101.修学旅行じゃ4
……興奮しすぎて夜ばったり寝てしまったのでのう。
おなごたちというのはほんと黒いのう。
わしもおなごなのじゃが。
昨日はみんなピカピカとトラスタンを引きずり回しておったそうな。
いわれてみれば班行動の時おらんかったの、ピカピカ。
今日は船を借りて湾内を一周するのじゃ。
わしは一瞬で船旅をあきらめたわ。
船が揺れるので気持ち悪くなった……。
わしに外国は無理なようじゃ。
残念だのう。
みんなデッキに出て海を眺めて喜んでおるのに、わしは船室でへたばって寝ておった。最悪じゃ。
寝ておるとピカピカやトラスタンがかわるがわる来て「大丈夫か」というので蹴り出したわ。わしは機嫌が悪いのじゃ。こやつらどっちもわしにコテンパンにやっつけられておるのでのう、わしがへたばっておるとこが見たいのじゃろうて。
船を降りてからもしばらくふらふらしておったのう。
「ナーリンの弱点がまたひとつ」と言って班の殿御が笑うのじゃ。
「ナーリンは魔法に弱い」伝説に、「ナーリンは船に弱い」伝説が加わったのじゃ。ほうっておくのじゃ。
また馬車に乗って今日から王都に帰るのじゃ。
わしはずーっと毛布かぶって馬車の中で寝ておったわ。
いろいろ疲れたわの。
「ナーリンでも疲れることがあるんだな。」とみんな驚いておった。
わしをなんだと思っておるのじゃ。
10月31日分。 つづくのじゃ。
そんなわけで昨日帰って来たのじゃ。
今日は一日寝ておった。
長い手紙になったのう。
報告したいことがいっぱいいっぱいあったのじゃ。許すのじゃぞ。
1030年11月3日 ナーリンより。
次回「お返事ありがとうございますじゃ」




