第24話 アレンとシスティーナ
前話はお楽しみいただけましたでしょうか?本話もお楽しみいただけるよう書いて参りたいと思います。
今回の功績により、アレンは隣国の一部である、湖に面している所領を全て王より賜った。これによりアレンは、湖すべてと山脈の人が住める範囲全てを手に入れた。
戦争の後、アレンたちは代官達と領地経営に関する打ち合わせと、新しくジャクソン王国から組み入れた自分の領地となる代官達と、既存の代官達との顔合わせをさせ、一度領都に戻った。
その後、領都の新領主邸の建設途中であるが、全てを代官たちに任せ王都へと戻った。
王都へ戻ると、すぐにシスティーナが王都の現在の屋敷に尋ねて来た。
「お戻りを心よりお待ちしておりました。アレン様」
システィーナは、そう言って、アレンに抱きついて来た。アレンもシスティーナを優しく抱擁し返した。
リリーがほっぺたを、ぶっくらと膨らませている。どうやらやきもちを焼いているようだ。そんなリリーをシスティーナ付きの執事、セバスが部屋からやんわりと連れ出した。
セバス、グッジョブ!
「アレン様、アレン様が戦争に入ったと言う時、やはりいくら強くても私は心配でございました。大丈夫だとわかっていても、やはり女は心配するものです」
「システィーナ、心配をかけてごめんね。でもありがとう」
アレンは、さらにシスティーナを優しく力強く抱きしめた。そんな時間はしばらく続いたが…
コンコンコン、ドアのノックの音が響いた。2人にとってはこの音が、死刑執行人が迎えに来る足音のように響いた。
「失礼いたします。入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
この時、アレンとシスティーナは抱擁を解き並んでいた。
「どうしたセバス?」
「申し訳ございません。お二人が久しぶりにお会いになったと言うのに、無粋な行動をとってしまい、失礼いたしました」
「どうしたのかしらセバス?何かあるなら早く言いなさい」
「はい、申し上げます。城より使いの者が参り、王がアレン殿に城に登城せよとの事です」
「わかった。すぐに支度をして城に参る」
俺は、システィーナとリリーを伴って王城に向かった。
王城に着いた俺たちは、すぐにいつもの応接室に通された。暫くそこで待っていると王様がやってきた。
「やぁアレンそしてリリー、久しぶりだな」
王が挨拶をした。
「アレンたちが帰ってきたとわかったら、すぐにシスティーナは城を飛び出し、お主の下へ行ってしまったので呼び戻したのだ……お主たちの結婚について話し合いをしないといけないと言うのに……この娘は……」
王様は笑っている。
システィーナは頬を赤く染め俯いている。
「お父様……そんなことをおっしゃっても…」
システィーナは、消え入る様な声で呟いた。
「ところで、アレン、今回の成果は大したものであった。リリーもそうだぞ。たった2人で1つの国を落としてしまったのだからな」
「恐れ入ります。陛下」
「ありがとうございます。陛下」
アレンとリリーはそう答えた。
「現在建設中であるお前たちの屋敷だが、あと半年位で完成する予定だ。よって屋敷が完成したときに、結婚式を取り行うことにすると言うことでどうだ?」
「システィーナはどうだい?」
「はい、私もアレン様と同様新しい屋敷が完成した時で良いと思います。本当はもっと早く致したいのですが…」
「その時、リリーも一緒に結婚式をする。お兄ちゃんのお嫁さんになる」
「いや、リリーはまだ早いよ」
アレンは言った。
「良いではないかアレン。どうせ娶るのだ早い遅いもない。その時、一緒に式を挙げてしまえば良いではないか」
「王様、リリーはまだ早いかと」
「私は良いと思うのだからなぁ」
「リリー。リリーは花嫁さんとして1人でお兄ちゃんの横に立ちたいだろ?だからリリーはもう少しお姉さんになってから、お兄ちゃんと結婚式をあげようどうだい?」
「……」
どうやらリリーは考え込んでいる。自分のお嫁さん姿を想像し、兄を一人占めしているところを、想像しているのかもしれない。暫く経つとリリーが答えた。
「わかった。リリーはもう少し大きくなるまで待つね。そのかわり、その時は、お兄ちゃんとリリーだけの結婚式だからね」
「わかったよ。リリー」
こうやって俺とシスティーナの結婚式及び、将来のリリーとの結婚式が決まったのであった。
◇◆◇◆◇◆
それから、半年後、俺たちの王都での屋敷と領地の屋敷の両方が完成した。まずは王都での式である。これは数多くの領主たちを招待しないといけない。これがなかなか大変な作業である。
俺が転移すれば早いのだが、ほとんどは行ったことのない場所だけなので、早まで届けないといけない。そして出欠の返事が来るまで、やはり時間がかかる。
だからといって、自分の領地を先に済ませるわけにもいかない。当然、俺は王国の家臣である。
だから最優先は王国での挙式なのである。その後やっと領地でお披露目ができる。
そのような作業が全て終わり、本日やっとシスティーナとの挙式に漕ぎ付けることが出来た。これは最初に王城で行う。
その後自分たちの屋敷で、パーティー形式で、屋敷のお披露目を兼ねて披露宴を行うのである。
「今日、この早ある日に我が娘システィーナと公爵である。アレンとの正式な婚姻の義を取り行う事となった。では、司祭殿、頼む」
「はい、王よ、後は私にお任せを」
「新郎アレン、新婦システィーナ、2人は本日神の前で夫婦の誓いを行うことになりました。2人とも永遠の愛を神に誓いますか?」
「はい、誓います」
「はい、私も誓います」
「神の前にて誓いを捧げたことにより、本日2人を神が祝福し、夫婦となったことをここに証明いたします」
司祭がそう述べ、式は終了した。その後、場所を移動し、アレンたちが住む新しい屋敷の方へ移動した。ここの大広間には既に多くの料理と酒類、ジュース類が用意されている。
「皆様、本日は私アレンとシスティーナの結婚式及び結婚疲労パーティーにお越し下さり、誠にありがとうございます。ほんの細やかな料理等でございますが、皆様、本日はお楽しみ頂きたいと思います」
「それでは我が娘システィーナと新しく息子となったアレンとの結婚披露パーティーを祝し、乾杯の温度とする。乾杯!」
「乾杯!
