表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/92

人の嫁寝とったんだから、逆に寝取られても文句は言えないよね?

2019.6

ノクターン用に制作。しかし何か違うと思いボツ

  嫁が不倫を…………


 寝室に仕込んだビデオカメラを回収しこっそりと再生し、そこに映し出されていた嫁と若い男との濡れ場に俺は愕然とした。


 結婚して二年目、40年ローンで買ったマイホーム。しかし、夢のマイホームが、昼間に他の男と寝るためのラブホとして使われていたと知り、一心不乱に仕事に励んでいた私の中で何かがおかしくなる音がした。



 ソファでくつろぐ嫁の目の前に、ビデオカメラを無言で置いた。小さな画面の向こうでは、嫁の乱れる姿が映っている。


「―――!!!!」


 嫁は言葉を失い、私の方を見つめたまま涙を流し、やがてはその場に蹲って嗚咽を漏らし始めた。


 冷蔵庫から水を取り出し、私は嫁が落ち着くまでソファで待ち続けた。嫁の口から先に出るのが『謝罪』か『言い訳』かによって私の出方は大きく変わるだろう。もしも『開き直り』なんて事になれば私は発狂してしまうかもしれない。




 さて、ようやく落ち着いた嫁は顔を上げ、その重い口を開いた。

 相手は行きつけの美容室のオーナーで34歳。SNSでやり取りをするうちに深い仲になり、数ヶ月程前から肌を重ねる様になったという…………。


 そして、肝心の言葉だが……


「貴方が仕事で毎日遅いから、私寂しくて……つい」



 ……これは何だ。俺が悪いのか?


 確かに帰るのも11時位だ。当然嫁は寝ていることが多い。それでも俺はマイホームの支払いの為にせっせと働いているのに……この仕打ちは無いだろう!?



 俺は嫁を連れて奴が経営する美容室へと車で向かった。自宅の一階が美容室となっており、二階が居住区となっている。嫁は俯いたまま何も言わず震えている。


 美容室は閉まっており、どうやら今日は休みのようだ。インターフォンを押し、相手の出方を待つ。



  ―――ガチャ


 開かれた扉から現れたのは、茶髪の女性だった。恐らく奴の嫁だろう。女性は俺と泣いている嫁を見るなりキョトンとした表情で固まってしまった。


「お忙しいときにすみません。大事なお話がありますので、少し宜しいでしょうか? 奥様にも関係ある事です……」


「は、はぁ……」


 奴の嫁さんは、良く分からないと言った感じで俺達を居住区へと招き入れた。嫁が入るのを渋ったので先に行かせ俺はその後ろをついていく。


「誰か来たのか?」


 居住区のキッチンで何か調理していた奴がこちらを振り向き、

嫁の顔を見るなり固まって目を伏せてしまった。



「突然すみません。実は奥様に観て頂きたい物が……」


 俺は持ってきたビデオカメラを再生した。見る見るうちに奴の嫁さんの顔が青ざめていくのが分かった……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