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雨に散る恋の傷、星影沈みて縁を嘆く  作者: 青井朔
第六章「過去は煙のように、愛は海のように」
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「図書館での再会」

太白と夕嬌の短い会話が終わり、彼はこの日が図書館の静けさの中で過ぎていくと思っていた。しかし、彼がまさに立ち去ろうとした時、予期せぬ人物が図書館の入り口に現れた。


「太白。」


玉妃だった。


彼女は入り口に立ち、薄い色のトレンチコートを着て、少しうつむき加減で、どこかためらっているようだった。彼女の出現は、太白が静かに過ごせると思っていた一日を打ち破った。


太白は足を止め、心臓の鼓動が一瞬止まったかのように感じた。彼は何も言わず、ただ静かに彼女が近づいてくるのを見つめた。


「ここにいると思った。」玉妃の声は慎重さを帯びており、低い声で言った。「少し話せる?」


太白の視線は玉妃の顔に数秒留まり、それからゆっくりとうなずいた。彼らは静かな一角に座り、互いに微妙な距離を保っていた。


「別に深い意味はないの、ただ話がしたくて。」玉妃は口を開き、緊張した様子で言った。「あの日のこと……あなたを困らせたのはわかってる。」


「君のせいじゃない。」太白はすぐに彼女を遮り、低い声で言った。「ただ……どう向き合えばいいかわからなくて。」


玉妃の指が絡み合い、彼女の目には葛藤が見えた。「太白、私がこう言うのは自己中心的かもしれないけど、本当に私たちにチャンスをほしいの。たとえ最初からやり直すとしても、たとえただお互いを知り直すとしても。」


彼女の声には懇願するような響きがあり、太白の気持ちをさらに重くした。彼はうつむき、椅子の端を強く握りしめた。


「玉妃……時間がほしい。」彼は苦しそうにその言葉を吐き出し、まるで自分の無力さを弁解するかのようだった。「やりたくないわけじゃない。ただ、そうすることが君にとって――私たちにとって傷になるかどうかわからないんだ。」


玉妃はすぐには答えず、黙って彼を見つめた。しばらくして、彼女は軽くうなずいた。「わかった。あなたがどう決めても、私は待つ。」


彼女の目には非難はなく、ただ一つの確固たる感情があった。その感情は太白の心にじんわりと痛みを走らせた。彼の喉が詰まり、何も言えなかった。


図書館の反対側で、夕嬌は本棚のそばに立ち、ふとあのよく知った二人の姿を目にした。彼女の指は一冊の本の上に止まったが、なかなかページを開こうとしなかった。


彼女は太白がうつむく姿を見て、玉妃が彼を見つめる目を見た。距離は遠かったが、夕嬌には二人の間の空気――彼らだけが持つ独特の絆が感じられた。


彼女の手は無力に垂れ、その本を放した。彼女は深く息を吸い込み、それから何の音も立てずにその場を去った。


「たぶん、彼の答えはもうはっきりしてるんだろう。」夕嬌は心の中でそう思った。胸の奥が何かに押しつぶされるように重く、息が詰まりそうだった。


彼女は窓の外を見上げ、夕暮れの光が校舎の屋根に降り注ぎ、温かな金色に染め上げていた。しかし、夕嬌の心は冷たく感じられた。


翌朝、太白が教室に入ると、夕嬌はすでに席に座り、教科書を整理しているところだった。窓から差し込む朝日が彼女の横顔を照らし、その表情をさらに静かに見せていた。


太白は一瞬ためらい、結局彼女の席に向かった。


「おはよう、夕嬌。」彼の声には少し躊躇いがあった。


夕嬌は顔を上げ、微笑んだ。「おはよう、太白。」


彼女の笑顔はいつも通り優しかったが、太白にはどこか違和感を覚えた。その違和感は冷たさから来るものではなく、捉えどころのない距離感だった。彼は何か言おうとしたが、結局何も言い出せなかった。


「昨日の夜はよく眠れた?」夕嬌が先に沈黙を破り、軽快な口調で聞いた。


「まあまあ。」太白はうなずいたが、その話題を深めることはなかった。彼はうつむいてカバンから教科書を取り出し、その動作はどこか機械的だった。


夕嬌は彼を見つめ、彼が何かを話し始めるのを待っているようだったが、太白は昨日の午後のことには触れなかった。彼女は軽くため息をつき、窓の外を見た。


「今日は天気がいいね。」彼女は何気なくそう言い、空気を和らげようとした。


太白は彼女の視線に従って窓の外を見た。陽の光が校庭に降り注ぎ、生徒たちが三々五々集まり、笑いながら校舎に向かっていた。彼はうなずいたが、彼女の言葉には返事をしなかった。


夕嬌は軽く目を伏せ、その瞳に浮かんだ一抹の寂しさを隠した。彼女はわかっていた。太白は何かを避けているのだと。そして彼女も、それを追及するつもりはなかった。

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