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洗濯する雨が降るパンツを履く

作者: JーWelf

お久しぶりです。少し暇なときにでも見ていってくださいな。

 おはよう、諸君。私だよ。いや、待ってつまらないかもしれないが最初と最後の文だけでも読んでいってくれ。


 まあせっかくの朝だ。窓から外を覗いてみてくれ。怖い?私も怖い。だから空だけを見上げるんだ。今日はスズメではなくカラスが飛んでいる、曇り模様、ひょっとしたら雨が降るかもしれない、いや昨日みたいに午後には天気が変わり快晴になるか?

 窓の下からほんの僅か、太陽さえ見えない僅かな隙間からだけでこんな情報が出てくる。さて、窓の外に興味はでたかい?出ない、あ、そう……。

 じゃ、じゃあ気を取り直して内側を覗いてみようじゃないか。今日の体調は?目覚めてから寒気がする、眠い、いやなんでこんなことを考えている?まぁ別にいいか。


 うん、つまらない。でも、もっと奥の夢を思い出してみよう。あぁ、別にこれは心理テストじゃないし夢は昨日寝て見た夢でも昔に連続して見てた印象深い夢でもいい。何だったら何かの主人公に自分を重ねてもいい。私の一番古い夢は寝ていなかった。かと言って起きていたかと言われるとそうでは無い。小さい頃、私の闇はバリアで覆われていた。小さな生物たちだった。小さな生物たちが密集して網を造っていたのだ。それらは私が暗いところに行くと嫌でも付いてきた。普通なやつ小さいやつ大きいやつ丸いやつ四角いやつ、レアなモノだと動いてもいた。色は赤から紫まで様々で私は色というモノをそいつらから学んだ。私はそいつらを夢と今では記憶の中でしか見られない夢の中の研究室でかっていた。そいつらはフィルムケースの中で纏まっており、蓋を開けると飛んでいくのだ。そうして夢の研究室から夢と見ている風景へ紛れ込んでいった。フフッ面白いだろう。そいつらは私が唯一成功した夢と現実を行き来出来る生命体だったのさ。今ではもう絶滅して記憶の中の博物館でしか見られないがね。さて、恐らくだがあなた方の一番古い夢も何かを学べるモノだっただろう。辛いかい?私もあいつらと会話が出来なくなってしまってつらい。


 そこで最後の一文になる。あぁ、もしも最初からここまで飛ばさずに読んでくれていた方はこのまま読み進めて欲しい。最初に読み飛ばして見た方で察しの言い方なら気付くだろうこれはそういう話さ。まぁいいじゃないか。続けよう


 しかしだ、しかし。私は最近まで一番古い夢を忘れていた。と、言うよりかは、ずっと夢を見ている気分なのさ。何せ夢の中と記憶を自由に行き来出来る生命体がいるのだ。どうしても境目というモノがあやふやになってしまう。ああ、今でもあやふやさ。特に最近は……ね。さてそんな私だが一ついいことがある。何だと思う?それは、だね。夢でも比較的自由に動けるのさ。いいだろう?何?普通のことだと?じゃあ比較的最近見た夢の話でもしよう。


 それは私が眠れず一夜明けそして日が暮れた時に眠り見た夢さ。私は半分幽霊になった。しかもきいて驚け、金髪ロングの美少女さ!あ、鼻で笑ったな?事実だ、受け入れてくれ。舞台は学園祭真っ最中の中学校。青空と見上げれる少し灰がかった白い校舎。私は逃げていたよ。敵役さんからね。

 中庭を真横に駆け抜ける。目の前は教室から中庭に続く扉を開け作業する生徒たち。何事かと振り向く生徒もいる。私はその扉から校舎に逃げ込もうとしていた。あぁ、しかし。大きなベニヤ板を持った生徒が来て塞いでしまった。仕方ない、やる……しか……。扉に続く3段しか無い階段をロイター板にみたて大きく跳ぶ。フワリ。私の体は宙へと進む。二回へと手を伸ばす30センチほど足りない。教室の上にある空気を入れ換えるための窓の淵をもう一度蹴る。届いた。見上げる生徒。翻るスカート。純粋にこれのせいでやりたくなかった。特に同じ視点から上にあがるのだそりゃ見るさ。私だって見る。


