第3話 はじめての冒険者としての仕事
本話もお読みいただきありがとうございます。お楽しみいただけるよう書いていきたいと思います。
今朝の朝食はパンとスープ、そしてジャムとハムエッグであった。これもなかなか美味しかった。
俺は早速、昨日買った剣と鎖帷子とリザードのローブを身に付け、冒険者ギルドへ向かった。当然籠手も革手袋も付けている。冒険者ギルドへ入って、俺はまずは掲示板の前になら並んだ。よく見ると、薬草採取は常時依頼となっているので、受付に並んで聞いてみた。
「おはようございます。本日はどのようなご用件でしょうか」
「おはようございます。先ほど掲示板を見たのですが、薬草採取は常時依頼となっていますが、あれは受付を通す必要があるのでしょうか?… それとも勝手に採取してきて持ってくれば良いのでしょうか?」
「はい、勝手に採取してきていただいて大丈夫です」
「なるほど、では偶然モンスターに出会って討伐してしまった場合も、問題なく換金してもらえるのでしょうか?」
「大丈夫ですよ。たまに近くでも強いモンスターが時々出ますので、お気をつけください」
「ありがとう、では行ってきます」
「いってらっしゃいませ」
俺は冒険者ギルドを出て北門に向かった。話によると、北門を出たところの森が1番大きく薬草などもたくさん生えている。さらに、森の端の部分は強いモンスターがまず出てこないとの事だったので、北の森に行くことにした。
しかし、北の森は1時間30分ぐらい歩かないといけないらしい。少し憂鬱だ。
俺としてはもう38歳だったので、体力的に神様が若返らせてくれたとは言っても少し不安があった。HP、MP等も高くしてもらったのだが不安だ。
しばらく街を歩くと北門に着いた。北門で冒険者ギルドカードを見せ無事に北門を出ることができた。日本と違ってタクシーなどもない。北の森に行くための乗り合い馬車もない。仕方なく歩く。
すべての冒険者が歩いているわけではなく、お金のある人たちは自分たちで馬車を持っていたり、ある程度ランクの上がった冒険者は、身体強化を使って自分たちで走っていく。しかも体力があるのであっという間に着くらしい。
俺も早くランクを上げて体力をつけ、身体強化を使えるようにしなくては。神様から全属性の魔法をもらったが、まだ身体強化を使えるほど魔法の熟練度がない。だから、仕方なく歩いて行く。ミスリルの剣がいくら軽くても、やはり籠手と鎖帷子とマントを着ているので、少し重量がある。
途中で休み休み歩いてきたので、2時間位かかってしまった。しかしはじめてのクエストなので、あまり休んでいるわけにはいかない。せっかく来たんだから少しでも多く薬草をとっていかないと。俺はかろうじて使える範囲探索を使って薬草を探した。
どうやら皆が既に採取しているようで、街道近くにはないので少し奥へ行ってみよう。500メートルほど奥へ入り、もう一度範囲探索を使って調査した。すると、薬草の群生地を見つけた。北東方向へ200メートル位行ったところにある。よしすぐに行かなくちゃ。
俺は見つけた場所で薬草を採取し始めた。よしよし、たくさんあるぞ。これは大体同じ長さで、土から1センチ位のところから切り離すということだったな。俺はストレージを持っているので、どんどん中に詰め込んでいった。本当は防具などもストレージに入れておきたいのだが、モンスターから不意に襲われた時に、怖いので身に付けているのだ。
◇◆◇◆◇◆
しばらく薬草を採取していると、ガサガサと音がした。少し緊張する。
なんだ、何かモンスターでも現れたのか?俺は剣を抜き構えた。すると後からピーと言ってスライムが飛びかかってきた。
うわっ!…このやろう!……ビックリさせやがって‼️
心臓が飛び跳ねた。バクバク言っている!……
息も荒い。ハーッ ハーッ ハーッ ……ジリジリと焼ける様な感覚!全身に一気に緊張感が走った。
はじめてのモンスターなので、俺は肩で息をし、激しく胸と肩が上下している。剣を抜いた手が震えている。何とかスライムと対峙することが出来ているが、次の動きが読めない。頭が真っ白になり何をして良いのか分からない…
緊張のため、手汗をかいている。革手袋をしているのに、手袋にまで汗が染み込んでいる。剣が滑らないか心配だ。スライムが飛びかかってきた。俺は剣でそいつを叩き落とした。切るつもりがうまく切れず、剣の腹で叩き落としてしまったのである。すかさずスライムがまた飛びかかってきた。
