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ふぁんたじぃらいとにゃべる→1/4章『少年と海と猫』  作者: 大盛ふるーつ[無農薬]☆送料無料
3/6

3話『菜の花の花束』

1、2話と比べて文字数が倍以上になりました…配分間違えた。


3話にしてようやく出会い編が終了という感じです。

思った以上に展開が遅くなって焦ります(汗)

 


 子供がランドセルの中身をぶちまけてから一時間は経っただろうか。子供はあれからずっと遊び続けている。

 俺もこの子供が一体どんな遊びをするのか気になって少し離れた場所で様子を見ている。


 子供は川原の石を積み上げたり、小さいダムを作ってみたり、珍しい形の石を探したりして遊んでいる。毎日遊んでいるだけあって一人遊びには慣れているようだ。


(意外とこっちには寄ってこないもんだな……ものを喋る猫なんてどんな動物実験をやらされるかと思ってたけど)


 そう思っているとちょうど子供がこっちに駆け寄ってきた。手には菜の花を持っている。


「見て!この菜の花綺麗でしょ!あっちで見つけたんだ」


 …綺麗かぁ?そこらへんにいっぱい生えてるだろ。


 と思ってよく見てみるとたしかに萎えた葉っぱもないし他のよりは色も鮮やかかもしれない。


「(あぁ。綺麗だな。どこも枯れてなくて)」


「違うよ。揃ってるんだよ」


「(なんだ揃ってるって)」


「ここが揃ってるの」


 と言いながら指で花がかたまって毬になっているところの下の縁をなぞる。


 ……あぁ!なるほど。


「(そういうことか。歯抜けになってないってことだな)」


「なに。歯抜けって」


「(こういうのはダメなんだろ?)」


 両前足で掴むようにして菜の花を傾ける。俺が選んだのは左右非対称に花がついているものだ。


「そう!そういうのはガタガタだからだめ」


「(じゃあこういうのは?)」


 今度は綺麗に花がついているものを選んだ。


「それもダメ。ここに1個ついてるから」


 綺麗に毬の形になってはいるが、毬の下に1個飛び出ている花があるのが気になるらしい。

 気持ちは分かるが一旦ありがとうとでも言っておけば良いのに。……まぁ小学生なんてこんなものか。


「(むしれば良いだろ)」


 そう言うと子供は文句は言いはしなかったがまたあの変な笑い方をした。どうやら気に入らないらしい。正直腹が立つ。

 でも、四つ葉のクローバーを五つ葉をむしって作ったりしないものな。自然に生えているものを探してこその面白さかもしれない。


「(じゃあこれはどうだ?下に2つついてるけど揃ってるぞ)」


 今度のは毬の下に2つ、両手を伸ばすように左右対称に花がついているものだ。


「あ。レアだ!」


 気に入ったらしい。







 それから二人で手分けして綺麗な……綺麗かどうかは分からないが、子供曰く綺麗な花を探した。


 途中引き抜くときに思いっきり引きすぎて子供は手の平を真っ赤にしていた。

 痛そうにしているので帰るように促したが、「まだ 6時の音楽が鳴ってないから家の鍵が開いてない」と言う。まぁ嘘だろうが。


 せめてハサミはないのかと聞くと返事のひとつも言わずランドセルからハサミを取り出した。最初から使えば良いのに。




 結構集まったのでそろそろ終わりで良いんじゃないかと言うと、「お父さんへのプレゼントにしたい」と言い出した。


「(お母さんにじゃなくて?)」


「お母さんは夜逃げした…………あ。これ話しちゃダメなんだった。まぁいいか。猫だから」


 詳しく聞かない方が良い気がしたので話題を変える。


「(良いと思うけど菜の花じゃ喜んでくれないかもしれないぞ。その辺に生えてるし)」


 子供はまたあの変な笑い方をする。


 なんだ。俺が悪いのか?


