第17話 領地へ行く(3)
前話はお楽しみ頂けましたでしょうか? 、本話もお楽しみ頂けるように書きたいと思いますので、是非お楽しみ下さい。
「それからこれを運ぶ人は当然、氷魔法が使える者が適していますよ。そうでないと途中で氷が溶けてしまい、せっかくの串に刺した鶏肉がびしょびしょになってしまいますからね。」
「公爵閣下、このたびは、私、並びに我が領の料理長に、新しい料理法及び運搬の方法までもご伝授下さり、誠にありがたく存じます。また、そのお味を直に賞味する機会まで賜り、重ねて御礼申し上げます。大変慈悲深く学ぶところ多くございました。戴いた教え、今後我が領の食事にも活かして参る所存でございます」
「はい、ありがとうございます。こちらこそ期待していますよ」
皆が深く頭を下げ、俺が厨房から出て行くまで頭を下げ続けてくれた。
フィットー準男爵も腰を直角に折り曲げ深々と頭を下げてくれた。感謝の気持ちが伝わってくる。ありがたい。こうやって少しずつ自分の信者が出来上がっていくのであるが、本人は全くそのことには気づいていない。
「閣下、恐れながら申し上げます。あまりにご丁寧に臣下へお言葉をかけられますと、年長の者どもはかえって気を許し、分を弁えぬ事にもなりかねませぬ。閣下のご寛容とご温情は誰もが仰ぎ見るところにございますが、時にそれが御威を損なうことにもなります。どうか、ご自身の臣下、そして他家の配下に対しては、しかるべき威を持ってお臨み下さいませ」
「わかった。忠告ありがとう。こんな感じでいいかな?」
「もったいないお言葉にございます。すべては閣下の御為を思い、申し上げました迄にございます」ここでも金貨250枚を使った。
フィットー準男爵領を出発した俺達一行は次の領地である、ヤーリス準男爵領に着いた。此処は昨日の領とは違い、主要産業はオーク肉とブル肉だ。やはり思った通り流通があまり発達していないので、王都の近くに領地がないと肉となる動物が、運んでいる間に病んでしまい肉にしたときの味が落ちて良くないみたいだ。
ヤーリス準男爵領は比較的王都に近く4日の距離である。どうやらこの距離が生きて健康なまま、食肉となる動物を運ぶ限界の距離のようだ。王都の肉屋に運ばれてきた食材を解体し、屋台や店舗に提供されているみたいだ。
ヤーリス準男爵にも教えを請われた。どうやらフィットー準男爵領での出来事を全て知っているようだ。せっかくなので、おいしい肉串や焼肉、ステーキなどを食べたいから、まずはいつもの味で食べさせてもらってからにしよう。
ヤーリス準男爵はまずは最初にオークの串焼き、焼肉、ステーキを出してくれた。次にブルの串焼き、焼肉、ステーキを出してくれた。普段食べられている味だ。どれもうまい。ただし、やはり醤油ベースのタレがどうしても合うと思ってしまう俺がいた。
「ヤーリス殿、これは普段王都でも食することができるものだが、貴殿はどのような工夫が欲しいと言われるか?」
「はい、公爵閣下。私は何かもっと違う味付けを希望しております。他に捨てる部分も多く、特に脂身の部分は全て捨てております。もっと脂身をなくす飼育方法などのお考えはございますでしょうか?是非ご教示ください」
なるほど、やっぱり脂身の部分は捨てているのだな。みんなが食べないのかな?ちょっと聞いてみよう。
「ヤーリス殿、ちょっと聞きたいのだが、脂身の部分は皆が食さないと言うことで捨てているのかな?」
「はい、そのように聞いております。もともと脂身の部分は食する習慣がどこの国の文化でもございません」
「なるほど、わかった。では、脂身を削ぎ落とさない豚とブルを同じように、串焼きと焼肉とステーキで出して来なさい」
「脂身のある部分を食するのでございますか?」
「そうだ。まずは食してみなさい」
「承知いたしました。では、料理長に調理させて参ります」
ヤーリス準男爵は料理長の所へ行き料理をさせ皆に運ばせてきた。
「公爵閣下こちらでよろしいでしょうか?」
「よし、では、皆で食してみよう」
誰も食べないので、まずは自分で塩と塩スパイスをふりかけ食べてみた。
すると今までおっかなびっくりだった全員が公爵閣下が食べたということで慌てて食べ始めた。するとどうだろう、全員が目を見開いてその美味しさに驚いている。昔の日本人がお寿司でマグロの大トロなどを食べなかったのと同じことなのだろう。
