アメリカから来た少女 ~大和撫子はBLが好き~
2020.3.27
おほもシリーズより。
何か違う気がしてボツ
「えー、突然だが転校生を紹介する」
ある日の朝のホームルームに突然ぶち込まれた核弾頭発言。生徒達は「ファッ!?」となり狂喜乱舞し暴れまくった。
「あー、嬉しいのは分かるがとりあえず落ち着け。……紹介する、転校生のケーナちゃんだ!!」
──ガラッ!
教室へ颯爽と入場する一人の少女。それは黄金を靡かせ、自由なスクールメイツの制服を身に纏い、極めてイージーなスカートにファンシーなシューズで軽やかなステップを踏んでいた。
「ファァァァァァッッッッ!!!!」
異国の女子の登場に、クラスの男子達のボルテージ及びSON値が異常値を検出! その喧しさに担任は耳を塞ぎ、落ち着くのを待った。
「あー、先ずは自己紹介を頼む」
「オーケー♪」
少女は八重歯が見える笑みを浮かべ、クラスを見渡した。
「ユナイテッドステイツ カラ キマシタ 『父出ケーナ』デス! コレカラ サンカゲツカン ナイスチューミーチュー デース!」
「ファァァァァァッッッッ!!!!…………ファ?」
男子達が疑問の声で静まり返る。
「あー、ケーナちゃんは家族の仕事の都合で三ヶ月だけ日本にいるそうだ。その間だけだが、皆の仲間として宜しくな!」
「オナシャス!」
──チラッ
「ファァァァァァッッッッ!!!!」
イージーなスカートをチラリと捲ると、再び男子達のボルテージとSON値が異常値を検出した。実に単純な生き物である。
「ケーナちゃんの席は……山里の隣にしようか。丁度隣が風邪で休んでるから、そのままアイツには三ヶ月休んで貰おう」
「アイアイサー♪」
モデルの様なウォーキングでしなやかに席へと移動するケーナ。そして指定された席に座ると、隣の山里良典へと挨拶をした。
「ハロォ♪」
パタパタと手を振るケーナ。しかし良典は初めて相対する異国の少女に困惑し、酷く堅苦しい笑顔で挨拶を返した……。
(なんで地毛が金髪なんだ!? どういう仕組みなんだ!?
しかも目が青いぞ!? どういう仕組みなんだ!? そして乳デケーナおい!! どういう仕組みなんだ!?)
良典はケーナにUMA感を覚えたが、巨乳だったので許した。
休み時間になると、ケーナの周りは人集りが出来、瞬く間にケーナはクラスの人気者になった。
「凄い人気だな」
「私も米国の方は初めてで御座います。きっと皆様もそうなのでしょう……」
「……で、楓は何を書いてるのかな?」
良典が楓のノートを覗くと、そこにはサッカー少年11人が朝チュンする絵が描かれている所であった。
「学校内で書くのは止めなさい……!!」
「そ、そんなぁ……!」
良典の幼馴染みの月見里楓の家は、古来より伝統や古風な暮らしを重んじる家系であり、テレビは勿論の事スマホやゲーム、ネットの類いですら観る事を禁じられていた。
そして大和撫子を地で往く彼女が辿り着いた先が……腐女子だった。
「没収です」
楓のノートをひったくる良典。
「あぁん、良典様ぁ……!」
口惜しそうに良典を睨む楓。しかし良典は心を鬼にしてノートを自分の鞄へと仕舞い込んだ。
「……そう言えば次は体育だな…………」
良典はケーナの人集りへと目をやった。するとそこには自分のスペアの体操服をケーナに差し出す委員長が居た。
──バルンッ!
──バルルンッ!
──ブルンブルンッッッッ!!
小柄な委員長の体操服を着たピチピチのケーナ。ちょっときつめな体操服に強調され、縦横無尽東奔西走なケーナの自由の女神に男子諸君の目は釘付けになりSON値がガリガリと削れてゆく。
「良典様は先程から何処を御覧になられておられるのですか……!?」
「……ふあっ!? いかんいかん!」
むすっと頬を膨らませふて腐れる楓。良典はいつの間にかケーナを目で追っていた自分を戒め、真面目に授業へと取り組んだ。しかし男子諸君の殆どは既にケーナから目を離せず前屈みとなり、生まれたての小鹿の如き動きで体育をせざるを得なかった……。
昼休みになると、良典は楓と共に屋上で昼食を取る。友達の西村達夫と委員長も混ざり四人でワイワイとするのが日課となっている。
「委員長が体操服を貸すから大変なことになってたぞ……」
「仕方ないじゃん! 持ってないって言うんだから。まぁ、確かに私の服じゃ少し小さかったけどさ……」
「それが逆に良かった」
ぼそっと達夫が委員長の勇気ある行動を絶賛した。
「あんた達、あまりジロジロ見るんじゃないわよ?」
「み、見ねーよ!」
「見るなって言われても、気にはなるけどな……」