「じゃあ花束にする」


 どうやって、と思う前に子供はランドセルから何かを取り出した。


「(二年生の時の文集か)」


「うん」


 春休みの間に先生が頑張ったのだろうなと思いながら見ていると子供は文集を破り始めた。


「(おいおい!それ何のページだ)」


「知らない子たちの」


 よく話したことがない子という意味だろう。それにしても破ることはないと思うが。


「(他のプリントじゃダメなのか?)」


「これで良い」


 そう返事をしながら子供はあっという間に菜の花を包んでいった。あっという間にやっただけあってあちこち破れているし、絞りすぎて雑巾のようになってしまっている。


「なんか変」


 大して表情は変わっていないが雰囲気がとても残念そうだ。むっつりと黙りこんでいる。


「もういい!」


 そう言って子供は花束を地面に叩きつけてしまった。なんというか、やはり可愛いげがない。


「(おい!そこまですることないだろ)」


「ん!」


「(あ。)」


 子供は川に花束を投げた。


 俺は咄嗟に飛び上がってそれを口にくわえた。


「…犬みたい」


 俺もそう思う。まだ猫の体に慣れていないからだろうか。




 それから子供は俺の一芸で機嫌をなおしたのか花束を作り直した。


「(上から下まで絞るんじゃなくて、上の方だけ広げるんだよ)」


 あまりぴんときていなかったようだが、花束って三角になっているだろう、と言うとなかなか上手に包み直した。その代わり文集のページはまた減ったが。


 こうなるとこっちも意地になってくる。関わってしまった以上最後まできっちりやろうじゃないか。


「(本物の花束みたいにしたらどうだ?葉っぱを挿して)」


 ススキの葉に似たすらっとした葉っぱを前足で指す。すると驚いたことに子供は素手で掴んで引き抜こうとした。


「いたっ!」


「(アホ。ハサミ持ってるだろ)」


 怪我をしたらしい。血が出てしまっている。


「あ…あ…」


「(痛いな。大丈夫か?)」


「ううん。いたくない」


「(じゃあ傷が深くないんだ。大丈夫すぐ治るよ)」


「……」


 切り傷って小さくてもやたら血が出るからビビるよな。


「……こんなのプレゼントしたら危ない」


 子供は恨めしげに葉っぱを睨んでいる。


「(大人はみんなこういう草は手が切れるんだって知ってるよ)」


 そう言うと子供はしぶしぶ葉っぱを切り始めた。

 しかしいざ集めた葉っぱを挿す段になるとしっくりこなかったのか「こんな葉っぱいらない。しょぼいし」と言う。怪我でだいぶテンションも下がっているようだ。


 なんとか宥めて、あちこち挿すんじゃなくて、こう、花を前にして、葉っぱを後ろの方に……と教えるとようやく得心がいったのか、「本物みたい」と喜んだ。




 しかし、「(リボンも何もないけどな)」と冗談めかして言ったのは失敗だった。


 子供は文集を綴じていた赤いリボンを引き抜き、花束の根本をくくってしまったのだ。


「(あーあー…)」


 もちろん文集はバラバラになった。切ないが大人が一生懸命作っても子供は所詮こんなものなんだろう。


「すっご!本物じゃん!」


 ただ、初めて笑顔らしい笑顔を見た。

 こういうちょっとした悪いことってやたら楽しいよな。







 6時の音楽が鳴っている。日が沈んでずいぶん暗くなってしまった。

 さすがに子供一人で帰らせるわけにもいかず、送っていくことにした。

 まぁ、いつもは一人でタスキをかけて帰っているのだろうが。


「ここ、僕の家」


「(そうか。お父さん、喜んでくれると良いな)」


「……」


 返事ぐらいすれば良いのに。


「明日もあそこにいる?」


「(ああ。たぶん)」


「……」


「(…明日も遊ぶか?)」


 暇だしな。


「うん!」


「(じゃあ、またな)」


「また明日!」




 そのままエサ探しに行こうとしたのだが、ちょっと気になることがあってその場に残る。