 さてここまでで私は3つの自由に選べるポイントがあった。1つ扉を強行突破すること。2つ今のように上に跳ぶこと。3つ敵役を迎え撃つこと。この夢はアグレッシブでね。続きとしては大立ち回りをするのさ。いつか話そう。で、だね。私はこの3つの選択肢を考えて、上に跳ぶことを選んだのさ。……ベニヤ板には絵が描かれていてね。美術部部員としては汚したくなかったのさ。それに中庭は多くの教室と繋がっていて敵役の増員を警戒したのさ。それに比べ上に跳ぶのは自分のスカートの中を覗かれる可能性が大きいだけ。人によっては考えられないかも知れない。でも私はそれを選んだ。


 私は生来臆病者でね、他人というモノがどうにも怖いんだ。うん、少し考えた今も胸が空いた気がするよ。まずベニヤ板の絵を見て強行突破を辞めたのは、私が美術部と言うことも有り大きな絵を描く難しさは少しだけ理解しているつもりだよ。自分のでさえ躊躇うさ人のものだとしたら特にね。次に敵役を迎撃し無かったこと。これは私が臆病者と同時にこういうことに関しては完全敗北したことが無くてねカゲンが分からないのさ。ああ、手加減の加減では無い。どれ位の人数が無理でどの位の増援が来るのか分からなかったからだ。事実この後2階に逃げたときに2階にいた敵役3人はやっつけたしね。いやだな、所詮は中学生の喧嘩だよ?大人の戦争は私はやったこと無いね。所謂臆病者の弱いモノいじめさ。特にこの夢の私の体は半分幽霊と言うこともあって冷静になっていてら透けることが出来るのさ。便利だろう?体の中をすり抜けていく感覚というのも私でも珍しい現象さ。


 さて臆病者で傲慢な半分幽霊の私は最終的に体育館で映画の役割紹介で主役だったのさ。破天荒な謎の学校の幽霊少女役「結花優香」それが最近の夢の私。幼馴染み達も古い姿で横に並んでいてね。久しぶりに楽しい夢だったよ。


 ここで内側を見るのを辞めてもう少し外を見てみようか。そうだね、窓と夢の間の……部屋でも見てみよう。私の部屋は季節感がめちゃくちゃさ。扇風機と石油ストーブが一緒にある。偶には模様替えをしようかと思うときもある。だが私には残念ながらセンスが無い。ゲームじゃ取りあえず高いものを買ってればそれなりの見た目になるが日本ではね。高いだけでもみすぼらしくなる。何より高いと言うだけで部屋にピカソのゲルニカを飾ってもあまり良い夢は見れそうにも無いよ。まあ私の部屋はとにかく人をもてなすのには向いていない。数年間ポータブル音楽プレーヤーで音楽を掛け続けたせいか無音が苦しくてね。今ではパソコンの駆動音が続いているよ。コイツは10年くらいの仲でね。もう若くないのさ。一旦睡眠をとると起こしたときにブブブって寝不足だ!って怒るのさ。いやあすまないな。これからもよろしく頼むよ。


 さて駆動音のする髪が散乱する部屋さ。定期的に掃除はしているんだよ?昔は部屋の床がプリントで埋め尽くされていたがね。いやはや、学校で配られるプリントを集めたら人一人より絶対に重いと私は思うね。まぁ価値も分からず燃やしてしまったがね。もし、散乱しているなら慎重に選ぶと良い。学びは大切だよ。暗い話はやめて窓に近づこう。


 私の部屋の窓は大体カーテンをかけている。何せ夏は日が照って暑すぎるし冬は窓からの冷気が酷いのだ。ここ最近はカーテンと共にジャージが掛かっているがね。もう何処か動かせないのさ。困った性格だよ。


 さて窓の傍を見たならそのまま水平に見てみようか。私がこの文を表している時間では雲と町がとてもよく見えるようになっている。今日もどうやら寒空のようだ。私は曇りが一番好きでね。眩しくないのさ、町が。


 ここまできたら大体分かると思うが私は半分引きこもりでね。外は辛いのさ。小説でよくあるじゃないか、死んだような生活と。私はあれよりかはマシで現実的な生活をしてはいる。そう残念ながら現実的な、ね。いっそ小説の中のように振り切ってしまえば楽になるかも知れない。そう思ったことはいくらでもある。完全に引きこもり、外界を閉ざしゲームに生きる。心機一転、スーツを着込み小さな会社の雑用から学びやがて大企業の中心へ。ああ、なんて心が揺さぶられる。揺さぶられるんだ……。


 ナゼソイツダ?


