第三話...GONG
一応キャラシ用意しました
龔月悕霉と文月読観、そして私服の紅の前に現れたのは、純白の白衣を羽織った如月向日麗。Villainsideの回復担当。
医者志望であり、両親は大きな大学を卒業し、一族が名医の名家。
向日麗が獣をもした仮面をテーブルに起き、写真一枚を三人に渡した。そこには学生服を着た少年が写り、大人びた姿から高校三年生ほどだと分かる。
二人は自身がリーダーである紅の目的を理解した。
──実力テスト......!!
二人の額に冷や汗が垂れる。先程自分達の情報が入った袋を見せられ、自身達の置かれている状況、もう引けない事を悟る。
開示された情報は二つ、敵の能力と成功した場合の自らの立場。
そして、まだ見ぬリーダーが頭がキレる事と、リスキーなミッション故に見返りは確実に成長を遂げる組織の幹部になれるメリット。
敵の能力は時を止めると言うシンプル故に強力な能力。
「リーダーは顔出しはせぇへんのか?一応幹部選別やろ?」
「彼は今、仕事中。貴方達に《《私は》》嘘はつかないわ」
「......」
「へぇ。私達の能力を知っているって事は、貴方達の中にそう言う能力者が居るって事。そんなレア能力を持ってるのは当たりね」
「ボスは貴方達に......「デット・オア・アライブ。好きにやれ」っと」
「まぁ、どんな主人なのかは此奴を倒してから知る事にわ」
「そうね。私達三人で頑張りましょう」
「同感だな。まっ仲良くやろうぜ」
黒パーカーに身を包み、煙草を吸っている姿は一見ヤバイ男だろう。ロングコートを羽織り、目元には濃い隈がある。
フゥっと白い煙りを吐き出して、二人と並んで交差点を渡る。
親頼関係、それは会社でも必要なものだ。それも幹部となれば硬い親頼関係が必要で、世界の脅威となる魔王の幹部となるのだから紙の情報ではなく、現場の状況判断能力を見定めるため、同じく幹部候補に混じる事にした。
相談役の葵月紫音にこの話しを持ち出し、幹部と話しあった結果なので了承を取れている。
知乘からは「先ず、騙すのは......」っと、遠回しに却下されかけたが「敵を騙すには、先ずは味方から」理論で突き落としてやった。
「まだ皆の名前を聴いてなかったな。君は何歳なんや?名前寄りもそっちが先に気になるわ。この女の子は制服やから解るんけどな〜」
「私より、一個下?私は高校三年生だけど」
「ああ、俺か?俺も三年。緋月楓だ、よろしく頼むよ」
「まだ高校やのにピヤスと煙草かぁ!それに酒臭い!将来有望やな!!」
バンッ!と背中を叩かれ、痛みを和らげるために軽くさする。高笑いする悕霉に若干殺意を抱きながら、小さな石ころを蹴り飛ばす。
──後で覚えてろよ龔月悕霉!
「褒めていい事なの?」
「悪にはピッタリやな」
「私は文月読観。好きに呼んで」
「俺は龔月悕霉。俺も好きに呼んでええから、お前らの名前の指図はうけへんからよろしく」
「めんどくせー。好きに呼べよ。勝ったら同じく、幹部だ」
「私気になってた事あるんだけど、寝る時ピヤスって外すの?」
「外さねぇよ、一々取り外しとか面倒くさせぇし」
──嘘だ。痛覚遮断の能力を手に入れ、中学生の頃に母が付けていたピヤスに憧れていた俺はピヤスが欲しかった。が、高校生になったら良いと許可を貰い、高校祝いに軟骨のY型で貫くピヤスを買って貰った。
洗面所が血塗れになると言うハプニングはあったが、俺は満足していた。
が、迂闊だった。超再生の能力を奪った瞬間から俺のピヤスは取り外し不可能となり、身に纏う物質の強度を底上げすると言う自動発動型の能力と最悪の噛み合い方をしてしまい、耳を切断するほか取り外しは不可能となった。
と言う寄りも、超再生の所為で穴を空けた所で即座に肉が塞がるため、新しくピヤスを付ける事が不可能になったという事情がある。
「痛かった?」
「いや、全然。洗面台汚した後が、一番怖かったけど......」
「何かあったんか?」
「姉貴に怒られた。煙草で壁が黄ばむから止めろと言われ続け、洗面台まで汚したから腹に蹴りを喰らった」
「パワフルなお姉ちゃんだね」
「あんなに能天気な両親から、あんな凶暴な牛、いや虎が生まれてしまったんだ。世界のバグか何かか?」
等と事実と嘘を織り交ぜ、雑談をしていると到着する。
紅が求めた時を止める能力者との対峙、彼も組織を纏める素質を持ってるが、彼は独り。
──その好きを狙い、能力を奪い取る。
タイマンで相手が自身の有利なフィールドを創る、所謂具現化系と言う類でなければ最強と言える能力。
アニメや漫画等ではラスボスの位置に君臨し、厄介なのは相手が能力発動時に術者以外が《《発動》》を理解する事は不可能。可能性があるのは同じ時止め同士の時止めのみ。
「来るぞっ!」
「はっ!?」
振り向き気味に拳銃を発砲する対象者──界人。読観に直撃するハズの弾丸は読観の体を透過し、壁に弾痕を残して数回着弾する。
この状態になれば、あとは言葉は要らない。
どちらが殺すか、殺されるかの真剣勝負!!!
