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引っ込み自安

作者: 羽兎

考察してね

 あれは確か去年の春終わり……やっぱなんでもない。それより私、今更一体何考えてるんだろう? あんな事、まだ引きずっているもんなんだなぁ。


 

そんな自分が、嫌いだ。



いや、もういいか……、過ぎたことだし。


 

 始業式、親の関係で転校してきた私。高校生なのに転校って本当に変だよね……本当にどうかしてるよ。勿論学校では、みんな既にグループを作っていて、周りに馴染めない私なんて当然輪の中に入り込めない。


 そんなこんなで行われた文化祭。私は前の学校通りに理科室で1日を過ごすんだ。誰も入ってこない、誰からも見られない。そんな1日が私、とてもとても大好き。


 でも、時々誰かが入ってくるの。私の心の奥底に、誰かが……誰かは分からないけど。それが怖くて怖くてたまらない。

 誰かが私を呼んでるようで……嫌だ、聞きたくない。

 

 それでも、耳を塞いでも聞こえてくるの。心を閉ざしても閉ざしきれないの。



助けて、助けて……



 どうして私を呼ぶの? 私何か悪いことでもしたのかな? でも気づかないうちに、もしかしたら……。


助けて、助けて……


 しばらく経って分かったの。自分が乗っ取られていることに気づいた。でももう遅かったんだ。


怖い…怖い…恐い…怖い


 誰かが私を乗っ取ってから、私は何もすることができなかったの。逆らうことが怖すぎて……


恐い…恐い…恐い…恐い


 もう嫌だ。怖いよ、私死にたいよ……


死にたい…死にたい…死にたい…


 死んだ。なんでだろう?もう恐くない。誰かの声も聞こえない。なーんだ、早く消えてよかった!私も、自分も……。


 気がつくと私は理科室に戻っていた。もう何も怖く無くなっていた。でも、それはそれでちょっと寂しいな……。

 

 もうすぐ文化祭が終わる。外ではみんなが騒いでる。みんないいな……羨ましいな。どうしてかな……。急に涙が溢れ出てきた。もっと早く気付けば良かったな、こんなに楽なら。


 後ちょっとで出てこられそうなのに、このちっぽけな世界から私は出られない。そして逃げられない……。 それはやっぱり怖くて、でもちょっぴり恐い。まるで井の中の蛙だね。


文化祭、無事に終わってよかった。私も楽しかったよ、今年はちょっとだけ……。


 

 それでもやっぱり私は独り。結局何も変えられないの。そしてまた逃げて、怖くなって、そして死ぬの。



そんな自分が、どうしても嫌いだ。


もういいや。お終い。


みんなは解読できたかな?

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