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7A〜セブンスアビス〜  作者: 鬼子
第1章 地獄への導き
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第1章3 『紫の女』

 ーー才能?この女は何を言っているんだ。


 赤い瞳の女は近づけた顔をスッと離し、立ち直す。


「自己紹介がまだだったわね。私の名前はデューア・ヴァイツァー。悪魔よ。」


 ーーはい?こいつ今なんて言った。悪魔だぁ?


 そうだな、ここで容姿について整理しよう。

 まず、彼女の身長は170センチくらいだ。ハイヒールを履いているがまぁいいだろう。

 次に、髪の色は紫、腰まではあるだろう綺麗なストレートとワンサイドアップな髪型だ。

 どこか大人っぽさと気品が溢れるが、言葉遣いは少々荒い風に見える。


「何言ってんだお前。」


 ーーあ、やべ。


 そう思ったがもう遅い。

 初対面の人間にタメ口なんて普通ならありえないのだが、訳がわからなすぎて思考を放棄してしまった。そのためか、失礼な態度を取ってしまったと気づく。


 彼女の眉が少しピクッと動いたのを見たが、あえて見なかったことにしよう。


 ーー取り敢えず、この場を去ろう。人見知りでは無いが、鎌を背負う人間と一緒にいるのは怖い。いや、悪魔か?


「助けてくれてありがとう。じゃあ、俺は失礼して」


 踵を返し、教室を出ようとする。さっきの戦闘で壁は壊れ、教室と廊下の境界線は曖昧になっているがどうでも良い。


「ちょっと待ちなさい。」


 脚を上げ踏み出そうとした瞬間左腕を掴まれた。

 女の子と手を繋いだのは初めてで、ドキドキする!なんて事はなかった。

 

 ーー痛い。力強すぎです。


「なんでしょうか。僕帰らなきゃ。」


「口調さっきと違うし。アンタ、少し手伝いなさい。」


「いや、俺は戦えないんで。 武器の使い方とかわからないし! 痛い! 離して!」


 全力で振り解くつもりで腕を引くがビクともしない。

 これはいよいよ諦めの時。諦めはいい方だ。


「はいはい、わかっ」


 言い切る前に視界が揺れた。

 何かの攻撃だろうか。傷は無いものの変わったことと言えば。


 ーー校庭が凄く小さく見えるぞぉー


 空である。母さん、今俺は空にいます。

 

 デューアが腕を掴んだまま空に飛び上がったらしい。落ちたら死ぬなこれ。


 現実逃避の思考を探していると、ウィーンと言った機械音と共に視界に銀色の何かが映り込む。


 それは鉄の板を何枚も打ち付け、無理やり球体状にしたような物体だった。


 球体がゆっくりと回転し、こちらを捉えた。


 鉄球の中央には紫色に光る部位がある。

 まるで眼球を模しているかのような作りをしていた。

 紫色に光る部位は瞳のような形をしている。


 キュイーンと耳を貫く音と共に、更に強く光りを発する。明らかに何かをチャージしている。


 音が鳴り止み数秒後、視界は光で包まれた。

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