第10話 パリブルクの森 2日目
前話はお楽しみ頂けましたでしょうか? 、本話もお楽しみ頂けるように書きたいと思いますので、是非お楽しみ下さい。
リリーと俺はまたパリブルクの森へやって来た。今日はリリーにサーチを教える予定だ。
「リリー、今日はね、サーチを教えようと思っているんだ。サーチってわかるよね」
「うん、わかるよ、お兄ちゃん」
「そうだね。俺はいつも薄く広くサーチを発動しているよ。自分を中心に大体5キロ位の円形で発動しているんだよ。そうすると、その中にいるモンスターが赤い点で出てくるんだ。いつもそれを頼りに移動しているよ。お兄ちゃんの場合は小さい点は弱いモンスター、大きい点は強いモンスター、そんな感じで赤い点が出てくるよ。因みに仲間であるリリーは青い点だよ。じゃあリリーもやってみようか」
「わかった。自分を中心に薄く広げるんだね。ただ何を広げるの?」
「ごめん、ごめん。肝心なことを言うのを忘れていたね。魔力を自分を中心として薄く広げるんだよ。」
「わかった。自分を中心に薄く、薄く、広げる、広げる。なんとなくわかるよ。あっ何かいる?これは小さいからスライムかな?…まだいる、ちょっと大きい。これはホーンラビット。大きい。これはフォレストボアかな?お兄ちゃん、合っているかな?」
「そうだね。合っているよ。よく出来ているね。そんな感じで常に目の前に薄くサーチの画面が出るようにしておくんだよ。そうするとお兄ちゃんと一緒に歩いている時も、戦っている時も、モンスターが急に出てきてびっくりする、と言うような事が無くなるからね。常にどんな強さのモンスターが襲ってくるのかがわかるから対処がしやすいでしょ?」
「そうだね。うん、これは戦いやすさが増すかもしれない。今まで1人でこんな事やっていたんだね。やっぱりお兄ちゃんは凄いね!」
「凄いかどうかは別だけど、2人でサーチしていた方がより確実性が増すもんね。片方が気付かなくても、もう片方が気付けばもっと安全だよね」
「うん、勉強になった。ありがとう。お兄ちゃん」
「そうこうしているうちに、スライムとホーンラビットとフォレストボアを見つけたよ。近い順に狩って行こう」
「了解」
リリーは右手を上げて敬礼のポーズを取った。
俺たちは、スライムとホーンラビットとフォレストボアを狩った。そして奥へ進んで行くと、次はビッグボアが出てきた。こいつらもさくっと狩って全部それぞれの時空間収納に入れた。
しばらく歩くと今度はゴブリンとオークだ。オークはすぐ近くにいたので、リリーが魔法で仕留めた。ただしゴブリンが心配だ。リリーは精神的にゴブリンが大丈夫なのだろうか?
親が殺された以降ゴブリンとは遭遇していない。少し心配だ。
「リリー、どうやらゴブリンがいるようだ。リリーはゴブリンを退治できるか?」
「大丈夫だよ。お兄ちゃん、心配してくれてありがとう。でもリリーはさくっと倒すからね」
「それなら安心だ。じゃあリリーがやってごらん。お兄ちゃんは後ろで見ているから、危なくなったらお兄ちゃんが魔法で助けるからね」
「よろしくね!」
リリーの精神的な事を心配していたが、どうやらリリーの前向きな性格が明るく振る舞っているようだ。リリーが普通にゴブリンを退治できるようになったら…
心配してもしょうがない。リリーに任せるしかないな。
「リリーどうやらゴブリンが近づいてきているよ。あと少しでゴブリンと出くわすよ。魔法の準備だ」
「了解。木の影から撃つね」
「よし、がんばれ」
「アイスアロー、ロックアロー、ウィンドカッター」
「よし、ゴブリンを倒せたね」
「やったー!」
もうリリーは大丈夫かもしれないが、ただ無理をしてなければいいんだけど。
「さぁ、次のモンスターがまた来たぞ。今度は数が多いなぁ?こいつはゴブリンより大きい点だ。オークより大きいけど、何かなぁ?リリー気をつけろよ。」
「了解です。隊長」
「お兄ちゃんじゃなく、隊長になっちゃったのかい?」
「その方が面白いから。隊長は嫌?」
「嫌じゃないけどね。じゃあモンスターと戦うときだけ、そういう風に呼んでみる?」
「じゃあ、そうします。隊長」
リリーはそう言って、右手で敬礼のポーズを取った。まぁいいか、遊びも大切だしな。
リリーにかかると、モンスター退治も遊びの1つなのかな?
