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転生③

 俺はお姉さんの後ろを

 零距離戦法でついて行った。

 お姉さんの香水の匂いが最高にヤバい!


 「うへへ……良い匂い」

 我ながらヤバい顔をしている気がする。


 「ところで、お兄さんのお名前は?」

 いきなり後ろを振り返るお姉さん。

 慌てて真顔に戻る。危ない危ない……。

 「名前、名前ねぇ……」

 チラリと死神を覗う。


 「好きにしろ」

 あ、そう……。


 「へへ、俺は風車の夜七!

  宜しくな!」

 口に咥えてた風車を投げるフリをした。


 「夜七さんですね!

  なんてしぶいお名前……」

 お姉さんが両手を組み、

 まじまじと俺の顔を見る……。

 これ《魅了(チャーム)》無しで

 イケるんじゃね?


 「着きました。ここが私の家です。

  小さいですがどうぞ!」

 小さな赤い屋根の木造平屋がお姉さんの家だった。


 「お邪魔します!!」

 初めて入る女性の家。

 お姉さんの香水の匂いが一段と強くなる。


 「ウホォア!メッチャ綺麗ですね!

  パンツとか無いんですか!?」

 心の願望がすぐ漏れるのは俺の悪いクセだ。

 またやっちまった……。お姉さんドン引きだよ。


 「お、お風呂どうぞ……」

 お姉さんが風呂場へ案内してくれた。

 「ん?あれ?これって――」

 俺が思わず指差した先には、

 歯ブラシが2つ入ったコップがあった。


 「あ、ええ。今は彼と2人暮らしなんです」

 「……」

 まさかの事態に固まる俺。

 「おい、まだ死ぬな。生きろ」

 死神が俺に声をかける。


 「はっ!」

 危うくまた転生しかけるところだったぜ……。

 彼氏持ちとは言え、半分は彼女の家だ。

 この歯ブラシもどっちかは彼女の物だ。

 しかし緑と青だと、どっちが彼女のか解らない!

 

 「彼氏さんは帰りは遅いんですか?」

 服を脱ぎながらお姉さんに話しかける。

 「そろそろ帰ってくると思います」

 脱衣所の向こうから返事がした。

 俺は舌打ちを1発かまし、シャワーを浴びた……。


 「野郎のシャンプーを薄めておいたぜ……」

 「やる事がいちいち小さいな」

 渾身のイタズラを後に風呂を上がると、

 脱衣所には男物の服があった。

 「それ彼のですが着て下さい」

 お姉さんの服が着たかったです!!


 用意されたワイシャツとジーンズ。

 「サイズぴったり……」

 自分の物と勘違いする程に着心地が良かった。


 脱衣所を出ると、キッチンに居たお姉さんと目が合った。

 「あっ!ぴったりですね~!

  よく似合いますよ!」

 手を合わせ、こちらへ近付くお姉さん。

 そうですか、お似合いカップルですか!



  ガチャ……


 「ただいま~」

 彼氏と思われる男の声がする。

 俺の中の殺意が急上昇していく。

 「……ニヤリ」

 死神さん?何笑ってるんですか?


 「あ、こんばんは――」

 彼氏と目が合う。ややイケメン。

 男は俺を見て固まり、次第にジーンズの一部が

 盛り上がっていくのが嫌でも分かった……。


 男が無言でジーンズを脱ぐ。

 俺は昼間の光景がフラッシュバック!!

 男がパンツを脱ごうとする。

 俺は全速力でお姉さんの家から逃げ出した!!



 「よりによってあいつが彼氏かよ!!」

  俺は村の外まで全力で逃げた……。





 俺は誰もいない夜道をトボトボと歩いた。

 「服置いてきちゃった……」

 ワイシャツにジーンズ。夜は肌寒い。

 「ぶえっくしゅん!!」

 俺の鼻水が死神さんをすり抜け遠くまで飛んだ。


  ザザ…… ザー……

 「ん?何か音がする」

 僅かな音に聞き耳を立てた。

 「ああ、あっちは海だぞ」

 死神が道の奥を指さした。


 「え゛!? マジで!!

  ちょっ!行こう行こう!!」

 子供の様なテンションで海まで全速ダッシュした。


 目の前に砂浜が広がり、夜の海はとても綺麗だった。

 俺は裸足で波打ち際まで行き、海水をすくった。

 「本当に海水だ……」

 1口舐めたしょっぱい水は自分が良く知る海水と同じ味だった。


 俺は浜辺を見渡し何か無いか調べた。

 すると、遠くの方に誰かが座っているのが見えた。


 すこしずつ近づき、背後から様子を覗う。

 どうやら女性2人組が座ってお喋りしている様だ。


 「金髪と……黒髪か?

  死神さん。金髪の娘いいっすか?」

 「やれやれ、懲りない奴だ……」

 死神は指を静かに鳴らした。


 金髪の女性がビクンッと驚き、こちらを振り返る。

 黒のビキニの上に白のワンピース。そして巨乳。

 色黒で顔はギャル風だった。

 「ギャルはあまり好きじゃないが、

  乳が良ければ全て良し!!」

 俺は渾身のガッツポーズをかました。


 ギャルが無言でこちらへ手招きしてきた。

 となりの娘が「誰アイツ?」って

 顔で見てるけど無視しよう。


 「へへへ……」

 スケベ顔全開で近づく俺。

 ギャルの隣に座ると、ギャルは俺の顔を

 自分の胸に押し付けた!!


 「あっ……天国ですわ…………」

 頭が真っ白になり何も考えられなくなる。

 「え!? 何!? 何してんの!!」

 隣で黒髪の娘が困惑していた。


 俺はギャルの匂いと温もりと肌の質感を

 これ以上無い程堪能しまくった!

 「生きてて良かった!生きてて良かった!」

 顔をグリグリ埋める俺に

 ギャルは優しく頭をナデナデしてくれた。

 「ギャルやべぇ……」

 「ちょっと意味わかんない!帰る!!」

 黒髪の娘が走って帰っていった。

 しかし、構わず俺の頭を撫でるギャル。

 「異世界最高……!」


 「ほんとお前さんを見てると飽きないなぁ〜」

 死神が後ろで微笑んだ。


 どれ、そろそろ乳神様を参拝なさいますか……。

 俺がギャルのビキニへ手をかけようとした瞬間――


 「 そこで何をしている!! 」


 突然の声にめっちゃ驚く俺。

 慌てて起き上がろうとするが――


 「ちょっ!離して!!」

 ギャルが俺の頭を抱えたまま離さない。

 今だけは離してくれ!


 「 ここで何をしている!! 」

 数人の足音が聞こえ俺達を取り囲む。

 姿は見えないけどね。



 「うるせぇな!!

  今良いとこなんだよ!」

 ギャルが暴言と共に腰から

 何かを取り出すと――


  ドンッ! ドン!ドン!


 鈍い発砲音が三発。

 誰かが倒れる音が三回。


 辺りが再び静かになり波の音が

 聞こえ始めると、俺は今起きた出来事に

 恐怖を感じ、オシッコを少し漏らした……。


 「おっ!漏らしちゃって可愛いね♪

  それじゃあ続きはオレの家でな」

 ギャルは俺をお姫様抱っこすると、足早にその場を

 立ち去った……。

 

転生物を書きたかったが、ここで筆がストップ。しばし考えたが初速を上回る物が閃かなかった為ボツとなりました

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