第23話 戦争と領土拡大
前話はお楽しみ頂けましたでしょうか? 、本話もお楽しみ頂けるように書きたいと思いますので、是非お楽しみ下さい。
アレンは釘を刺した。しかし、相手の総司令官である将軍は先程の作戦を決行するつもりでいた。アレンが全軍を降ろした瞬間、将軍が叫んだ。
「全軍、進撃!」
しかし、誰も進撃するものはいなかった。なぜなら空中にいるから軍全体に、将軍の考え方である伝令が伝わらなかったのだ。当然の結末である。
「なぜ、誰も突撃しないのだ!」
将軍は怒り心頭である!
「将軍、当然でございます。将軍の司令が誰もにも伝わっていないのですから」
参謀の方が冷静であった。
将軍は頭に血が昇っていて、まともな判断が出来なかったのである。現実も空中に昇っていたのだが…
すると、再び総司令官である将軍が激を飛ばした。
「何をしておる、貴様達!今のうちに適を蹂躙するのだ!相手はたった2人だ!何を恐れることがあろう!あれだけの魔法を使ったのだ。既にもう魔力は尽きているはずである。蹂躙せよ!」
そのように総司令官である将軍が激を飛ばしたのが聞こえたので、アレンはわざと進軍させた。そして今度は、アレンとリリーは空中に自分たちが浮かんで見せた。
「弓を放て!」
隊長たちが指示を出した。しかし弓は当たるが一切合切跳ね返されてしまう。敵軍の兵士や体調たちはパニックになった。
まるでアレンとリリーには歯が立たないのである。幾ら撃っても、幾ら撃っても全く矢は刺さらないのである。
次第に皆、矢を撃ち出さなくなった。そこへリリーとアレンは地上に降りた。皆、蜘蛛の子を散らす様にリリーとアレンを避けていった。
「総司令官はいるか?」
だが答えない。
アレンはもう一度、総司令官を呼んだ。
やっと、総司令官が、アレンの前に現れた。ぞろぞろと参謀共を引き連れてである。
「やっと現れたか。貴殿が総司令官で間違いないか?」
「あぁそうだ。お前がアレンか?そしてそのちびすけがリリーか?」
「敗軍の将がずいぶんと偉そうだな!お前たちはまだ負けたことを認めていないと言うことか?」
将軍がいきなり斬り掛かってきた。
「セイヤーッ!」
しかし、アレンは動かない。
「!…なぜこの私の剣が?弾かれるのだ!」
「まだ力の差がわからないのか」
「黙れえ〜〜〜小僧〜〜〜〜!」
またもや将軍が何度も、何度も、斬りつけて来たがアレンはびくともしない。将軍は仕方ないので、リリーの方へ向きを変え斬り掛かった。しかしやはり弾かれてしまった。
「一体どうなっているのだ!この私の剣技が通じないとは!」
何度も、何度も将軍は斬り付けてきたが、一向に傷一つ付ける事が出来ない。だんだん将軍は疲れてきた。
将軍は、ポロリと手から剣を落とし、両手を上げ降参をした。俺は将軍に言葉をかけた。
「では、将軍、そちらの王都まで案内してもらおうか?」
「!……そっ…それは…」
「案内できないと申すか?」
「将軍、もう諦めましょう。このアレン殿とリリー殿には誰も敵いません。王都まで案内するのが最適かと思われます」
「しかし……」
「将軍!」
「…わかった…案内しよう。誰か早馬を出せ」
そして、先触れとなる早馬が出立したのであった。
その頃、もう戦争が片付いて相手が降参したと言うことを知らない代官たちは、兵を集めアレンとリリーの後を追っていた。しかし追いついたが返されてしまった。たった3人の兵士を残して。
アレンとリリーは3人の兵士を伴い、敵の軍の1番後ろについて騎馬に乗っていた。当然アレンとリリーは、3人の兵士たちと騎馬にも、絶対破れない結界魔法を張っていた。
途中2泊し、やっと敵国の王都に到着した。王城では先触れがあったにもかかわらず、戦闘体制をとっている。
「お前たち、先触れを出したはずだぞ。一体どうなっているのだ?」
「将軍、あなた方は本当に敗北したのですか?」
「残念ながらそうだ!だから先触れを出したのだ。信じられないのも仕方がないと思う。百戦錬磨の無敗を誇る儂が負けたと言うのだからな。だが本当に負けたのだ。全く歯が立たなかった。そのようにすぐに王に伝えよ!」
門のところに出ていた騎士たちは、慌てて王様のところに戻っていった。
「王よ!申し上げます。先触れの通り将軍は帰還され、敗北したことをお認めになりました」
「誠にそうであったか!将軍をすぐに此へ!」
「承知いたしました」
騎士はすぐに王様の前を辞去し、もう一度将軍のところへ舞い戻った。
「将軍、王がお呼びです。至急謁見の間にお越しください」
騎士は将軍を伴い謁見の間に到着した。当然、後ろにアレンとリリーはまだいない。
その頃、アレンとリリーは、参謀達に案内され来客用応接室に来ていた。そこで紅茶を飲みお菓子を食べていた。
「お兄ちゃん、この国のお菓子もおいしいね」
