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7A〜セブンスアビス〜  作者: 鬼子
第1章 地獄への導き
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プロローグ 『失敗からの』

 ーーどうしてこうなった。

 

 傷だらけの体で、血の海の中を歩く。

 視界には絶望と呼べる光景が広がっていた。


 ーー作戦が失敗したのか。


 良くない言葉が頭をよぎる。

 作戦は失敗。原因は不明。

 

 腰につけた通信機から女性の声が響く。


「ークミさん!タクミさん!」


 声の主は自分が率いるチームのサポーター、シルヴィアのものだった。


「・・・・何があった。」


自分はほぼ動かなくなった脚を支え、引きずりながらも問う


 ーー現状の把握が最優先だ。


「はっきりとは分かりません。ですが・・・他の方とは連絡が取れません。」


 その声は敗戦を意味するには分かりやすく、簡単に内側に入ってきた。それ以上の情報は耳に入らなかった。

 負けたのだ、自分は時を戻せない。命を失ってしまえばそこで全てが終わる。


 ーー作戦に穴があったのか?


 頭の中に色々な考えが飛び交うが、答えは一向に見つからない。

 それに、見つかった所でもう遅い。


 今は動かない肉と化した仲間達をさがし、チームタグを回収する。


 ーー俺だけでも帰らなければ・・・


 決意ではなく、意地で身体を動かす。

 上手く動かせない足を無理やり動かして歩いていく。


 一歩、一歩と確実に進んでいる。


 ーー上手くはいかないもんだな。


 刹那、死体か段差か、何かに脚を引っ掛けて体が大きく揺れ膝をついた。

だが、自身の脚はいきなり崩れた体重を支えられるほど力は残っていなかったらしい。


 グラリと視界が揺れ、身体全体が地面に倒れる。

 視界に映るのは、血溜まりと、土と、ガラスだった。このままではガラスが眼球と脳を貫き、死に至る事は考えずとも理解が出来た。


 だが、支える力もない身体には回避する余力は残っていなかった。


 ーーなんでガラスがこんなとこに。


 そんな事を思った次の瞬間。


 眼球に激しい痛みが走り、プツンッとテレビの電源を抜くかの如く意識が度切れた。


 ーー我々、セブンスアビスは負けたのだ。

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