第1部 第1_2話 地球side ~知らないモノには注意しろ(後)~
今回もお読み頂き誠にありがとうございます。
いい遅れましたが、「私はド素人です」。
※
玄関で3人笑い合った後、妙の意向で俺達3人は俺の自室へ向かった。
本来であれば入れさせたくないが [何故か]「逆らえなかった。」
「散らかってるが、まぁ入ってくれ。」
俺の部屋の表面積は、約20cm²、高さは約3mのごく普通の部屋だ。その中にベッドであったり勉強机があったり、教科書や漫画がごちゃごちゃになって最早何があるか分からなくなった本棚がある。あ、床に散らばっている学校のプリントを言うのを忘れていた。
「うわぁ···」
「す、凄い事になってるわね···」
鮮美は露骨に、妙は控えめに嫌そうな顔をしている。おい止めてくれよ。
「何だよ。俺の部屋に行きたいっつったのお前だろうが。嫌なら居間に行くか?」
「「あ、いや。ゴメン。」」
おい、何で謝って尚嫌そうな顔してんだよ。おい。···仕方ねぇな··。
「···ちょっと待ってろ。」
「「え?」」
そんなに嫌なら速攻で片付けてやらぁ···!というかお前ら今日よくハモるな。
俺は勢いよくドアを閉め、学生鞄をドアの下辺りに放り投げて作業を開始した。
ニブ ニブ ニブ ニブ ニブ ニブ ニブ
「どうしたんだろうね、晃輔君。」
「さぁ?女の子が部屋に入るの、私以外初めてだから緊張してるのよ。多分。」
そうじゃねぇよ、お前らの反応のせいだよ!スッゲェ嫌な顔したてたじゃねぇか!···と、思っていると、いつの間にか掃除が終わっていた。あれ?意識していなかったのだろうか。それともただ単に速かっただけなのか。
まぁ、終わっているなら良しとしよう。
「いいぞ。入ってくれ。」
2人共顔が驚愕の色に染まっていた。
「え!?嘘!?まだ5分も経ってないよ!?」
「は?いや、そんなはずは···」
俺がそう言うと妙が自分のスマホを差し出した。そして、そこに掲示されていた時刻に俺も驚愕した。
「ありゃ!?ホントだ···」
確かに、俺が掃除を始めてから僅か1分しか経っていない。
「まぁ···掃除。終わったんでしょ?速く入ろう?」
「あぁ、そうだな···。」
ハァ、ようやく自分の部屋に入れるのか。いや。「ようやく」って程経っちゃぁいねぇが。
※
「ふぅ。やっと座れるよ~。」
3人座れる椅子など俺の部屋にある訳はなく、俺達は仕方なくベッドに腰掛けた。
「それにしても、さっきより随分とキレイな部屋になったわね。」
今の俺の部屋が前に比べどれだけキレイなのかと言うと。ベッドの上の布団やシーツを整え、本棚は教科書は本棚の左側、漫画は本棚の右側に配置する事で整頓した。プリントで散らかっていた床には今や何もない。って感じだ。これを俺は1分でやったってんだから驚きだ。
「この部屋ってホントにさっきの部屋?」
「多分···合ってるわ···。」
半信半疑で入られても困るんだが。すると。
「おーい、晃ちゃん。あんたにお届けものだよ。」
「あぁ、分かった。今行く。」
お届けもの?密林も楽○も俺は使っていないんだが···。他の誰かのが誤送されたのか?
俺は「お届けもの」が入っている段ボール箱を手にとると、異様な違和感を感じた。
(何だこりゃ、段ボール箱に入ってるもんだから重いもんかと思ってたけど、異様なまでに[軽い]ぞ?この感じからすると、誰かの悪戯か?)
