第二話...SmashOut
どうも、カラオケでシャウトしまっくて吐血した誘捕さんです。何時ものキャラシ入りますかね?
現在時刻午前六時を回った頃、閏月グループが管理するホテルの一室にて、紅は執事服を着て、閏月羽楼が座る背後で不満そうに立ち、羽楼の正面に座る若い刑事を睨み付けている。
昨夜から移動ばかりで一睡も出来ておらず、イルカの異能者の能力を奪っている為に脳みそを半分眠らせる事は可能ではあるが、元々寝ていた様に寝たいのである。
刑事が羽楼の自宅に尋ねてきた理由はだいたい察しはついている。
「昨日のガス爆発の事件、と放送されている事件の犯人は恐らく、観測史上最も火力が高い炎熱系能力だと判断しました」
「ほう?」
「我々は奴をヴィランサイドのリーダーだと思っています。ヴィランサイドのリーダー、仮に八咫烏と付けましょう。八咫烏との戦闘を行えば、今回は水系能力との戦闘で被害は小さかったですが、次は340年前の天和の大火並の火事になる事は明らかです」
「水系?」
「水を文字通り操る能力者だったのですが、《《腹を貫かれ》》......出血多量で死亡しました。氷結系能力者は、現在能力が使用出来ない状態で──」
数度の相槌を羽楼はし、刑事の話しを聞き終えるとメモを取り、軽い質問をしていた。刑事が帰る頃には朝の七時に時計の針が指し示す。
普段ならそろそろ起き、朝食の準備をする時間だが、紅はマフィア組織へのテロ行為から能力で変装を解くまで一睡もしておらず、閏月家へ行く最中も仲間に指示していた。
「ねむい......」
「今から寝たら、夜になっちゃうね」
「今日は学校休もうかな、、、」
「何時も通りで良いんじゃない?」
「屋上にいるから、体育の時間になったら起こしてくれ。鍵閉めるから」
「頼られるのは嫌?」
「嫌だ。頼るのは良いが、頼られるのは性に合ってない」
屋上に出る建物の上に登り、読み掛けの本を隣に置き、日傘を倒して眼を閉じる。青空の下、まだ肌寒い四月の事もあって体にカイロを貼っている。
紅を探す声が聴こえるが、ワイヤレスイヤホンを小さなケースから取り出し、耳を塞ぐ。
成績は比較的優秀であるが、授業中には常に寝ているかイヤホンで耳を塞いでいる。
アイドル顔負けの中性的の顔を持ち、その素行から女子には結構人気がある。が、多く同性には人気がなく、裏では陰口を言われるほど嫌われている。
嫌わない男達は運動部の所謂陽キャと言われる者が多く、理由は彼が参加したスポーツは圧勝しているからだ。
奪った能力で身体能力が高い彼が入れば相手がプロであろうと、勝ち目はないと言っても過言ではなく、最悪の場合はプロ故に大怪我を負う可能が高まる。
昼休み。長い休み時間であり、皆が待ち望む時間。
紅もその一人であり、理由は勿論昼食にある。閏月家のシェフが作る弁当が食べられる時間。
それに、Villainsideが二名以外全員集まる時間でもあるからだ。
「水無月、俺の弁当取って」
「はい」
「ニュースを見けど、ヴィランサイドの情報はなかったね」
「警察は今頃、本気で調査しているだろうけどね」
「刑事さんも速く来たんでしたもんね」
「そう。大慌てだったんじゃないかな?」
小さく微笑み「あんなに強い魔王が現れる何て、予想外」箸で自身の唇を隠して嘲る様に、紅が街を放火する動画を見ながら笑った。
羽楼は三枚の紙を取り出し、紅に見せた。紙には名前が描かれ、写真が貼り付けられている。
履歴書にも見えるその紙は能力、素性が記述されている事から似た物には違い。
ヴィランサイドに加入する犯罪を数ヶ月前から水無月知乘が運営する闇サイトで募集し、使えそうな者を幹部に添える為に紅は羽楼に頼んでいた。
元々は異能者の同行や住所などを特定するため、立ち上げた経緯や能力を奪う紅の能力を補助するなどの理由で作られた。