くそっ!また失敗した。俺はしっかり剣を切れる方向で握り直した。これでまた腹で叩くなどと言う失敗をしないで済む。少し冷静になってきたぞ。すると、またスライムが飛びかかってきた。今度は対峙しているスライムではなく、後からもう1匹飛びかかってきた。
やばい!…もう1匹いたのか‼️どうやら後のやつも攻撃してきたが、またローブが防いでくれたようだ。俺は思いっきり前のスライムに切り付けた。すると、スライムの一部を切ることができた。スライムが動かなくなったので、感発入れずに振り向き俺は後ろのスライムを攻撃することにした。
後ろのスライムがまた飛びかかってきたが、俺は上段に構えてから思いっきり剣を振り下ろした。すると、見事にスライムが真っ二つになった。そして水みたいになり地面に吸収されていった。
よし!…やったぞ‼️俺は再び前のスライムに向き直った。少しずつ切れたところが盛り上がってきている。今のうちにこいつも真っ二つにしてしまおう。
俺はやはり上段に構えスライムを真ん中から切った。するとこいつも水になって消えていった。後には2つの魔石が残っていた。俺はそれを拾い上げストレージに入れた。
うわー!…はじめてのモンスター。しかもスライム。こんな雑魚と言われるもので、こんなに疲れるなんて……
一体何分戦っていたんだろう。時計がないからわからないが、俺の中では1時間位戦っていたような気がする。本当はもっと短いんだろうけど。
俺はストレージから水筒を取り出し、水を飲んだ。ものすごく汗をかき緊張もしたので、すごく喉が渇いている。口内がカラカラだ。俺は口から溢れんばかりに水を飲みまくった。
やっと一息付き、暫く休んだ後また薬草採取に戻った。
そろそろ薬草も十分に採取し終わったので、ストレージからパンとミルクを取り出し昼飯にした。この間襲われる事はなかった。飯ぐらい安心して食べたい。何もなくてよかった。
さて、午後の薬草採取を始めるか。俺はまた範囲探索を使い薬草群生地を見つけ移動した。そしてまた薬草採取を始めた。しばらくするとまた、ガサッ!と音がする。またスライムかと思って緊張すると今度はホーンラビットだ。
スライムより早く突進して、角で突き刺してくる。
やばい やばい やばい‼️…今度は鎖帷子がホーンラビットの角からのダメージを防いでくれた。鎖帷子さんありがとうございます。俺は鎖帷子に感謝した。しかし若者たちはよく戦っていると思う。怖くないのだろうか?
俺はもう怖いものをよく知り尽くした、中身は中年のおっさんだ。怖いものは怖いのだ。俺はすかさず剣を抜き構えた。さっきスライムと戦ったことにより少し心に余裕が出来ていた。
しかし、やはりホーンラビットと言う初めてのモンスターである。戦い方がよくわからない。しかしどうやら直進し、跳ねて角で相手を倒すという、そういう行動しか出来ないみたいだ。
なんとなく戦い方がわかったので、俺は次に突っ込んできたときには、右に飛んで横からホーンラビットの胴体に向けて剣を振り下ろした。うまく剣が当たりホーンラビットが絶命した。これも丸ごとストレージだ。そしてまたまた薬草採取に戻った。
すると、またホーンラビットが出てきた。続けて3匹出てきた。全て直進しかしてこないので横に避けて切り付け、合計先程のと合わせ4匹倒すことができた。まだレベルは上がらない。多分もう2時間ぐらい経っているので、そろそろ帰ることにした。
今日は魔法を使う余裕が無かった。明日またモンスターに出会ったら、魔法を使ってみよう。どんな魔法で倒せば良いか、ギルドで聞いてみよう。
俺はまた街道へ出て王都に向けて歩を進めた。帰りは疲れていたのか行きよりもっと時間がかかった。何とかギリギリ北門から入ることが出来たが、もう疲れているのでギルドには寄らず直接宿に戻った。そして夕飯を取りすぐにベッドへ潜り込んだ。
皆様、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけましたでしょうか?お気づきになった誤字等ございましたらお知らせください。また感想等ございましたらお書きいただければ幸いです。作者の励みになります。本話もお読みいただきありがとうございました。もしよろしければ、下のほうの星をポチっと押していただければより励みになります。お願いいたします。




