42.生徒会の仕事ってなんじゃ
父上様、母上様、兄上の近況をお知らせするぞ。
生徒会室にの、アンケートの結果を届けに行ったのじゃがの。あ、アンケートというのは学校、生徒会に対する要望じゃがの。
あ、これも言っときゃならんがわしはクラスの生徒会委員になったのじゃ。エーリスの推薦での。
「ナーリンさんリーダーシップがありますもの」とか言うてのう。 嫌がらせのつもりで面倒事を押し付けて意地悪しようとしたのだろうがの、わしがすんなり「いいぞ」と言うたら逆に驚いておったのう。
生徒会委員ってのは要するにクラスと生徒会の連絡係と雑用じゃの。
キャロルも兄上も生徒会にいるのだからちょうどよいわ。
クラスの委員長は誰だったかのう。目立たんやつだったから忘れたわ。
で、そのアンケートをな、持っていったら生徒会長のキャロルと兄上がいてのう。
キャロルはの、大喜びでお茶だお菓子だというてわしに学園生活はどうだ困ったことは無いかなにか面白い話は無いかとずーっとしゃべりっぱなしなのだがの、その間兄上はずーっとアンケートの集計をしておったのじゃ。
部活には入らないのか父上は元気か母上はどうしておるトーラスがなにをやらかしたのかにやらかしたのと喋っている間兄上はずーっとそろばんで部費を割り振っておってな。
あの女、生徒会の仕事をぜーんぶ兄上に丸投げしとるのじゃ!!
なにが生徒会長じゃ!
「だってこういうのは貴之様のほうが得意だし」というのじゃがの、第三王女が兄上に「様」はないじゃろ「様」は。兄上いったい何者なのかと他の生徒が驚愕するわの。
「得意だろうが苦手だろうが共に学び共に励むのが学生というものじゃ。トーラスの理念忘れるな。これでは王族の身分を振りかざして平民をコキ使っているようにしか見えぬわ。キャロルも働くのじゃ」というと、「ご褒美はあげてるわよ?」と言って働く兄上の後ろから抱き着いて頭の上に顎を載せて乳をぐりぐり押し付けるのじゃ。
兄上が頭を上げたので顎を強打して舌を噛んで悶絶しておったがの。
「兄上もキャロルを甘やかしてはいかんぞ」と言うたらの、しかめっ面しておった。つまりキャロルにやらせるぐらいなら自分でやったほうがマシということじゃの。父上がいつもしておるあの顔じゃ。
先が思いやられるの。
しかし生徒会って他にも書記とか会計とか議長とかおったはずじゃがの。
どこにいっておるのじゃ?
母上も仕事、父上に丸投げしたりはしておらぬだろうの?
1029年4月18日 いろいろ心配なナーリンより。
次回「炊き出し実習でモツ煮込みじゃ」