 俺は幽霊を大人になっても信じている連中は大人になってもサンタクロースを信じているのと同じだと馬鹿にしているタチだ。

 なのでこんな言い方はしたくないのだが、なんだかこの家から嫌な気配がするのだ。


 もちろん霊的なものだとは思っていない。ただ嫌な気配としか言いようがない。この家の中で常習的に『良くないこと』が行われているという予感がある。

 一見いい人に見えるのになんだか違和感を覚えるという、あの感覚によく似ている。



「ーーーーー!!!」


 怒鳴り声だ。


 親が子供を叱ることはおかしなことじゃない。たまに外で信じられないくらい大声で子供を叱っている人がいると少し引いたりするが、話してみるとわりとまともだったりする。


 決めつけるのは良くない。気にしすぎだとは思うが……。


 じりじりと声の元に近付いていく。もし俺と遊んだことがこの叱責に関わっているのなら、何を言われているのか知りたい。


 猫の姿であることが他人の家に聞き耳を立てる罪悪感をなくさせた。


「ー・ーーーー・ーーーーーー・ーーー・ーーー!!」


「ーー・ーーー!ーーーー」


 子供の泣き声が聞こえる。あの子の声だ。

 声の元に近付いているらしく言葉が断片的に聞こえてくる。


 なぜ叱られているんだ?帰りが遅くなったから叱られたのだろうか?でも、あの話からすると毎日遅くなるまで遊ぶのを親は知っているんじゃないのか?あの花束はどうした?あれを見れば普通の親は大抵のことなら許してしまうだろうに。


「この花束を作るためにケガしたんだよな!?」


「ーーーーーー」


 父親らしき声がはっきり聞こえ始めた。子供の方はというと泣きながらようやっと喋っているらしく、何を言っているのか分からない。


「父さんはな!こんな花束貰うよりお前が怪我せずに帰ってきてくれた方が嬉しいんだ!!」


 そういうことか。怪我を心配して、


「父さんがものを欲しがらない、我慢ができる人だって知ってるだろ!?」


「ーーーー」


「じゃあなんでこんなことしたんだ!?」


「ーーーーーーー!ーーーーーーーーー!!」


「父さんはな!お前がケガして帰ってくるんだったらな、こんな花束貰っても全然嬉しくないっっ!!」


「ーーーっ!!!!ーーーーーーーー!ーーーーーーーーーー~~~~!!」


「宗太!お前を怪我させたんだからこの菜の花は悪いものだ!だからゲンコツだ!悪いことしたらゲンコツいっかい!分かるな?」


「ーーーーー!!!ーーーー!!!!」


「宗太っ!」


 何かの音がした。



「……ー……ーー……」

(……あ……ああ……)



「ーーー?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

(いいか?悪いことしたらゲンコツを受けなきゃいけないんだ。そうしないと子供は悪いことを悪いって覚えられないんだ)



 そう聞こえた。たぶん違う。



「…ーー…………」

(…はい…………)



「ーーーー?ーー」

(分かるな?宗太)



 違う。壁越しに聞いてるんだから、本当ならこんなにはっきり聞こえないはずだ。怒鳴り声ならともかく。



「ーー………」

(はい………)






 ごつっ







 おれのせいで―――







 気がつくと朝だった。


 昨晩は、子供の父親が、「分かるな?宗太」と言って、恐らく、ゲンコツを……ゲンコツの音が外まで聞こえるだろうか?……まぁいい。とにかく、ゲンコツの音が聞こえたような気がして、


 おれのせい


 が聞こえたような気がして、その音を聞いた瞬間、いや、聞こえたような気がした瞬間、息がしづらくなって、息がしづらいというのは、吸って、吐いているつもりなのだが、息が一向に肺に入ってこないという、つまり過呼吸だと思うのだが、俺は過呼吸など人生で


 おれのせ


 人生で一回も経験したことがなく、昨晩は混乱していて自分が過呼吸だと気づくこともできず、一生懸命息をしようとして、ますます息が苦しくなり、意識がだんだん薄れていったのだがそのさなか


