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62.熱気球じゃ!


 父上、気球の設計図、設計計算の添削、ご指摘、ありがとうございました。 


 わしの体重じゃが、そんなことはほうっておくのじゃ。

 いくらなんでも科学部の殿御より重いことはあるまいて。殿御の平均体重で計算しておるわ。

 とりあえず容積はこれでよい。そこの設計は変えんでいいわの。


「これ降りるときはどうすんだ」とのことじゃがの、仰せの通りじゃ。

 父上の描いた図面の位置に気抜き穴を大急ぎで作っておる。紐でひっぱると穴がひらくやつよの。二本のひもで開いたり閉じたりできるようにしておいたの。


「ロープの重量を計算に入れたのか」という話もあいつらすっかり忘れておったの。わしが乗って浮き上がっても、ロープでつないでおかないと糸の切れたタコじゃな。会場からいなくなってしまうわの。気球に縛り付けて地面に垂らすロープの重量は確かに荷重の一つじゃの。

 緊急の時にロープを伝って降りられるようにカラビナのフックも装備じゃ。

 父上の言う通り「安全第一」じゃからの。


 今バラストを減らして籠を軽量化しておる。

 竹籠を使う予定だったのじゃが、藤籠に変えたのじゃ。

 20%の重量減じゃ。

 ファイアボールを気室内で保持する方法だがの、布に触れたら燃え上がってしまうからのう。ライトボールを浮かしておく魔道ランプの大きな奴を改造中じゃ。

 学校所有の物じゃからの、文化祭が終わったら元通りにして返さないといかんので壊さないように気を付けないとの。

 殿御の生徒が十人もおってみんなちくちくと針仕事したり紐を編んだりしておる光景はちと異様じゃ。


 そんなわけで科学部はいま大忙しじゃ。

 あいつら飯も食わんでやっておるのでの、十人分の弁当を作ってもっていったら泣いて喜んどったな。科学部に入ってくれとうるさいのじゃ。

「絶対安全なものにしますから!」と言うのだがの。

 あいつらがそれ言うとフラグとやらにしか聞こえんの。


 ま、わしは50カーリン上から落ちてもケガもせんだろうから別にいいわ。


   1029年9月17日 ナーリンより。


 追伸。

 大ニュースじゃ!

 今年の生徒会主催の武闘会、兄上も出場するのじゃ!

 どういう気持ちの変化かのう?

 キャロラインは狂喜乱舞しておるがのう。

 男子生徒に絡まれ続けるのが面倒になったかの?

 それとも卒業が近いのでもうどうでもよくなったのかの?

 それともコテンパンにやられてキャロルに愛想がつかされるのが目的かの?

 謎じゃ。



次回「文化祭じゃ!」

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