 決まっているどちらも対極とは言え努力している。そして自分のようにいつまでも夢を見ていない。ああそうさ、自分は夢見心地で夢の人物になれる、偽物とは言え体験出来てしまう。一つ話をしよう。自分が何か大事なモノを決定的に見失ってしまった時の話さ。

 いきなり話が変わったかい?ああ、ならば最後の文を読んでくれ。そして窓の下を覗いてくれ。近づきたいなら扉を強行突破することだ。


 さて自分が現役の学生時代の今のような寒空の曇り。あの時もこのような天気だった。2週間も前から続く謎の体調不良。おかしい体の中で何かが動いている。息が持たない。シャトルランの記録が目に見えて落ちた。なぜだ?分からない。体験したことが無い。しかし日常は変わらない。些細な違和感は小さなとげのように不安を煽っていた。もうすぐ受験でもある。


(前に受験してみたいと思ったのは3年前、今回はほぼ自動的に、半場流されてだが……まぁ、普通のテストと同じか……?授業も変わり映えしないしな。さて今日は持久走か……前日のシャトルランの記録がおかしかったから今日は病院に念のため行く予定だったから無理はしないで置こう。天気は曇りで寒いな。晴れないかな?ウォーミングアップ……やはり何かがおかしい。)


 その時だ


 ブチッ


 体の中で何かが弾けた。


 最初何もかもが分からなかった。(何故自分の中で無理矢理ちぎったような音が響く?何故心臓が跳ねた?何故胸の下がこんなにも痛い?)


 それまで順調とは行かなかったがウォーミングアップをしていた300メートルトラックの中ほどで立ち止まってしまった。明らかな異常。明らかな痛み。全てが分からなかった。


(こういうときは?僕は今何をしている?持久走のウォーミングアップ中。先生は?トラックの反対側だ。突っ切るか?いや他の人は走っている。

 僕は中ほどの早さだった。そして中ほどの場所にいた。

 体調不良の人は?最初から休んでいる。痛い。とにかく進まなきゃ。歩く平気だ、少し踏み出す、痛い。きつさは?倒れるほどでは無い。あれ?倒れるほどでは無いのならそれほどでも無いのか?いや、明らかな異常だ。怖い。痛い。進め。

 痛むあばら辺りを押さえながらゆっくりとトラックにそって歩く。

 歩くのは平気……。順位は、まぁまだ持久走前だ。あまり関係ないか。取りあえずゆっくりでも良い。()()()()()()()()()()……。)

(やっと着いた。しまったな。順番的に最後だ。記録取りが始まる。先生に伝えないと。)


「先生、体調不良で休んでも良いですか。」


「……。さっきまでウォーミングアップしていただろ?頑張れ、今日は記録を採る日だからな」


「………はい。


 一斉にスタートする持久走。最後尾の自分は遅らせる立場だ。確かに体調不良では見ないな。()()()()()()()()()()()()()()。しょうが無い痛みは先ほどより落ち着いた。無理し無ければ大丈夫だろう。


 よーい、ドン!


 一斉にスタート、慎重に踏み出す。……痛くない?気のせいか……?

 少しペースを上げる。

 おかしい。

 トラックの4分の1まで着たとき、息切れし始めた。

 おかしい。

 いつもなら2周目並みのキツさだ。

 おかしい。

 半分まで着た。自分の影が遙か前で走っている。

 何故こんなに息が続かない?

 4分の3、先生に体調不良を。いや、さっき断られた。それに自分にはだれも付き添っていない。

 走れ!

 2周目。

 後3周も?

