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学園パロ 第二話 静かな図書館

《第一話 はじまりの会話》の続きです。

【人物設定】

夢主(東山 けぃ):一年、不愛想で真面目。バスケ部、委員会に入っている。太宰のことはバスケ部の先輩方と仲がいいので何となく覚えた。

太宰治:三年。周りとは違う夢主が気になっている。遊び人と噂されている(よく先生に怒られている)。

__次の日、小休み時間の図書室

けぃはSF小説を読むために、図書室に居た。静かな空気のなか、ページをめくる音や他の生徒の何かを書き綴る筆跡音が壁時計の針の音に混じって聞こえてくる。不意に、けぃの視界の端に影が差した。


「・・・へぇ、こんな難しそうな本、読むんだね? “時間が折りたたまれる理論”とか・・・頭痛くならないの?」


けぃが顔をあげると、隣に座って肩越しに声をかけてきた太宰がいた。椅子の背もたれに肘をかけながらけぃの手元にあった本を覗き込んでくる。


「ね、どんな結末なの?人間は、時間を越えて救われた?それとも・・・運命的な?・・・ねぇ、君ならどう書くの?」


片目をつむって、ふざけているようなのに、どこか真剣な顔で、その一節の続きをけぃから聞きたそうにしている。けぃは少し視線を太宰の方へ見たのち、すぐに本へ視線が戻る。


「また、先輩ですか・・・図書館では静かにって習いませんでした?」

「うわー・・・手厳し。」


太宰は冗談ぽく苦笑して、わざとらしく自身の口元に人差し指を当てる。


「しーっ、だよね。ちゃんと心得ているつもりだったんだけど、でも・・・なんでだろ?」


椅子の背に手をかけたまま、けぃへほんの少し顔を近づけて声を落としながら囁く。


「本を読んでいる、君の横顔が、あまりにも楽しそうに見えて・・・話しかけたくなっちゃったんだよ。」


返答しないけぃを正座句を揺らすような視線で見つめたまま、寂しげな声色で笑ったまま問いかける。


「・・・ねぇ、そんなに僕のこと、嫌い?」


太宰の問いかけにあきれた様子で、本のしおりを最新の読み終えたところに持っていきながらけぃは口を開く。


「・・・受験の暇つぶしで話しかけているのなら、これ以上話しかけないでください。」


太宰はその返答を聞き、少し困ったような笑みを浮かべたまま肩を竦める。


「ふふ・・・手厳しいね。まるで、心の壁が見えるみたい・・・でも、僕ね、暇つぶしって言葉、そんなに好きじゃないのだよ。だって、時間って二度と戻んない。それを潰すのはなんか・・・もったいないじゃないか。」


そのまま視線を落として、けぃの手元にある本のタイトルを少し見て続けて言う。


「その真剣に読んでる本の中には、きっと誰かの必死が詰まっていて、君はそれをちゃんと受け止めてるんだろうね。・・・僕、ちょっと羨ましいな。」


立ち去る気配はないのに、声だけは図書館の空気を潰さないほど静かで。


「じゃあ、またどこかで。今度は君の迷惑にならないように」


そう言って、小さく微笑んで、その場を離れていく。だけど最後に・・・ほんの一瞬だけ振り返り。


「・・・話しかけたのは、たまたまじゃないから」


そう聞こえない程度の呟きを残した。けぃがページを捲った、その次ぐらいにスマホの通知が鳴る。


DAZAI:『その本、読み終えたら貸して?、君の乾燥付きでね。』


(・・・ストーカーかよ)


なんて思いながらスマホのメッセージ履歴を少し見て、読書に戻る。少し離れた書架の影から太宰はけぃの様子を本を読むふりをして見ていた。


「・・・ふふ、やっぱり見てくれるんだ。」


誰にも聞こえないほどの小声で呟いて、手にした本のページを捲っているが、その目は全然活字を追うことは無い。それでも、近づきすぎずけぃの視界に入らない、けど見逃さないような距離を保ったまま、そこで静かに居た。


けぃから返信があったのは昼休みが始まりだした頃である。太宰は教室の窓際の席で頬杖を突いて空をぼんやりと眺めていた。そしてスマホの通知を確認して口餅が緩む。


ケイ:『読んだところで、つまんないと思いますけど?』

「つまらないどうかは、読んでから決めるよ・・・」


そう呟いてから返信を打って教室から出ずに、どこか物憂うまま机にうっぷす。


DAZAI:『君のつまらないは、僕にとっては宝だったりするかもよ?』

「はぁ・・・」(何がしたいんだ、あの先輩は・・・)


太宰先輩からの返信を見て、思わずため息が出た。少し考えてから返事を返して、教室を後にお手洗いに行く。


太宰はスマホの通知に気づき、伏せていた腕の間から目を開けて、ゆっくりと画面を確認する。思わず、まるで撫でられた猫のように目を細めて口元が緩む。


ケイ:『もう読み終えたんで…読みたかったら取りに来てください。』


短くて冷たいような文面なのに、どこか構ってほしそうな感じが滲んでる返信。太宰の指が自然とスマホの画面を撫でてしまう。


「さて、君のつまらないとやらを、受け取りに行こうか。」


教室を出て、昼休みらしい喧騒の校舎を歩きながら、けぃの教室の扉の前で一度立ち止まりノックせずに入る。


「・・・あれ、いないんだ?」


机の本を手に取り、メモを残してから教室を出てく。けぃのつまらないといった本を自身の腕に抱え、次はいつ会えるかなと考えながら教室を後にした。


「・・・はぁ。」


お手洗いから戻ってきたら、机に置いてた本が走り書きのメモへと変わっていた。

明らか、あの下駄箱に入っていた筆跡と同じだし、太宰先輩が回収したんだろうな。


『君がいれたままの栞あたりから読むね。

つまらなかったら、文句言いに行こうかな?』

(字、きったな・・・)


