〜〜 家事どころか気遣いもできない馬鹿だから、社会に適応している風に振る舞う演技がエージェント時代からずっと下手なんじゃないの!」

輪島が日々溜めていた鬱憤が噴火し、思わず大声で怒鳴った。

「んだとぉ!悩んでいる同僚相手にそこまで嫌味な事言う必要あんのかよ!」

それに反応し、瓜生もまた苛立ちを隠さずに言った。

「そうやって快楽100パーで動くエテ公だから、自分の身の回りの環境の整備に回す頭がないのかな?」

「演技力が良いってエージェント時代に上の人達から褒められる程度には達者だった口を持っているのに、プライベートになると途端にスラム流の話し方しか出来ないのは何なんだよ!」

「アナタ程度の存在に演技なんて必要ないからよ、本音で話しているだけで手玉にとれるもの!」

互いが互いに槍の様に鋭くて強い視線を送り合い、プレッシャーをぶつける。

攻撃の姿勢を取ったその時、ドアが勢いよく開いて2枚の100円玉が両者の額に勢いよくぶつかる。中々の威力だったらしく、2人はすぐに倒れ込んだ。しかも額にはくっきりと赤い円状の跡がついていた上にプスプスと小さい煙が出ていた。

「ビヨンダーズ同士の喧嘩はご法度って事忘れないでよ。」

そのコインを投げた主である財津は気絶してしまった2人に届かぬ注意をした。

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