しかし、段ボール箱の中から[コトコト]という音を聞いてその考えは間違いだと気づいた。そして俺は段ボール箱の上の辺りに貼ってある貼り紙を見た。
(届け先「神代 晃輔」差出人「~~~~」?マジでなんだこりゃ。)
俺は不審に思いつつ自室へ向かった。
※
「あ、お届けものって何だったの?お兄ちゃん。」
「いや、まだ分からん。しかもこれ何処から送られてきたかわかんねぇんだよ。密林とか△天とかかいてねぇし。」
「う~ん···。それはおかしいわね···。でも届け先は晃輔君なんでしょ?なら、別に気にすることは無いんじゃない?なら、もう開けちゃいましょうよ!」
う~ん。それもそうか。
「···分かった、開けてみよう。」
妙に促され、俺は段ボール箱に封をしているガムテープをカッターで切り、段ボール箱の中を確認した。すると。
「ノート···か?」
「ノート···よね?」
「何処からどう見てもノートですね···。」
中から出てきたのは大学ノート位の大きさの古ボケた「ノート」だった。
刹那___
「ノート」を見た瞬間、俺は背筋が凍るモノを覚えた。
「···ねぇ、お兄ちゃん。何か、嫌な感じがするよ。何かこう···背筋が凍るような···。」
鮮美も同じ感じがしたらしい。
マジで何なんだ!?というよりこれは「ノート」なのか!?
···なんだか嫌な予感がする。
「なぁ、妙。お前は大丈夫か···。妙?」
妙の様子がおかしい。声を掛けても返事が無く、下に頭を下ろし、完全に沈黙している。もしかしてさっきの背筋の凍るような感じに驚いて唖然としているのだろうか。
「おい?妙?おい!しっかりしろ!」
「え···?嘘でしょ···?妙ちゃん!しっかりしてよ!」
そして次の瞬間。目を疑う光景に俺と鮮美は腰を抜かした。
妙の全身から「光」が出ていた。比喩的な意味ではない。本当に全身から光が出ているのだ。
「た···え···?」
そして、妙の身体がカタチを変える。背中からはまるで天使のような美しい羽が生え、彼女が着ていた制服は比較的露出度の高い羽衣に、彼女の艶のある美しい黒髪は美しい金髪に。
まさしく「神」と呼ぶに相応しい容姿だった。
[私の名は「クロエ・オライオン」···。「悪」と「善」をハカる者···。]
クロエ···オライオン···!?
「お前は···妙じゃないのか?」
[私は、お前の言う「妙」であり、「妙」ではない。そして···]
バチッ!
「ッ!?」
何だ!?突然電撃を受けたような痛みがッ!?
[言葉に気を付けるがいい。人間「神代 晃輔」。]
「ねぇ···じゃなかった。あの、少しよろしいでしょうか?」
俺は電撃のせいで身体が痺れて動けない。
(鮮美ッ···!)
言葉使いに気を付けろよ?これマジで痛ぇからな!?
[なんだ、人間「神代 鮮美」。]
「貴女は···神様なのですか?」
妙だった者。クロエ・オライオンは、答える。
[私は「神」であり、「神」ではない。]
「···?どういう意味でございましょうか?」
クロエ・オライオンは冷徹かつ冷酷な瞳、態度で答える。
[答える義理はない。]
「···分かりました。失礼します。」
電撃の痛みが引き、ようやく立ち上がった俺はクロエ・オライオンに新たな質問をした。
「もう一つ宜しいでしょうか。」
俺は死を省みず質問をする。
[なんだ。]
「俺達をこの後どうなさるおつもりですか?まさかこのまま見逃す気ではないでしょう?」
クロエ・オライオンは冷徹な瞳で俺を見つめたままこう言う。
[当たり前だ。お前達には口封じをさせてもらおう。]
口封じ··?一体···?俺は続けて質問をする。
「その口封じというのは···?」
[こういう事だ。]
クロエ・オライオンは手をかざし、「お届け物」として届いた「ノート」を手に取った。ノートは革のカバーに、蝶番が金、赤色の紐式のしおりの様な見た目の、まるで辞書の様な物に変形し、それを手にすると。
[ソウル・トランスッ!]
クロエ・オライオンがそう叫んだ瞬間、視界からあらゆるモノが消え、俺は暗闇に引きずり込まれた。
お読み頂き誠にありがとうございました。
次回にご期待下さい。
次回
[第1部 第1_2話 オライオンside ~新入りはいつもパシられる~]