界人の移動速度が上がり、裏路地に入って行く。異能を使う力、異力を消費する事で身体能力の向上や肉体の強度を上げる。
それは転生の異力量に左右され、異力の細かい調整を求められ、身体能力が急激に上昇すらば人間は真面に動く事は出来ず、訓練がいる。
シンプル。強力な能力であれば、世界に干渉する力が強ければ強いほど異力量の消費は大きくなり、肉体強化に使える異力に制限がかかるため、特質な能力を持つ能力は身体能力が低い。
──だが、界人は異力を操る天才。肉体強化の練度は特質系の中で最強。否っ!最強は天才ではなく、能力で力を集めた最強の凡人である紅が最強。
紅は重い制約から創られた能力、相手の能力を盗む。これは相手の異力さえも奪い取る事が可能であり、本来なら有り得ない程の異力量を誇る。
始めは一つの能力を奪うだけでスッカランになる異力量だった。でも彼は奪い続ける事で無数の異能を得、莫大、底なしと言える異力量を誇る最強タンクと化した。
「俺に勝とうってのか?」
「逃げながら言われてもな!」
紅が持ち得る思考回路を、最高のギアでフル回転させる。
互いにぴょんぴょんと建物の壁面を蹴り、宙を互いに駆け回る。凡人は最凶の能力を、天才は最強の能力を持つ。
界人腕を振るうと付けている腕輪が黄色の粒子を放ち、六丁のマスケット銃が現れる。現実の威力は19世紀の骨董品ではあるが、現代の44マグナム寄り上だと言われている。
六丁から一丁を握り締め、弾丸を放つ。
弾丸は現代のスラッグ弾に似た形状、これは大型のクマを一撃で屠る威力を誇る最強の中距離武器。一発しか放てないデメリットもマスケット銃を並べる事で解決済みであり、銃口には小さな刀身が顔を覗かせている。
火薬も異力強化もマスケット銃も全てが世界の最高峰、能力も単独で国を転覆出来る正に最強。
──この戦い、五分も掛からない......戦闘宙に能力を奪う事は無理だな。
細い裏路地に満ちる──無数の弾丸。強力な能力を持つ異能者、それでも現代兵器と直接対峙すれば勝ち目はない。
紅はあらゆる手を考え、100%勝てる条件を揃えて此処に来た。それが、あの二人の能力とこの為に盗んだ能力。
路地に満ちる弾丸は紅が創り出した剣の一振に寄って、一つの弾丸の軌道を変えると紅を取り囲んでいた弾丸は弾丸同士が着弾を繰り返し、その弾丸の雨の中を無傷で通過する。
その光景を見た界人は頬に冷や汗をかいた。
「おいおい、時止め何回発動して着弾を計算したと思ってるよ......!」
「100%俺が勝つ」
緋月紅...ひいづきこう
緋月楓...ひいづきかえで
年齢18歳になる予定
種族人間...身長169cm...体重57kg
誕生日7月27日君にありて幸福、真の友情
趣味...読書、音楽鑑賞(歌いながら)
得意事...荒事
隠し事...ドジ
好きな物...仲間、家族、枝豆、生ハム、チーハン
苦手な物...蛙、人間関係
利き手...左(能力故に両でもある)
血液型...AB
座右の銘...平穏は敵
旅行に行くなら...カナダ
最近ハマっている事...歴史動画漁り
好きな映画...そしてバトンは渡された
好きな音楽...不可逆リプレイス、ClockStrikes
好きな本...緋色の研究、そして誰もいなくなった
日課...カラオケに行く
悩み...姉の凶暴性
癖...歌う時に癖がある、足を刷る、小さな物を踏む
作者的に...完全無欠ではなく、親しみやすい魔王にしたい