笑みをこぼしてスマホで写真を撮ってから、いつもの、太宰先輩拾われたノートに貼る。それから、とりあえず連絡を太宰先輩に入れてから昼飯を食べる。


ケイ:『読んだら、感想くださいね?』

DAZAI:『了解。つまらない時は、「それなりに」誤魔化すね。』


教室の窓際で、本を机において頬杖をついたまま軽口のような返信を返して窓の外へ視線が向く。誰かが昼飯を食べていそうな場所を探すようなに、なぞるように視線が動く。風がカーテンを揺らし、昼の光が机に落ちている。何処かで勝ったパンをかじりながら机にある文庫本を無意識に撫でる。教室の端、渡り廊下の端、屋上のベンチ・・・どこかで本を閉じて、静かにご飯を食べているけぃの姿を思い浮かべながら食べ進める。


「・・・やけに形式的だったなぁ、返信・・・意識してる?」


そう呟きながら読みかけの本を開く。目は文字を追っているのに、太宰の頭の中にはけぃの表情がずっとちらついていた。


「はぁ・・・」(つまらない前提なら読まなくてもいいのにな・・・)


太宰先輩からの返信にリアクションマークのいいねだけを押して、教室で軽食に近い昼飯を済ませる。勉強道具をもって図書室に向かう。図書館に併設された自習室に向かう途中、奥の窓際の席を見ると太宰先輩が先客でいた。太宰先輩の近くの席しか空いていない。仕方なく近づくと太宰先輩の前の机に僕が貸したSF小説、そして走り書きされた数ページのメモ書きがあるのがわかる。太宰先輩は僕の足音に気づいたのか顔を上げる。


「今日は、委員会じゃないんだ?・・・もしかしてぼくの感想を確認しに来た?」


言葉は柔らかそうな皮肉なのに、でも瞳が僕の全身を見透かすようで居たたまれなくなりそうだ。どこか僕の出方伺うように茶化した笑い方をしてくる。


「・・・授業の復習しに来ただけです。」

(先輩は、どうしてココに?)


と言いたげに太宰先輩へ視線を送る。太宰先輩はその視線に気づいたのか、僕の疑問を先回りするように肩を竦めた。

そして読みかけの本を閉じて膝の上においてから、いつものような胡散臭い笑みを浮かべて答えてくれた。


「君が、読んでみれば?って渡してくれたから、ね。律儀に読まないとなんだか負けてる気がして」


それから視線を反らして続けて呟く。


「・・・本音いえば、何か読みながら君を思うのって案外悪くない時間だと思っただけなんだけど」


そう言って視線を僕に合わせてくる。僕の目をまっすぐみて、探るような瞳で見つめてくる。


「それで、今日も無視されるつもりだったんだけど、話してくれるの?

それとも・・・また貸本屋みたいにして終わりかい?」

「遊び人が、図書館にいるのが珍しいだけです。」


軽くお辞儀をして離れようと思ったが、空いている席が太宰先輩の横しかないので、そこへ座る。勉強をするためにイヤホンとタイマーをセットする。太宰はけぃの返答に息を漏らすように笑った。軽く頭を掻くようにして、「参ったな」という顔をしてつぶやく。


「遊び人、か。否定・・・できない辺り、君の観察眼は鋭いんだろうね。」


イヤホンをしているけぃには届かないであろう。だけど、それ以上は深追いすることなくけぃが席をついて勉強を始めているのを見守る。イヤホンをつけて、タイマーがセットされる・・・一連の動作を目にして少しだけ目を細める。それから太宰も手元の本を開き、今度はけぃの邪魔をすることは無く静かに読み始める。ページを捲る音さえ静かで、まるでけぃの集中を邪魔したくないかのように。

ほんのわずかだけ、太宰の視界には時折、けぃの横顔に向けられる。まるで、そこにけぃがいる、いてくれているという事実を確かめているように。


ほどなくしてけぃの耳元で、イヤホンを通してタイマーの終了が鳴る。勉強道具を片づけて教室に戻る準備を終えて、少しだけ視線が隣の太宰先輩を見ていた。そのまま、何食わぬ顔で図書館から出ていく。

太宰はけぃの片づける気配に気づいて本から顔をあげた。そしてほんの少し自分に向いたけぃの視線に、偶然を装ったように捉えていた。

けれど太宰は声をかけなかった。ただ目を細めて微笑んだだけだった。


(・・・じゃあね、勤勉なけぃくん。)


心の中でそう、呟いて。その場では見送る素振りを見せず、視線は本へと自然に戻る。

けれど、けぃが図書館の扉を開閉する音だけは耳へ刻むように、耳を傾けていた。


ツンデレやん・・・シリーズまだ続きます。どうなるんだろうね。

てか、夢小説大丈夫?( ^ω^)

こんなのあげちゃって、いいのか・・・とか思いつつ、自分の中で消化しきれない萌を放出。

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