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幻想(ファンタジー)の欠片~今日の授業を始めます~  作者: 月灯銀雪
ささやかなる幻想(ファンタジー)
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3【生物学】人類について



 拙作へお立ち寄りいただき、ありがとうございます(*^人^*)



 





 え〜と、皆さんこんにちは。生物学の授業を担当する、セリーネ・シュタイゼルです。シュタイゼル教授でもいいですけど「セリーネせんせ♪」って可愛く呼んでくれたら嬉しいです。




 それでは、授業を始めましょう。

 この世界には、様々な生き物が存在します。今日は、人類についてのお勉強をしましょうね。




 皆さんは、どのような生き物を人類と呼ぶのか ご存知ですか?




 ええ、そうですよ。わたくし達のような人族も人類の一種族に分類されますね。




 大まかに言ってしまうと、二足歩行を可能とし、言葉や文字によって意志疎通が可能で、社会的な生活……そうですねぇ……言葉を理解できず、繁殖期や腹ペコな時には同族同士で殺し合う動物さんや、自分以外は皆食べ物 !と言わんばかりに襲ってくる魔獣さんと違って、喧嘩はしても国や集落を作って一緒に暮らしたり お仕事なんかができる 秩序や理性を持った者達を人類と呼ぶことができます。




 主な人類としてはですね、一番数が多いのが、わたくし達 人族です。突出した魔力や身体能力を持たない者が殆どですが、器用な者が多く、多属性の適性を持てるのが特徴ですね。


 稀に魔力・身体能力が特に優れた勇者や全属性を駆使する魔導師など、他の人類には顕れない英雄が生まれるという 種族内での能力差の幅が広い代わりに、途方もない可能性を秘めた種族なんですよ。




 次に多いのは妖精族ですね。ええ、皆さんも物語や歌、時々街中でも見たことがあるでしょう、俗に言う エルフさん・ドワーフさん・獣人さん 達ですね。この辺は内陸部なのでなかなか見かけませんが、メロウさん達も 妖精族の仲間ですよ。この学校にも、何人か妖精族や妖精族の血縁者がいらっしゃるので、お会いしても驚かないでくださいね。


 遠い昔。神霊と呼ばれる肉体に依存しない自然を司る生命体が、人の器に宿ったのか、人との間に子を成したのか、自らの力で創り出したのか……残念なことに 神霊に近しい高位の方々は不老不死一歩手前の長生きさんですが、自然と共に生きるフワッとした方が多いので正しいことは伝わっていないのですが……精霊族とも原初の妖精族とも呼ばれる 神霊の力を一部受け継いだ者達を生み出し、各々の性質に適した場所で暮らし始めたのが、妖精族の祖となります。




 水と土、そして光 に親しむ精霊族は木々と共に生き



 火と土、そして闇 に親しむ精霊族は大地の底に住まい



 火と風 に親しむ精霊族は地平を駆け巡り



 水と光と闇 に親しむ精霊族は海面と水底を自由に行き来する




 これが、俗に言うハイエルフさん・グランドドワーフさん・幻霊獣人さん・ムールゲルトさん達ですね。彼らの子孫が、今の4妖精族で、森林のエルフ族・岩窟のドワーフ族・平原の獣人族・大海のメロウ族 となるんですよ。


 4種族の詳しい特色なんかは、今度お話しますね〜。




 その他に有名なのは、魔族さんでしょうか。東の果ての孤島などの濃密な魔素に包まれた土地に移り住んだ人族が、強い魔素を浴び続けることによって変質し、強大な魔力と強靭な肉体を持つようになったらしいです。


 1000年ほど前には魔王と呼ばれる ある意味で化け物な方に従えられて、ちょっとヤンチャをしていたこともあるので、なんとな~く怖いイメージがありますが、異界から神様のお力添えでお呼びした異来人(いらいびと)の聖勇者様が「めっ」と叱ってくれたので、今ではとても友好的に他種族と交流しています。


 彼らは変異した肉体に引き摺られてバランスを崩した精神を安定させるために、何かに執着をする傾向にあると言われています。なので、ほんの少しだけ愛が重……いえ、一途で情の深い方々なので、気に入られ過ぎたり、大切にしている相手に危害を加えると、とても面ど……覚悟の無い方は大変な思いをすることがあるので、彼らとの交流には気をつけてくださいね。根はいい人たちなんですよ。




 あ、もうこんな時間ですね。次は4妖精族の特色と、竜人さんや小人さんなどの少数の種族のお勉強をしましょうね。それまでに、今日お勉強した人類の分類の仕方と人族以外の種族について、わかる範囲で普通紙に書いて提出してくださいね。余裕のある人は挿し絵も書いていいですよ~。


 特徴が判る挿し絵なら加点してあげますからね。はい、お疲れ様でした〜。


 


 〜*〜*〜*〜




 緩やかな曲線を描く薄茶髪と陽射しに柔らかく煌めく若葉のような黄味の強い緑の垂れ目。そして、ふんわりした口調の優しそうな雰囲気で誤魔化されそうになったが、授業初日に いきなり宿題攻撃を繰り出してきた。



(やるな、セリーネ先生。私はメモとってたし、板書も写してたから良いけど、先生をぽやーっと見てた男の子たちは ほとんど覚えてないだろうなぁ)



 若くて綺麗な先生に見惚れていたせいで、女子からは微妙に冷ややかな視線を浴びせられながら焦る 一部の少年たち。彼らを憐れみの混じる眼差しで眺めつつ、 全く関係ない私は さっさと寮へ帰る準備に勤しんだ。






 ドワーフと獣人の上位種の名前がしっくり来ない件(メロウはもはや別物)。もっと良いのが思い浮かんだら、後で変更するかもしれませんm(_ _)m


 獣人族の獣化と似たような原理で、メロウ族は人族形態になって二足歩行が可能です。


 メロウ族をマーメイド&マーマンにしようかと迷いましたが、結局こちらに落ち着きました。



 主人公の設定や本編にちらっと出てきましたが、この世界では


 転生者→《輪廻人(りんねびと)


 転移者→《異来人(いらいびと)


 ……と、呼ばれています。人によっては差別もありますが、歴史上の偉人に多いので概ね受け入れられています。主人公は騒がれたくないので、特に公表していません。


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こぼれ話や番外なお話→ 欠片の一粒~小話をします~
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