「公爵閣下、恐れ入りました。こんなに脂身の入った部分が、美味しいとは思ってもおりませんでした。昔から皆が捨てているので、そのようにするのが当たり前だと思い育ってきました。多分、王都の人々いや、全世界の人々が全て同じように育ってきたので、これは革命的な食べ方だと言って良いかと思います。恐れ入りました」
「しかし塩は旨いが、塩スパイスはいまひとつ口の中が脂切ってしまうので、もう少しスパイスを効かせ油が口の中に粘りつく感覚を、さっぱりさせるようなスパイスが欲しいね」
「色々とスパイスを調合し研究してみます。ご期待ください」
「期待しているよ。帰りにまた寄るから、その時までに完成していると嬉しいね」
「公爵閣下のご期待に添えるよう粉骨砕身の覚悟で頑張らせていただきます」
「頼んだよ」
俺はまた帰り道ヤーリス準男爵領に寄る楽しみができた。1泊の後、俺たちはヤーリス準男爵領を後にした。ヤーリス準男爵領を後にした俺たち一行は次の目的地イーンプレッサ男爵領を目指した。それぞれ騎士爵領は1泊ずつ、準男爵領は3泊ずつ泊まった。すべての街で、金貨を100枚ずつ使い。領都では金貨を250枚ずつ使っているのである。
男爵領となれば、それなりに広くなり、1泊では領都に着かない。途中で2泊する必要がある。領都のその先も同じく2泊する必要がある。その後やっと子爵領に入る。男爵領では2泊してやっと領都に着いた。やはりここイーンプレッサ男爵領でも、盛大な歓迎があり夜にはパーティーが催された。
そのパーティーの席で、イーンプレッサ男爵が俺にお願いをしてきた。
「公爵閣下、私の領地ではこれといった特産物がございません。何か良いお智恵はございませんでしょうか?」
「男爵は、どのような事を希望しているのかな?」
「はい、我が領地は主に農業です。そして畜産業は我が領地内でほぼ消費する分ぐらいしか産業としては成り立っておりません。後は、鉄と銅と銀鉱山がございます」
「わかりました。少し考えてみましょう」
「よろしくお願い申し上げます」
イーンプレッサ男爵領でも同じようにその夜パーティーが催された。そのパーティー会場で、俺は男爵に1つのアイディアを伝えた。
「男爵、男爵領では3つの鉱山がある。そこで産出される鉱石と魔石と更にその他の鉱石を全て細かく砕いて混ぜ合わせ、新しい金属を生み出してみたらどうだろうか。新しい金属を生み出すことができれば、今までにない剣や武具が産み出せると思うのだが」
「公爵閣下、素晴らしいアイディアを本当にありがとうございます。配下の者たちとともに、研究に勤しみたいと思います」
「楽しみにしているぞ」
「ハッ!」
こうしてイーンプレッサ男爵との宴会場での話は終わった。翌朝、俺たち一行は次の街に向けて旅立った。あと2つ街を超えるとアーリア子爵領となる。途中の街2カ所で宿泊し、いよいよアーリア子爵領となる。因みにイーンプレッサ男爵の領地でも、同じく金貨を落としていった。
俺たち一行はアーリア子爵領に入った。ここは男爵領より更に広く領都に着くまでに3泊しなければならない。俺は各地にそれぞれ金を落としていった。そしていよいよアーリア領の領都に入った。同じように、ここでも出迎えを受け歓迎のパーティーが夜になって開かれた。
「公爵閣下、ようこそ。我がアーリア領にお寄り下さりありがとうございます。本日はお楽しみいただけましたでしょうか?」
「アーリア子爵このような歓待、労みいる」
「公爵閣下のお言葉、私の誉れにございます。」
「そういえば公爵閣下、今までの噂を聞き及んでおります。私にも庶民たちが、もっと楽に暮らせるようになる良いアイディアは御座いませんでしょうか?もしございましたらお聞かせ下さいますようお願い申し上げます」
早速来たか。そんなに俺もアイデアマンじゃないから苦しくなってきた。まぁ仕方がない。ゆっくり考えてみよう。
「そうか、貴殿の領地は、主に銅と銀の鉱山が主であったな。その他は農業と畜産業で合っているか?」
「はい、左様でございます」
「わかった。今日は少し酔っているので、明日酔いが冷めてから考えよう」
「よろしくお願いいたします」
アレンも少しアイディアが尽きてきたので苦しくなってきた。だから一晩考えることにしたのである。
本話はいかがでしたでしょうかお楽しみいただけましたでしょうか?次話もお楽しみいただけるように書きたいと思います。尚、感想等お寄せいただけると大変作者の励みになります。また誤字等ご報告いただけると助かります。また、難しい言い回しのセリフを今回AIを使ってほぼそのまま載せてみました。