 おれの


 うっすらと二人の声が聞こえた。父親は泣く息子をなだめ、息子の方も、落ち着いたのか大きな泣き声は聞こえなかった。泣き続けてはいたようだが、父親に反抗的な態度をとっていなかったことは確かだ。


 おれ


 最初は少々独特だなと驚いたが、父親はうまく息子の感情をいなしつつ、息子の失敗に対してうまい落としどころを見つけたようだった。息子は親の悲しみを知って自分はもう二度と危ない真似をしないことを誓ったことだろう。


 お


 おれのせい?何が俺のせいなんだ。

 二人は分かりあって良い関係を築いている。周りから見れば少々独特であっても、弱者側に納得と信頼があればそれはまごうことなき本物の絆なのだ。俺はそう思う。





 夢を見た。

 右手に何かひんやりとした、重たいものを持っていた。

 俺の一番嫌いな夢だ。

 早く目を覚まさなければ。





 気がつくと朝だった。


 俺、そういえば昨日ここで親子喧嘩を聞いたんだよな。


 何を言っているのかはさすがに猫の耳をもってしても分からなかったが、父親らしき人物が大声で言っていた言葉は聞き取れた。


 どうにも怪我をしたことがショックだったらしく、菜の花の花束よりお前が無事に帰ってきてくれた方が良い!とまで言っていた。馬鹿にするつもりはないが、相当な親バカだ。


 思えばああいう草で手を切ることなど分かりきったことだったのだから、大人である俺が気を付けてやらねばならなかったのだ。あの子には悪いことをした。


 今日会ったら謝ろう、と思いながらまた食べ物を探して歩く。





 あ。ゴミ捨て場だ。


 あの袋、菜の花が入っている。


 赤いリボンが―――




 何処かの家で菜の花の和え物でもしたのかな?


 途中、キャットフードを猫にやっているおばあさんの家を見つけた。いろんな猫がやってきては、またふらりと去っていく。飼育しているわけではないのだろうが、おばあさんの家には猫の糞らしきものがいくつも転がっていた。

 失礼だがおばあさん自身も清潔感のある見た目とは言えず、恐らく近所から疎ましがられているだろうと思われる。


 近くで猫同士の喧嘩が起こった。足に弾かれたのかキャットフードが転がってきた。


 美味しそうな臭いがした。食べたいと思った。


 食べなかった。







 夕方になってまたあの河川敷に行った。

 子供はまだ来ていないようだ。川が流れるのを見ながらどんな言葉で謝るか考える。


 下校が始まったらしく子供の声が聞こえてくる。じきにあの子がやって来た。


「ネコ君!」


「(なんだネコ君って。俺のことか?)」


「え?女の人だったの?そんなに声低いのに」


「(…いや。ネコ君で合ってる)」


 気が重い。子供相手であっても人に謝るのは緊張するものだ。


 えーと、ああいう草で手を切るのは分かりきったことなのに、俺の監督不行き届きで……いや、シンプルに謝った方が良いか。


「(昨日は怪我させてごめんな。俺が気を付けてあげなきゃいけなかったのに)」


「……いいよ。僕男だからケガなんか全然平気だし」


 そう言いながら子供はこちらに注目させないように手をだらんとさせたまま、指で怪我をしたところをこねている。明らかに何か言いたげなので、何を言うのかと待ってみることにした。