そうこうしているうちに、先程の赤い点はオーガだと分かった。オーガは強いモンスターだ。
進化すると鬼人となる。更に進化すると鬼神となりワイバーンより強くなる。こいつはまだそんなに大きな点では無いから、普通のオーガだと思う。そろそろ見えてくるぞ。やはり普通のオーガだった。
「リリー、オーガが3匹いる。お兄ちゃんが2匹倒すから、残りはリリーに任せていいかい?」
「うん、任せて。リリーの魔法で倒してみせるから。こいつはオークより強いんだよね?」
「そうだよ、強いよ。だから魔法もアイスアローではなく、アイスジャベリンがいいかもしれないね。またロックジャベリンも効くかもしれないよ。後はサンダーボルトかな。とりあえずいろいろ試してみよう」
「了解です。もう来たから撃ってみるね。アイスジャベリン。ロックジャベリン。サンダーボルト」
「俺も同じく、アイスジャベリンとロックジャベリンと、サンダーボルトを撃ち出し倒したよ。リリーと一緒だね」
「隊長と一緒。2人とも無事に倒せたね。でもそんなに強いオーガなのに、簡単だったね。どうしてだろう?」
「どうやらこの辺にはモンスターが居ないから、じゃあリリーに話してあげるよ。まずはリリーのステータスを見てごらん」
リリーは自分のステータスを見た。そして俺も自分のステータスを開きリリーに見せた。
「リリー、実はねこの世界の人達は、一般の市民の人達、要するに街の人だね。ステータスはHP、 MP等10前後、兵士や騎士、魔法使いは200前後と言われているんだ。今のリリーのステータスはどうだい」
「もっと凄いよ。HPは体力だよね。MPは魔力だよね。そのように色々とあるけど、まずリリーの体力(HP)は950、魔力(MP)は2,100、力(STR)は580、素早さ(DEX) は680、知力(INT)は1,200、精神力(WIS)は850、運(LUK) は1,500となっているよ。そうだよね。これって凄いんだろうね。さっきの一般市民。兵士や騎士、魔法使いの数字と比べるとはるかに大きいもんね。やっぱりリリーは凄いんだね。うれしいなぁ。でも、お兄ちゃんはもっと凄いよね」
「そうだね。お兄ちゃんはリリーよりもっと前から戦っているしね。お兄ちゃんの数値は体力(HP) 3,700、魔力(MP) 17,900、力(STR)は2,800、素早さ(DEX)は3,200、知力(INT)は5,800、精神力(WIS)は3,000、運(LUK)は5,900だね。ちょっと普通の人とは違うよね。お兄ちゃんはこれだけ強くても、…そういえば隊長だったね。(笑)はビビリだし慎重だからね。でも、もうステータス的には、多分エンシェントドラゴンにも引けを取らないかもしれないね」
「やっぱりお兄ちゃんは凄いなぁ。アッ!隊長だった。(笑)隊長がいれば安心だね!」
「リリーにも、もっともっと強くなってもらわないと」
「リリーも隊長に追いつけるように頑張るね」
「よし、ではリリー隊員、お昼ご飯にしよう」
「隊長、了解です」
俺達は周りにモンスターがいない事を確認し、お昼にした。今日のお昼はサンドイッチと紅茶だ。
お昼を食べた俺達は更に奥へ行く。大体森の入り口から現在5キロ位入った所に居る。次の5キロの間はまたもう少し大きいモンスターがいる。一体何だろう?俺達はモンスターを倒す経験のために、パリブルクの森にいる。色々なモンスターを倒し、どんなモンスターが出てきても大丈夫な様にしているのだ。
「リリー、どうやらここは奥へ行けば行くほど強いモンスターが出てくる。ギルドの人が言っていた通りだったね」
「そうだね。隊長。リリーの事はリリー隊員と呼んでくださいね」
「ごめん、ごめん。これからはリリー隊員と呼ぶよ」
俺の返事に対し、リリーは敬礼で答えた。
