表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想(ファンタジー)の欠片~今日の授業を始めます~  作者: 月灯銀雪
ささやかなる幻想(ファンタジー)
13/53

11【魔法工学】魔法工学とは




拙作へお立ち寄りいただき、ありがとうございますm(_ _)m

 





 ……はい、こんにちは。


 今日から、魔法工学についての授業が加わります。




 まず、魔法工学とは およそ600年前の魔導師タクミ・エンジニア様により確立された、魔導工学の流れを汲んでいます。そのタクミ様の造られたものは 魔導機械や魔導具と呼ばれ、複雑怪奇とも言える精密な機構によって組み上げられた機械という装置へ、多属性から成る高度な魔術を封入し、採掘された魔力石や魔獣の核となる魔力晶によって 半自動的に作動する 神の御技の如き至宝……いえ、特殊な装置や、単一素材にどのように詰め込んだのか想像もできないほどの効果をもたらす不可思議な道具であったとされています。




 しかしながら、タクミ様の御技はあまりにも高度で難解であり、誰一人として同等の技を得ることは叶いませんでした。そこで、晩年を迎えた タクミ様は魔導工学の技術を魔術師でも使える程度にまで落とし込むことで、簡易な魔法機械を量産し、普及させるための道筋を示してくださいました。それが、現在に至る 魔法工学の興りとなります。


 タクミ・エンジニア様 のお名前は、魔法工学に携わる限り 必ず何処かで目にする事でしょう。脳に刻み込んでおいてください。




 では次に。

 魔法工学で作り出されるものは、どのようなものがあるのかご存知ですか?




 ええ、貴方たちが魔法陣を描く魔法紙もその1つではあります。厳密に言うと、この魔法紙は魔法機械によって生産された 機械部分を持たずに魔素や単純な魔法のみを封入した魔法具というものの1つという括りになります。もちろん、魔法具を手作りすることもできます。




 他には……そう。音声伝送装置。授業の区切りに鳴るベルの音や、連絡事項を伝える時に声が聞こえる“あれ”の事です。ちなみに、あれは 1対多数 への一方向の伝送を目的とした拡散型です。1対1の双方向型や、複数で同時にやり取りする集団型などもあります。




 それ以外にも、貴方たちの身近にあるのは教材などを小さな装飾品に収納できる保管庫の魔法具でしょうか。今も使っていますね。これも タクミ様の作り出されたものの劣化模倣品です。


 あとは、生きていく上で必要な食べ物を作ったり保存するための機械、衣服を洗うための機械、住居を掃除するための機械、裕福な家庭では室温を調節する機械や身を守るための魔法具など、今の時代に無くてはならない多くのものが タクミ様の魔導工学より生まれ、当時の魔術師たちにより簡易化され、後世の魔法工学師たちによって普及してきたのです。



 ……今日はこの辺までにしておきましょう。

 次回からは、簡単な魔法の封入を目標として封入用の魔法陣の書き方と封入するための魔力操作方法を練習します。筆記具と魔法紙を忘れないようにしてください。……以上です。




 〜*〜*〜*〜




(きっと、エンジニアのタクミです……とでも自己紹介しちゃったんだろうなぁ)



 変な名前の伝わり方をしてしまった同胞(にほんじん)に、ほんの少し憐れみを感じる。いっそ、名前が失伝していれば幸せだっただろうに。



(にしても、日本のエンジニア恐るべし)



 調理器具からエアコン(?)まで生み出したらしい同胞は、一体 何処の企業の人だったのだろう? 幅広く製品を扱う大企業の人で 色々な製品の構造に詳しかったのか……それとも、技術力特化の中小企業で少数精鋭として機械を作っていた人の底力だろうか?


 そんな風に、600年を隔てた今となっては 確認しようもない事を考えながら、ちょっとだけ隣を見る。今日も可憐な殿下は、昨日の不機嫌なぞ何処へ行ったのやら。また、いつものようにニコニコしていた。



(ご機嫌が直ったみたいで良かった)



 雲上人ではあるが、折角 友達っぽくなれた相手だ。何か気に障る事でも言ってしまったかと 不安だったけれど、何事も無かったような態度に 少しほっとした。

 実は、アーシャも収納の魔法具を使ってました。

 入学時、希望者に支給されるものの1つで、収納力は量産品なのでお察し。支給品は一律でシンプルな腕輪型ですが、お家が裕福な子は自分好みの物を作ってもらい持参します。最高級品は、収納物の“時”を止めるもの。



[重要になりそうでならなかった設定]


《魔法工学教師》名前不明 焦げ茶色髪・琥珀目



 魔導工学の開祖 タクミ を信仰レベルでリスペクトする気弱そうなお兄さん。しかし、職人モードになると凛々しく(若干別人に)なる。

 ドワーフの血を引くクウォーターさん。身長も髭もほぼ人族並みだが、お酒はやたらと強い。『職人(ワシら)に言葉の名乗りはいらねえ。佳いモンを作れば、自然とそれに刻まれた手前(テメェ)の名が名乗ってくれらぁ』と、祖父に教えられたとか られないとか。


 【欠片】を書き始めた頃にはアーシャには職人ルートの可能性もあって、そちらの場合に この先生の出番がもっと増えるかも でした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こぼれ話や番外なお話→ 欠片の一粒~小話をします~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