「……」


「……これ見て」


 絆創膏だ。ただの絆創膏ではあるのだが、貼り方がおかしい。普通白い部分を傷に当てるはずなのだが、粘着部分を傷に当てるように貼っている。これでは痛いだろう。


「ああいう草で手を切るのってワカリキッタコトなんだって」




 俺はあの気色の悪い父親とまったく同じことを考えて―――――




 ん?俺なんか今おかしなこと考えたな。

 ……まぁいいや。何の話だっけ。


「(誰に言われたんだ?父親か?)」


「あ。そう。昨日父さんに怒られてね、それでね、うちって怪我をすぐ治しちゃいけないんだ。どうして怪我したのか忘れちゃうから」


「(もう同じことで怪我しないように、わざと傷の治りを遅くするってことか?)」


「そう。同じことで怪我しないように。……でね、絆創膏はこうやって貼るんだ。茶色のとこを傷に当てて、」


 ―――もしかしたら、助けてって言ってるのかも。


 ……あれ?なんだろう。また変なことを考えた。

 助けてってなんだ?自分ちの絆創膏の貼り方を話してるだけだろ。


 とはいえ、ちょっとおかしなやり方ではある。父親は子供が痛がっているのを見てなんとも思わないんだろうか?


「(絆創膏は傷口にバイ菌が入らないようにするために貼るものだぞ。治りが遅くなるように貼るなんておかしい。お父さんにやめてくれって言った方が良い)」


 だよな?それが『普通』だ。


「………」


 返事ぐらいすれば良いのに。


「でもね、走ってこけたときは白いところを貼って良いんだよ。あのね、絆創膏を茶色で貼らなきゃいけないのは僕がフチュウイで怪我したときなの。走るのは、トキトバアイニヨッテ良いことだから、走ってこけるのは良いんだって」


 ―――ところどころカタコトに聞こえる。たぶんよく分からなくて言われたまんまのこと言ってるんだ。


 ……いやいや。昨日の喧嘩見ただろ。あれだけ丁寧に説明するタイプの父親なんだから納得してないっていうのはあんまりないんじゃないか。


「(うん)」


「でもね、葉っぱを触って、手を切るのは、ワカリキッタコトだから、僕が馬鹿だったからだから、茶色を貼らなくちゃダメなんだ。そうしないとまた怪我しちゃうから」


 ―――あぁ。助けてほしいわけじゃないんだな。俺はこの子の気持ちがよく分かる。


 ―――俺が何かしてくれることを望んでいる訳じゃなくて、ただ知ってほしい、聞いてほしいんだ。


 ―――話を聞いてあげなくちゃ。


 いや。何かして欲しがってるだろ。わざわざ話してるんだから。


 この子の家は防ぎようのない怪我はしても良いけど、一度やらかしたら次は防げるような怪我はダメという方針らしい。

 それ自体が間違ってるとは思わない。ただ、こんなやり方じゃ子供が可哀想だ。


「(お父さんの言ってることは分かるけどな、俺はわざと痛い思いをさせるのは違うと思う)」


「うん…」


「(普通はもう同じことはしないようにしようね、って言っておしまいだ。お前のお父さんのやり方はおかしい。どうしてやめてって言わないんだ?)」


「……」


「(普通はな、やめてって言ったらやめてくれるもんだ。だから言ってみろって。大丈夫さ。お前は優しい子だからお前のお父さんもきっと優しい人だと思うよ俺は)」


「……」


 返事ぐらいすれば良いのに。



 それにしても、もしかしたらこの子の父親は少し変な教育をしているのかもしれない。

 絆創膏をあんな貼り方するか?普通。それで子供が文句を言わないのもおかしいし……。







 また次の日、俺達は河川敷で会った。


 よく見ていると子供は登下校班が通りすぎてしばらく経ってから遊びに来ていた。

 家に一旦帰ってから探検セットをランドセルに詰めなおしているのかもしれない。まさか本当にカギが開いてないわけじゃないだろう。


 子供は昨日と同じように川原の石を積み上げたり、ダムを作ったり、珍しい形の石を探したりしていたが、これなら手伝えそうだと思い珍しい形の石を探して持っていってやると、とても喜んでいた。


 俺の持っていった石はレア度が星3だそうだ。昨日も思ったが、この子は一人遊びが上手だ。本当に楽しそうに遊ぶ。


 昨日は怪我の話で変な雰囲気になったが、特に気にしていない様子だった。


 きっと寝たら忘れてしまったのだろう。子供なんてそんなもんだよな。




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