少し疲れるけど、子供はこんなものなんだろうなぁ。まぁ、俺は実際にはパパ(兄ちゃん?)の精神年齢だから、付き合ってあげないとな。世の中のお父さんは、こうやって子供達と接しているんだろうなぁ。世の中のお父さん頑張れ!お母さんも。そういえば、リリーよりもっと幼い子たちには、おじいちゃんおばあちゃんも付き合わされているんだろうな。おじいちゃんおばあちゃんは歳が行っている分もっと大変なんだろうな。
俺が世の中の父母、祖父母に思いを寄せているときに、もっと強敵が現れた。
「リリーどうやら強敵が現れたようだね」
「そうだね。お兄ちゃん」
リリーも、俺も隊員、隊長と呼ぶのを忘れる位の大きな赤い点の集団だ。これはかなり強敵だと思う。どうやら集落のようだ。何の集落だろうか?…ゴブリンでもオークでもない。俺達はその集落の方に近づいて行き驚いた。この森のそんなに奥まった所では無いのに、オーガの集落があったのである。
「リリー、さっきは簡単にオーガを倒すことができたけど、今度は集団だ。気を引き締めていくよ」
「わかったお兄ちゃん」
「俺が広範囲魔法を撃って行くから、取りこぼしたやつを個別撃破してくれるかい」
「わかった」
「よし、行くぞ!」
俺は、まず、アイスウォール(氷壁)で集落を囲み、アイスストーム(氷嵐)、ウィンドストーム(風嵐)、ファイヤーストーム(炎嵐)、を放った。
「よし、かなり倒せたぞ。リリー俺はこの後、剣と魔法でどんどん奥に行く。だから撃ち漏らしたやつを個別撃破し援護してくれ。頼んだぞ」
「わかった」
やはり強いやつは残っているんだな。普通のオーガ達は先程の魔法で倒れているが、少し大きめのオーガは(多分鬼人だろう)は、まだ無事だ。こいつらを倒さないと。俺は最初の鬼人に斬り掛かった。すると、相手も必死なのか避ける。そして俺に剣を振ってくる。なかなか良い剣筋だ。どうやら俺はまだ余裕があるらしい。相手の剣筋を見ている余裕があるのだからな。
鬼人と俺は剣を数合合わせてから斬り倒した。次の鬼人は後ろから斬りかかってきた。しかし俺にはサーチがあり見えている。どこからかかってきても大丈夫なんだよ。わはははは。
なんだか楽しくなってきた。どんどん鬼人を斬って行くと、鬼神が出て来た。どうやら、こいつが最後の大ボスらしい。
さっきの鬼人はワイバーンより少し弱い位だったが、こいつはもっと強いだろう。気を引き締めていかなければ。俺は相手が斬り込んでくるのを待つ。鬼神が斬り込んで来たが、さっきの鬼人より格段に強い。さすがワイバーンより強いと言われるだけある。数合撃ち合っただけでその強さがわかる。
リリーの方にも鬼神がいる大丈夫だとは思うが早くこいつを退治してリリーの所へ行ってあげないと。どうやら鬼神に話しかけてみたが人の言葉は解さない様だ。残念である。人の言葉がわかるのならば、召喚獣にしようと思ったのだが残念だ。俺は覚悟を決めて鬼神と向き合った。
鬼神が脱兎の如く突進してきた。そんな奴に対して俺が放ったのは居合切りだ。鬼神の首から一筋の血が流れそのまま暫く突進してきたが、徐々に首がずれて行き胴体と離れて地に伏した。
その頃、同じように、リリーはオーガの残りを倒し鬼人と鬼神を倒していた。
「ねぇねぇ、お兄ちゃん、なんだか相手が弱すぎてつまらない」
「確かにそうだよね。そうだ、今度から縛りをつけよう。俺達は強すぎるから全てのステータスを300位の力で相手と向き合うようにしよう」
「確かにそのほうが楽しめるかもね。じゃあ今度からそうしよう」
お読みいただきありがとうございました。本話もお楽しみいただけましたでしょうか感想等いただけるととてもありがたいです。作者の励みになります。ぜひよろしくお願いいたします。ところで、リリーはアレンに対し提案をしましたね。次回からかなり力を落として戦うと言うことになりました。どのような形で力を落とすのか楽しみですね。次話もお楽しみいただけるように書きたいと思います。応援してください。




