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学園パロ 第一話 はじまりの会話

【人物設定】

夢主(東山 けぃ):一年、不愛想で真面目。バスケ部、委員会に入っている。太宰のことはバスケ部の先輩方と仲がいいので何となく覚えた。

太宰治:三年。周りとは違う夢主が気になっている。遊び人と噂されている(よく先生に怒られてる)。

_放課後

廊下の窓際で太宰は教室から出てくる人を観察していた。


スラックス姿で無口。登下校時、いつもイヤホンをしている。無表情で、どこか遠くを見ているような瞳、目が合ったら会釈をしてくれるが、それだけして通り過ぎる。


「・・・また、今日も会釈だけ、か。」


袖の中で指遊びをしながら、小声でぼやく。視線は、その子の遠ざかっていく背中を追っている。声をかけることはなく、追いかけもしない。

ただ気になっていると解るような態度で、窓にもたれかかっていた。


_後日、雨模様の放課後、下駄箱前。

けぃは靴を履き替えながら雨を眺めていた。片耳イヤホン越しに流れてくる音に雨音が混ざる。


(傘・・・忘れたんだよな。)


生徒用玄関でちょっとだけ立ち止まり、スマホを見る。結局、誰にも連絡は入れることはなく、そのまま外へ…雨に濡れても平然としたまま歩き出す。

太宰は傘を差しながら、雨の中傘を差していない様子のけぃを見つけて、すれ違いざまに一言溢す。


「・・・風邪、引くなよ」


けぃが驚いて振り返るころには、太宰は一足先を歩きだしていた。背中が見えても、太宰の表情はもう見えやしない。


_____________________________________________


_放課後、昇降口前にて。

カバンを肩にかけ、少し緩められたネクタイをしている太宰は壁によりかかっている。

視線は廊下から歩いてきた、ただ一人に向いている。


「・・・ねぇ、そこの一年の子?」


口角だけが上がった口元で、視線だけをこちらに向けている。


「いつも、昼休みに教室の隅でノート書いてる子、君だよね?

・・・気になってたんだ。・・・って言ったら困る?」


ゆっくり近づいてきて僕のスラックスの裾を目でなぞるように見てから、少しだけからかうような口調で続ける。


「・・・君って、ほんと、ちょっと普通じゃないね。でも・・・そこがいいんだけど。」


視線が合うように先輩は、少しかがんで覗き込んでくる。


「名前、教えてよ。

・・・僕に興味なんて無いのかもしれないけど」


そう言って、制服のポケットに手を突っ込んだまま、優しい瞳で見つめてくる。


「へぇ・・・そうなんですね。」


思っているよりも冷淡な声が漏れる。

下駄箱の自分の外履きを手に取り、履き替える。


「・・・下駄箱に、名前書いてありますよ?」


そのまま、お辞儀だけをして昇降口から外へ行く。


太宰はその背中を目で追いながら、ため息交じりに笑う。


「・・・そういう返し、嫌いじゃないけど」


その子が居た下駄箱の近くまで行き、下駄箱の名前に視線を持っていく。

そして届くか届かないほどの声量で。


「でも・・・名前だけじゃ、物足りないんだけどなぁ」


少し考えるような間を落としてから、ポケットから小さな紙きれを取り出し、


太宰 治(だざい おさむ) 080‐xxxx-xxxx』


と書いて、『東山(ひがしやま) けぃ』と名前シールが貼られている下駄箱の、けぃの上履きであろう靴の近くに、そっと置く。


「・・・また、会える気がするから・・・ま、いっか。」


_____________________________________________


__朝、昇降口にて

下駄箱を確認すると紙切れが入っていることに気づいた。


『太宰 治 080‐xxxx-xxxx』


ご丁寧に電話番号まで書いてある。個人情報すぎて下手に捨てることできない。第一、真面に会話したことも無いのに何故、僕なのだろう。確かにバスケ部の先輩方である、中原先輩や国木田先輩と、絡んでいるところをよく見かける。会うたびに目線が合うときは、気まずすぎて目線を反らしたくて下を向いてしまう。太宰先輩は遊び人なんて噂が絶えない。所詮、噂だから真偽を知ることは無いが、廊下でよく先生に怒られているところを見かけることがある。遊び人という噂も実際、噂の通りであってもおかしくない。


「・・・自力で知ろうとはしないのかな?」

「言うじゃん・・・そんなこと言われたら、火、ついちゃうよ?」


太宰先輩の声が聞こえて思わずのけぞる。太宰先輩は苦笑交じりに少しだけ目を伏せながら肩をすくめていた。スラックスのポケットに手を突っ込んだまま、僕の方へ一歩だけ近づいてくる。