 すでに1位は自分の影を見ているだろう。

 とにかく走れ。まだ一番下じゃ無い。


 さて自分は結局最後は曇り空を見ながらも走りきりゴールした。記録は残したくないほど酷いモノだった。7分か8分の45秒、妙に秒数だけが頭にこびりついている。この日の放課後自分は親に連れられ病院に行った。右肺の気胸だった。

 家にも帰れず制服のまま入院。初めてのことだった。

 この時、鋭利な刃が自分の体を切る音を知った。

 自分の体は医学部の学生と思わしき人たちの前で無抵抗で痛みに耐えなくてはならなかった。

 手術はありふれたモノではあったがやり方が奇妙だったらしく看護師の人から不思議がられた。

 5日で1度目の入院が終わり、祝日を挟んだ次の日。結局よく分からないまま自分は受験会場にいた。

 そこには持久走の時の先生がいた。当たり前だ。自分達の学年の担任でもある。しかし何故わざわざ自分のところにいるのかが分からない。


 おはようございます。お久しぶりです。受験はどうすれば良いですか?


「おぉ!よく来てくれたね!受験表はもう少し待ってくれ!」


 はい。


「元気してたか?」


 いえ、特には。


 受験番号と受験会場の教室が発表された。知らない、学校と似てるけど、もっと漫画の学校っぽい?


 自分が最初に思ったのはそれだけ。


 試験問題は習った部分の復習問題や応用問題が殆どだ。だけど、自分には解けなかった。


 面接、1対4での面接だ。他人を参考に出来ない。2回やった面接は5対2だ。言い回しは?忘れた。


 結局ぼーっとしている間に受験は終わった。


 そして次の日。

 目が覚めると()()()()()があった。

 検査、入院。

 2回目だ。またああなんだろうなと思った。

 しかし違った。

 手術室のような特別な可動式ベッドがない普通の病室。

 自分を取り囲むように立つ学生のような人物が居ない。

 別室から見る別の医者、居ない。

 テレビを見ながら寝転んでいたらなんてこと無いようにやってきてなんてこと無いように終わった。痛みもあまり無い。


 一回目は何だったの?


 すでに4日も前の手術痕は未だじくじくと肉が見えている。


 2回目の入院も5日だった。

 体重は5キロ程痩せた。

 安静にと言われた日も終わった。

 学校に……何しに?


 私はその時から不登校になった。

 卒業式は一応参加、もはや恒例の式の最後の退場前に先生への感謝の言葉を大声で言う。直前に言われた部分を次の人が聞こえるように言った。先生は泣いていた。私の記憶違いで無ければ式後、最後の教室で成人式に来ると言っていた。


 高校は滑り止めが受かっていたのでそこに行った。2回目の受験はしたくなかった。


 高校では最初は頑張ろうと思った。しかし潰えた。

 卒業出来たが式には参加しなかった。


 大学は何故か受かった。2ヶ月もせず辞める。


 そこから1年以上何もしなかった。


 途中バイトの面接に一回行ったが落ちた。当然だ。大学は?何してた?問い質問に応えられなかった。


 やがて2回目のバイトの面接に行く。人手不足だったためか面接はどちらかと言えば説明だった。


 そこから少し、成人式が来た。ふと、少ない友人を冷やかすために行ってみた。この時からの私は当時の事は吹っ切れたかのように冗談めかして言うようになっていた。先生は来なかった。


 趣味の延長に手を出そうと思った。続かない。私はすでに手を抜くことに慣れすぎていた。


 あの時流行っていたやる気スイッチとやらは私には実装されていないようだ。


 もう一度空を見よう。


 曇っていた空は晴れ太陽が忌々しく体を温める。風は冷たい。きっと良い運動日和だろう。


 さてどうだろう諸君つまらなかったかね?最後に私はこう言うモノを履いているんだ。最低限の守りというモノを













































 そして私はまた殺された。

と言うわけでお久しぶりです。初めましての方は初めまして。

絶賛スランプ中のヴェルフです。


少し趣向を変えて書いてみたのですがどうでしょうか?


よかった点や気になる点がありましたらお気軽にコメントを残していってくださいね。


評価もお待ちしております。


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