異力と言う異能──能力を使う為に使用する力、魔力的な物を一定量持たなければ辿り着けない、異能者専用のサイト。メールアドレスからパスワードは管理者からは丸見え等で、サイトに一度入った者の住所を特定する。
「この三人はどう?」
「龔月悕霉、文月読観、あとはこの〜」
「コイツ、俺と一緒のオッドアイか?」
「アルビノ×オッドアイ、珍しいですね」
「俺の緋色の髪が混じるのとのは違う奴か?髪が色違いは能力が強力で、オッドアイは特殊な能力がある」
緋月紅の瞳、黄と紅のオッドアイには他者の能力が分かるという特殊な力を持つ。コレを使い紅は日常生活で汎用性が高い能力を狙いを定めている。
能力を奪う手段は三つあるが、どれも難しいために奪うのは困難。
オッドアイは近くで観なければ判断出来ず、紅の瞳の能力でも瞳の能力だけは観る事が出来ない。
一度盗んだ事もあるが、瞳の能力を盗めたかも使わなければ解らず、紅にとっても厄介な存在でもある。
「内の学校にも二人いるよね?」
「は?まじ?」
「確か名前は〜」
「剩月奏と紺月君だったかな?」
「誰?僕一年だから知らないな」
「そっか、羽楼はまだ一年だもんね」
「いや、俺も知らん」
「 剩月ちゃんは知ってるでしょ?去年の文化祭でバンドに参加してたじゃない?その時に紅の事を見てたよ。尊敬に近いかな?後輩だし」
「怖いな。オッドアイに見詰められるのは......」
「あっ誰か来た」
彼ら意外が屋上に来る事は珍しく、二年間屋上に来た人物は先生、厨二真っ盛りの男の2パターン。
腰まで伸びる長い黒髪で左耳を隠し、認識妨害を付与する。彼の左耳にはピヤスが付けられ、軟骨に二つ、逆十字の耳朶に突き刺すタイプのピヤスがあるため、先生に見つかれば校則違反をしている紅が怒られる事になる。
屋上に入って来たのは白い髪に、緑と碧色の瞳を持つ剩月奏。
「来てくれたんですね」そう安堵した彼女に紅は頭を傾げる。すると奏は靴箱の手紙の話しを紅にするが、紅は服や靴を変える能力を持つために靴を一々変える手間がなく、靴箱を素通りするのだ。
奏の目的は紅を自身のバンドに誘うため。
彼女は去年の紅が参加したバンドや一年の頃に参加したバンドメンバーに紅の情報を集め、現状彼がどのチームに所属していない事を知ったから屋上に呼びだしたのだ。
「なるほどねぇ、自分の実家のステージの客が年々少なくなってるから、その手伝いでねぇ」
「先輩の腕はプロ並です!誰にギターを習ったんですか?」
「そういえば、何時から出来たの?独学?」
「能力だよ。お前も空気を震わせる能力を持ってるだろ?」
「あっはい!まさか私意外に能力者がいる何て、嬉しいです!」涙声混じりに、奏は穢れなき眼で笑った。
本当に嬉しいそうな微笑みに、見なが警戒を解いた所で紅は一つの質問を投げ掛けた「お前は、何処かに所属しているか?」すると即答で奏はしてない!と答えた。
彼女は驚いた。その質問の能力に。
奏の驚いた顔に紅は腹を抱えて笑い、承諾した。そのあとは自身の能力を嘘を挟みながら話し、色々と情報交換を行った。
奏が引いた楽器はどれも良く、能力で楽器を演奏している紅と比較しても遜色はないほどだった。
一番ヴィランサイドが驚ろかされた事は空気を揺らす事で、様々な音色に変える事でるこの技術に驚いた。
「認識妨害?」
「あ〜コレはこのピヤスや緋色の髪を隠す為の能力でな。メッシュ入れたら校則違反だし、緋色髪何て信用してくれない」
「似合ってるのに」
「煙草もそれで隠してるもんね」
「透明人間的な事ができるんですか!?」
「残念だが、無害なモノにしか付与出来ないんだ。俺は有害、だから無理」
「あれ?煙草は」
「俺の範囲10mはクリーンなんだ。俺が煙草吸っても無害だしな」
この日から、剩月奏の実家のステージを手伝う事になった。
銀行行ったら自転車で転んで掌怪我した。左怪我したので飯が......