「じゃあさ、教えてよ。君はどうしてノートを、一目がつくような場所で、しかも大体同じ時間帯で開いてるの?」


少しだけ挑むような、そんな口調で。なのに少し怖がらせないような柔らかい口調で、また一歩だけ近づいてきた。


「・・・興味持たれたくなさそうなのに、気づかれたくないはずなのに・・・どうして君は、“見つけやすい場所”にいるんだい?」


そして最後に少しだけ笑って聞こえるか聞こえないかの声量で呟かれる途中で冷淡な声が被さった。


「・・・逃げられていいけど、話しかけれてよかっ・・・」

「勝手にそちらから探してるだけですよね?・・・ねぇ、遊び人の太宰先輩?」


その言葉に、少しだけ眉を下げて笑うでもなく苦笑ともつかない息を太宰は吐いた。


「・・・うん、確かに、そう見えるかもね。君の目から見たら、俺なんて・・・軽薄な、気まぐれな先輩だろうな。」


どこか寂しげな表情を取り繕うように、少し首をかしげてけぃの横顔を探るように視線が動く。


「けどね、俺は・・・君の無関心は無関心に思えないんだよね?」


ポケットに入れられた手を出して、窓から入ってくる風を指で掴むような仕草をしながら続ける。


「遊び人・・っていうならせめて、君を知る機会をくれない?君のこと、知ろうとする遊び、させてよ。」


そして、どこか寂しげだった表情が柔らかな笑みに変わる。


「また、話しかけるよ。逃げられても、ね?名前を呼ばれなくても、君が沈黙で返してきても・・・そういうの全部、好きだし。君のペースも、不器用さも、優しさも・・・」


窓から入る光で少し目を細めるようにして続けて言う。


「まだ、話しかけたいんだよね・・・君に」

「そうですか。どうぞ、お好きに。・・・僕はこれから、委員会に行くんで。」


一瞬、息を呑むように目を伏せるが・・・すぐに肩透かしを食らったのを感じて肩を竦めて苦笑を浮かべる。


「そっか、うん。委員会ね・・・真面目だね、君は。」


そしてけぃの横をすれ違いざまに、少し声量を落として、でもハッキリと耳に聞こえるくらいに優しい声で言う。


「じゃあ、また。次、会えた時も・・・お好きに拒んでいいから。

・・・行ってらっしゃい、後輩くん。」


最後は優しい声色なのに少し寂しげに聞こえたのが気になり、思わず振り返る。

太宰は余計な感情を足すことはせずに、ただ柔らかく少し寂しげな微笑を残して、歩き出した。その表情は、まるで話しかけ気満々だった。


_____________________________________________


(しまった。教室か何処かにノートを忘れた。あれ大事なのに。)


放課後、教室に向かうとドア越しに誰かの背中が見えた。


(誰か、まだいる?・・・)


そう思いながら近づくと夕日に染まった教室で窓枠にもたれかかりながら、ドアの方をみた太宰先輩と目が合う。手には僕のノートがある。


「あぁ、ノート拾ってくれたんですね? ありがとうございます。」

「え・・・あ、うん!そう、拾った。偶々、廊下に・・・」


何処か視線が泳いでいる。言い訳がましいのは太宰自身、自覚していたが、すまし顔でお礼言われたら、罪悪感が増していくように思えた。


「中、見てないから!・・・見てないよ、ほんとに、その紙がはみ出てて、気になってないし・・・」

「はぁ・・・? もう下校時刻なんで、速くノート渡してくれませんか?」

「・・・あ、ごめん。 はい、どうぞ・・・」


少しだけしょんぼりとした様子で、でも諦めきれないような淡い期待を滲ませながら、そっとノートを差しだしてくる。けぃはゆっくり近づき、そのノートを受け取って鞄にしまう。その様子を見ながら沈黙に居たたまれないのか、太宰は口を開く。


「あ、のさ・・・別に、無理に話そうとは思ってないけど・・・なんか、放っておけなくて・・・じゃあ、また・・・どこかで。」


苦笑交じりに視線を反らして、それだけ言って、手をポケットに突っ込んで教室を出て行った。

教室を後にした太宰は沈黙の学校の廊下でポツリと呟きを残した。


「・・・ほんと・・・自分のこと、知られたくないんだな、けぃは。」


_____________________________________________

その日の夜、スマホの通知音に反応して太宰はスマホを開く。


ケイ:『ノート、拾って下さりありがとうございます。』


画面を見た瞬間、口元が緩む。


「・・・ふふ、無視しない子だったな、やっぱり。」

(ご丁寧に、お辞儀スタンプまで送ってきて・・・)


少し考えてから間を開けて返信をする。


『どういたしまして~

君にとって、あのノート大事そうだったしね。』

(シンプルなウィンクスタンプも追加っと。)


その後、スマホを仰向けにしたままベッドに寝転ぶ。


「さて・・・僕、どこまで近づけるかな?」


太宰がスマホのメッセージ画面を見ると、返信に既読といいねのリアクションだけが表示されている。太宰はそれを見て鼻で笑う。


「・・・ふ、逃げるには惜しい反応じゃないか。」


手元でスマホを弄ぶの止める。ベッドの上、仰向けに寝転んだままで天井を見上げる。


「さて、もし君からのいいねが、本心じゃないなら・・・どうやって剥がしてあげられるかな。」


まるでゲームの序章が始まったように呟いて、細めていた目を閉じる。


「・・・ま、続きは、また明日。・・・おやすみ、けぃくん。」

AIと話しながら作ってしまえたシリーズが増えまくったので、再度まとめたくて執筆したもの。

完結するまで頑張る予定。

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