「そうだね。少し味が違うけど、おいしいね」
その頃、謁見の間では、王様が将軍から話を聞いていた。
「将軍よ、本当にお前は敗北したのか?」
「我々、100,000人が、全く歯が立ちませんでした。…たった…2人に…です…」
「それは誠なのか?!…」
「はい、相手のアレン殿とリリー殿は我々が計り知れぬ程の魔法を使います。そして魔力も底が知れません」
「しかも私の剣技が全く通用しませんでした。百戦錬磨の無敗を誇るこの私の剣が、総て跳ね除けられてしまいました…」
「そうであったか。どのようにして負けたのだ?説明せよ」
「はいでは、ご説明をいたします」
そして、将軍は全軍が空中に浮かされた事、降ろされた後に今度は彼らが空中に浮き上がり矢を射かけたが、すべて跳ね除けられた事。最後に自分の剣技が全く通じなかったことを話した。
「……………」
王は押し黙ってしまった。
「その者たちは今、この城に居るのか?」
「誰か、その者たちをここに連れて参れ」
コンコンコン。ドアがノックされた。そして騎士が中に入ってきた。
「アレン様、リリー様、我が国の王がお呼びです。謁見室までご案内いたします」
アレンとリリーは、兵士に案内されるままについて行き、謁見室に入った。
「その方たちが、アレン殿とリリー殿か?」
「いかにも、私がアレン、そしてここにいる娘がリリーだ」
アレンは勝者なのでそれなりに振る舞った。
「そうであるか。ところでアレン殿、詳しい話があるので、もう一度応接室に戻って欲しい、どうであろうか?」
「承知した」
王は将軍とアレンとリリーを伴い、先程の来客用応接室へ案内した。
「大変申し訳なかった。アレン殿、リリー殿。謁見室では細かい話ができないので、こちらへご足労願った」
「心得ている。王の心境はわかるつもりでいる」
将軍は黙って座っている。
「では、アレン殿、私に少し魔法をお見せいただけないだろうか?」
「良いが、どのような魔法がお望みか?」
「では、将軍の剣技を全て跳ね除けた結界魔法を纏って欲しい。そして私に剣で攻撃をさせていただけないだろうか?」
「宜しいですよ。既に結界魔法は掛けてあるのでいつでもどうぞ」
「では、失礼する」
王様は近衛騎士から剣を受け取り、アレンめがけて何度も、何度も斬り掛かった。しかし、その度に王様の剣は弾かれてしまった。
疲れてきた上、剣が悉く弾かれてしまった王様は、剣を近衛騎士に渡し席に戻った。
「アレン殿、将軍が言った事、我も身をもって実感した。アレン殿はこの国をどうされるつもりか?」
「わが国の領土となってもらう。当然、王は本来なら斬首刑となるところだが、自ら国を差し出すということであれば私が取り成そう。そして、侯爵待遇として残すことを約束する。いかがかなするマイクル王よ!」
「アレンはマイクル王に迫った」
「……わかった。アレン殿にシズアイ国のマルゲリータ王にお取りなしを、お願いしたい」
「承知した。では早速我が国に連れて行こう。私に掴まりなさい」
「一体どういう事か?」
「これから転移を行う。将軍もそちらの宰相も同行するのだろう?」
3人がアレンの袖に捕まり、アレンはあっという間に自国へ、リリーとともに、王城へと転移した。ジャクソン王国の3人は何が起きたかわからず、目を白黒させている。
「アレン、リリー、突然現れたので驚いたぞ!そちらの3人はもしかすると、ジャクソン王国のマイクル王とその配下の者か?」
「突然現れて申し訳ございません。陛下。陛下のおっしゃる通り、この者たちはジャクソン王国のマイクル王と、宰相及び戦争の最高司令官である将軍であります」
「そうか。アレンが3人を伴って来たと言う事は、戦争は我が国の勝利だったと言うことだな」
「はい陛下、おっしゃる通りでございます。我が国の勝利であり、ジャクソン王国はすべての領地を差し出し、元王のマイクル王は侯爵となることを受け入れてございます」
「勝手に私が話を進めてしまい、出過ぎた真似をしてしまいました事を深くお詫びいたします」
「よくやった!アレン、リリー、我は其方達を誇らしく思う」
「お褒めに預かり光栄でございます」
この後、ジャクソン王国をシズアイ王国に接収する調印式が執り行われた。これで正式にジャクソン王国は幕を閉じた。
今回の功績により、アレンは隣国の1部である。湖に接している所領を全て王より賜った。
本話はいかがでしたでしょうかお楽しみいただけましたでしょうか?次話もお楽しみいただけるように書きたいと思います。尚、感想等お寄せいただけると大変作者の励みになります。また誤字等のご報告もいただけると助かります。この作品が気に入っていただけましたらブックマークも、よろしくお願い申し上げます。お読みいただき感謝いたします。