全員が一斉に乾杯を行いグラスを合わせる音が響き渡った。この後アレンとシスティーナの下に多くの領主たちが、お祝いの言葉を述べにやって来ては、たわいもない雑談を交わし離れて行った。
全員と顔を合わせ、話をしたのは初めてであった。大勢の顔と名前そして治めている領地を知ることができた。
先の戦争で一領主となった、元ジャクソン王国の元王様である、マイクル侯爵もお祝いに来ていた。
「アレン公爵閣下、システィーナ王女殿下ご結婚おめでとうございます。私、マイクルもお祝いに駆けつけることができ、とても幸せでございます。今後のお二人の幸せをお祈りさせていただきたいと思います」
「マイクル殿、本日は遠いところより来ていただいて、本当にありがとう。私としては顔は知っているが、話したこともない。この国の領主たちよりもあなたの方が親しみがあるんですよ。今日は本当にありがとう」
「私は初対面ですが、マイクル侯爵、本日は本当にお祝いに駆けつけてくださりありがとうございます。これからも領地はお隣になりますので、ぜひともよろしくお願いいたします」
「はい、ありがとうございます。お二人ともお幸せに。本日はありがとうございました」
俺とシスティーナは、マイクル侯爵とたわいもない。話をして、マイクル侯爵は俺たちの席を辞して行った。
その後、元マイクル王も、シズアイ王国の領主たちと積極的に話をしていた。新しい国に積極的に飛び込んでいこうと言う姿勢は素晴らしいと思う。
「ねぇねぇ、お兄ちゃん……お……」
「どうしたんだいリリー?」
リリーがもじもじしている。どうしたのだろうか?
「あのね。…お姉ちゃん…ってシスティーナ姫のことを呼んでいいのかな?」
「今日からは、お姉ちゃんと呼んであげないとね」
「やった〜!…リリーにもお姉ちゃんができた〜」
「システィーナ、お姉ちゃん」
「なんですか?私の可愛い妹、リリー」
2人はやっと姉妹になれたのであった。
◇◆◇◆◇◆
あれから3年。
今日はアレンとリリーの結婚式である。
「あなた、アフレッドとローズマリーは、まだ小さいからに乳母に預けているわ。でもすぐに戻らないといけないから、リリーとの式には参加するけど。披露宴は無理そうね」
「大丈夫リリーもわかってくれるさ。後で、リリーのところに行こう、今は衣装部屋で着替えをしているからね」
「リリーの花嫁姿楽しみだわ。とっても綺麗ですもんね。リリーは」
コンコンコン、その時ドアをノックする音が聞こえた。
「入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
セバスが入ってきた。
「リリー様のお支度ができました。一度衣装部屋までお越し下さいとのことです」
「セバス知らせてくれてありがとう。後は俺とシスティーナで衣装部屋に向かうから、セバスは自分の仕事に戻ってくれていいよ」
「承知いたしました。では失礼いたします」
俺とシスティーナはリリーの衣装部屋まで向かった。そしてドアを開けた。そこには花嫁衣装に身を包んだリリーがいた。
「やぁ、リリー!……今日はいつもよりとても綺麗だよ」
「リリー、とっても綺麗だわ!お姉ちゃん嬉しい。今日からリリーはアレンのお嫁さんだから、もうお姉ちゃんでは無くなるのね。同じお嫁さん同士と言う立場になっても、今まで通り仲良くしていきましょうね」
「2人ともありがとう。リリーも昔より大きくなってお嫁さんらしくなったでしょ。お兄ちゃん。そしてシスティーナお姉ちゃん。これからはお姉ちゃんが言ったよりお嫁さん同士と言う立場だけど、仲良くしていきましょうね」
「今日は2人の子供たちにこの姿を見せてあげられないけど、お姉ちゃんたちの結婚式の時のように絵師に、リリーも絵を描いてもらうから、今の姿をアルフレッドとローズマリーに、そしてこれから生まれてくる私の子供たちにも見せてあげる事が出来る」
「そうだね、リリー。今までは兄妹だったけど、これからは奥さんとしてよろしくね。必ず幸せにするからね」
「お兄ちゃん。リリーは既に幸せだよ」
拙い文章でありましたが、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。作者としてとても感謝しております。これからも小説を書き続けていきたいと思いますので、どうか応援して戴けるととても嬉しく思います。今後ともよろしくお願いいたします。




